中欧のクリスマス

2005.12.1926

 ヨーロッパのクリスマスを味わいたくなり、中欧4カ国を訪ねました。予報ではドイツなどヨーロッパでは寒気による被害が報告されていましたが、訪れた中欧の5都市は穏やかで、暖かく、天候に恵まれました。
2006127日はモーツファルトの生誕250年に当たり、オーストリアの街では記念行事の準備が進んでいました。


1219日(月)東京晴 Wien—曇 10,000歩 

 6:10発のバスで武蔵小金井駅に出る。小金井発6:28の中央線に乗り、神田で山手線に乗り換えて上野で下車する。京成上野発7:27の特急は8:40に成田空港第二ターミナルビルに到着する。

 北口側のQLライナーの手荷物受け取りカウンターで託送しておいたスーツケースを受け取る。D-カウンターで搭乗券を受け取り、Y-カウンターでスーツケースを預けると身軽になる。

 集合時間までの間、いつも立ち寄るそじ坊で生ビールとホットケーキの朝食をする。集合時間の10時に今回のツアー参加者34名が集合し添乗の森さんから予定や注意事項を聞く。

 オーストリア航空OS-052便は全日空NH-285便との共同運航便で、B75ゲートからの搭乗予定である。出国手続きをして、搭乗口に向かう。

 OS052便はA340200型で、定刻の1140を少し遅れた1157に離陸し、ウイーンに向けて飛び立った。日本とオーストリアの時差はー8時間、約12時間のフライトで、定刻より10分早い1555薄曇りで、雪がうっすらと積もっているシュヴェヒヤート国際空港、Vienna Schwechat Airportに到着した。

 日本蕎麦を添えた機内食は赤ワインで頂き、おむすび、ヌードル、サンドウィッチをフライトの中間で、降りる前にいなり寿司、サラダ、フルーツ、ビスケットを頂く。

 空港には現地ガイドのカジワラさんが出迎えてくれ、1638バスでボーセイ・ホテルに直行し、空港からモーツアルトなどの眠る中央墓地の前を通り、旧市街の外環を通って旧市街の西南地区のホテルに1735到着する。

 4階の部屋に荷物を置き、ロビーに降りて夕食のレストランを物色していると、ツアーの人達が添乗の森さんと近くの店に出かけるところに出会う。総勢8名で15分程歩いたところにある、ガソリンスタンドと同じ敷地にあるスーパー&コンビニに向かう。外気は凍るように寒く、歩いていても足下から寒気が登ってくるようである。日常の食料品やビール、菓子などの嗜好品を販売しているスーパーは午後7時で閉店となり、隣のコンビニでも買物をして1930ホテルに帰ってくる。 

 お腹もあまり空いてないのでロビー階にあるPINTOバーで、念願の生ビール、赤ワイン、コーヒー(何故かメランジェ、アインシュペンナーなどのウイーンコーヒーが通じない)ザッハー・ケーキを頂く。ザッハー・ケーキは大皿に乗ったチョコレート・ケーキと生クリームがたっぷりあり、アルコールの入ったフルーツのところはワインのつまみになる。ビールのつまみのポテトチップは無料で、お代わりをする。夕食代として旅行会社から20頂いたが、これで支払い、お釣りが来る。

 

1220日(火)Wien—曇 Budapest—晴/小雨 7,300

 4時、隣のベッドのごそごそする音で目が覚める。シャワーを浴び、7時半から2階(エレベーターの表示は1階)のレストランでバイキング形式の朝食をする。スーツケースを部屋の外に出し、ロビーに降りる。このツアーでは空港やホテルでのスーツケースの運搬は総てポーターがやってくれるので、ホテルの移動が苦にならない。

 今朝はハンガリーのブタペストに向かうため、9時にスロヴァキア出身のドライバー、ウラジミールさんの運転するバスで出発する。ウラジミールさんは24日にウイーンに帰ってくるまで我々のバスのドライバーである。

 バスはウイーンの街を出ると、田園地帯を走り、しばらくすると風車が見えて来た。オーストリアでは風力発電が盛んで、コストは高くつくが、環境に配慮したクリーンエネルギーとなっている。

 1時間程で1005ハンガリーとの国境に着く。ウラジミールさんが国境の事務所で交渉してくれ、美人の係官がバスに乗り込んで来て皆のパスポートに押印してくれた。運が悪いと?素通りさせられて、ハンガリー入国の証明が貰えないこともあるらしい。

 国境のハンガリー側のガソリンスタンド兼コンビニでトイレ休憩。トイレ使用料は一人0.35のチップ。

 ハンガリーに入ると風車が無くなり、積もった雪の量が多少多くなった感じで、相変わらずの田園地帯の冬景色が続く。ブタペストの市街に入り、ドナウ川を渡ってペスト地区の中央市場の近くにあるレストラン、Kaltenberg1240から1時間程昼食となる。

 このKaltenberg Etterem1985の創立だそうで、時分どきのせいか店内はほぼ満員の盛況である。メニューは鱒の唐揚げがメインで、デザートはラズベリークリームのケーキで、どちらも美味しかった。自家製の生ビール、ワイン、紅茶などで頂き、満足である。

 午後はトウンダさんのガイドで市内観光である。バスで再びドナウ川を渡り、王宮の丘と呼ばれる、1987年に登録されたブダ地区の世界遺産を観光する。

 漁夫の砦:城壁を守っていた漁師達の居た砦。ネオ・ロマネスク様式の塔の建つ砦の上が通路になっている。眼下にはドナウ川が流れており、対岸には国会議事堂やブダペストの街並が見渡せた。

 マーチャーシュ教会:13世紀に王宮と同時に建てられ、その後マーチャーシュ王が塔を新たに立て直したのでこの名前がある。色鮮やかなモザイク屋根や精巧な装飾が施された石造りの尖塔が特徴で、内部のフレスコ画やステンドグラスは見事である。床には暖房がされていた。

 三位一体広場:マーチャーシュ教会の目の前にある広場で、18世紀に流行したペストを生き延びた人々によって建立された高さ14mの三位一体像が建つ。

 ブダ王宮:13世紀に創建され、15世紀にルネッサンス様式に改築されたが、その後オスマントルコに破壊され、バロック様式やネオ・バロック様式になった。王宮内には歴史博物館があり、王宮に残された50万点に及ぶ遺品を収蔵している。夜はライトアップされる。

 カロチャ刺繍の店、ユディット・フォルクロールに立ち寄り、1640から1時間弱、ハンガリー名物で、カロチャ地方の名品、カロチャ刺繍の品々を見物する。 

 その後、国会議事堂やライトアップされた聖イシュトヴァーン大聖堂を外から見物する。18時にはとっぷり日が暮れ、ライトアップされた英雄広場の大天使ガブリエルを載せた塔や歴代の王、英雄の像を見物する。この地区は市民公園の一角で、街角ではクリスマスのイベントが行われており、英雄広場からドナウ川に向かうアンドラーシュ通りのクリスマス飾りが輝いていた。この頃には小雨が降り出し、寒くなって来た。

 今日のホテルはイビス・アエロホテル(ibis Aero )、市街の南東にあり、ネブリゲット・バスターミナルが目の前に見える。1840ホテルに到着し、玄関のすぐ上の部屋に荷物を置き、ホテルのレストランで1915から1時間程夕食をする。

 夕食のメニューはハンガリア料理の代表、パプリカを使って牛肉やジャガイモ、ニンジン、タマネギなどを煮込んだシチュー、鶏肉料理で、ビールを飲みながらデザートのアイスクリームまで美味しく頂く。マダムは昼食を食べ過ぎたせいか、夕食はパスして部屋でお休み。

 2030バスでホテルを出発してドナウ川クルーズに出かける。2110マルギット橋の北側よりチャーターした遊覧船に乗り、有名なくさり橋、エルジェーベト橋、自由橋、petofi橋までを往復する1時間のクルーズである。川の両岸にはライトアップされた建物や王宮が素晴らしい夜景を見せてくれた。中でもライトアップされたクサリ橋は見事であった。キャビンでワインを飲んだり、デッキに出て景観を楽しむ。

 

1221日(水)晴/曇 7,400

 5時に起きてシャワーを浴び、荷物をスーツケースに詰めて部屋の外に置き、630バイキング形式の朝食をする。出発までの時間、目の前のバスターミナル、地下鉄の駅を見物し、地元の人達が食べている朝食らしき塩分の効いた小さなパンを買い、味わう。

 730バスでスロヴァキアに向かう。途中でトイレ休憩をし、ドライバー推薦のスロヴァキア音楽のCDを買う。10:50スロヴァキアとの国境に着く。ここでも入国の証明をパスポートに貰う。

 1120スロヴァキアの首都、ブラスチラヴァに入り、ガイドのカテリーナさんの案内で旧市街を見物する。聖マルチン教会の王冠を載せた塔を見ながら、モーツアルトやリストゆかりの家などを見物し、中央広場に向かう。ここではクリスマス市が出ていて大変賑やかで、自由行動の間クレープや焼き栗を買い求めて味わう。広場で日本の国旗を見つけ、近づいて見ると日本大使館だった。街にはマンホールから首を出している男の像などがあり、楽しい。

 プラスチラヴァ城は街を見下ろす丘の上にあり、ひっくり返したテーブルのように四角い建物の四隅に塔が立っている。この城の南側には緩やかな流れのドナウ川があり、展望台のある橋や高層アパート群が建ち並んでいる。

 昼食はお城のすぐそばにある、国会議員も利用するという、国会議事堂横のレストラン、Kaviarenでベジタブルスープ、チキンソテー、デザートはフルーツコンポーネント&アイスクリーム。勿論美味しいビールで。

 午後は国境を越えてチェコに入り、北上してプラハに向かう。国境ではチェコ入国のスタンプを貰う。驚いたことにドライバーさんはトイレ休憩で立ち寄った店で買って来たチョコを全員にクリスマスプレゼントする。旅先でドライバーさんにプレゼントを貰うのは初めての経験である。

 1945プラハのヴルタヴァ川西岸にある宮殿のようなホテル、クラウンプラザ・プラハに到着する。入ったとたん大変きれいなクリスマス飾りが歓迎してくれ、シャンデリアも豪華である。

 夕食は20時から、ロビーから赤絨毯の階段を登ったレストラン、Harvestで、エビのテリーヌ、サーモンのポテトパイ、デザートはチョコレートケーキ。チェコビール、白ワイン、カプチーノで頂く。

 食後、ロビーの奥にあるピアノバーで赤ワインを飲みながら、夕焼け小焼けや上を向いて歩こうなど、サービス精神で演奏してくれた日本の歌の演奏を聴く。

 

1222日(木) 雨/晴 5〜−2℃ 17,100

 5時に起きてシャワーを浴びる。窓の外は雨が降っており、暗くてなかなか夜が明けないが、ホテルの前の路面電車の折り返し線や2両連結のバスは動き出している。7時からバイキング形式の朝食をし、フロントで傘を借りてホテルの周りを散歩する。

 9時にバスで出発して10分程のところにあるプラハ城を見物する。今日のガイドはかわいいJanaさん。正面玄関の衛兵を見物し、プラハ城のシンボル、聖ヴィート教会などを見物する。教会のフレスコ画やステンドグラスは素晴らしい。歴代ボヘミア王の居城、旧王宮前の庭からヴルダヴァ川の向こうに見える旧市街の景色はすばらしい。10時に交代する衛兵が鉄砲を担いで、3名で走るように正面玄関の方に去って行く。

 王宮から黄金小径を歩いてカレル橋へと降りて行く。この細い小径には個性的な土産物を売っている店が十数軒あったが、もともとは衛兵の住宅だったらしい。

 ヴルダヴァ川に架かる最も古い橋、カレル橋は1357年、60年の歳月をかけて完成したもので、橋の両端に橋塔がある。川の西岸、プラハ城側にある橋塔には上まで登ることも出来る。歩行者専用の橋で欄干の至る所に30体に及ぶ聖像やモニュメントが建っており、プラハ城や旧市街、ヴルダヴァ川の景観を楽しみながらのんびりと歩く。旧市街側にある橋塔はゴシック様式で美しい。ここからカレル橋とプラハ城を眺める景観は素晴らしい。

 旧市街の繁華街を歩いて、旧市街広場に向かい、旧市庁舎のゴシック様式の外観と天文時計、クリスマス市で賑わう広場を見物する。この広場からは2つの塔の間に金の聖母マリアのあるティーン教会、2つの塔を持つバロック様式の白亜の教会、聖ミクラーシュ教会など、歴史と栄華を感じさせる建造物が見えた。

 12時から30分程ボヘミアグラスの店で素晴らしいガラス製品を見物する。昼食は1250からレストラン、Kavarna Obecni Dumで、ポロネギのスープ、ポークロールと紫キャベツの酢漬け、デザートは洋梨のチョコレート。このレストランで初めてマダムはアインシュペンナーと呼ぶ日本で言うウインナコーヒーに最も近いコーヒーにありつく。

 午後は13名のオプショナルツアーである。Janaさんの案内でボヘミアの古城、メルニック城 Zámek Mêlníkを見物する。プラハの市街からバスで50分程のところにあるこの城はエルベ川とヴルダヴァ川が合流する地点にあり、この地域はブドウの産地で、この城もワインセラーを持っている。古城ではあるが、今でも城の持ち主が居住しており、室内は撮影禁止とのことであるが、今日は他の見物客が居ず、持ち主の好きな日本人とのことで、撮影を許される。

 お城の中は現在でも結婚披露宴をすると言う大広間や、歴史的な絵画、装粧品、武器などが陳列され、階段の壁にはこの城の主人が捕獲したと言う膨大な数の鹿の頭の剥製があった。ヨーロッパの主要な都市の昔の絵図面が壁に沢山掛けてあり、驚いた。

 ホテルに送ってもらい、夕食に出かけるまでの間、15分程の所にあるスーパーに行く。道端ではこの国の人達がクリスマスに特別に食べると言う鯉が生け簀に入れられて次々と捌かれて売れて行く。

 夕食は1830からプラハ城内にあるストラホフ修道院そばのレストラン、Svaty Norbertでビーフの煮込みと野菜サラダ、デザートはアイスクリームをチェコの黒と普通の生ビールで頂く。

 810クラウンプラザ・プラハホテルに帰り、昨夜と同じロビーバーで30分程、赤ワインとウイーン風コーヒーを飲みながらピアノを聞く。

 

1223日(金)曇/時々小雨&小雪 8,500

 645から朝食をする。このホテルのバイキングは種類が豊富で、選ぶのが大変だ。730スーツケースを部屋の外に出し、まだ暗い電車やバスの停留所の辺りを歩く。

 830バスでPragueを後にし、Cesky Krumlovに向かう。途中で1回トイレ休憩をする。ここでウラジミールさんお薦めのスロバキア名産のウエハウス&チョコや甘いスピリッツ、Becherovkaを買う。

 チェスキー・クルムロフの街に1135到着する。人口15千人の街に年間100万人の観光客が訪れると言われるこの街は1992年に世界遺産になった。またアメリカビール、バドワイザーの故郷でもある。

 ヴルタヴァ川が蛇行して出来た旧市街とその対岸に建つチェスキー・クルムロフ城が観光の中心である。駐車場から聖ビート教会を見ながら市庁舎の前庭、スヴォルノスチ広場まで歩いて見物する。1253年クルムロフ家の領土となって以来、この城は持ち主が変わる度にゴシック、ルネッサンス、バロック様式と修改築が行われて来た。街並は今でも赤茶けた屋根と白壁の街並が中世にタイムスリップしたかのように美しい。

 昼食はVinarna Terasa12時から、ハーブの入った団子のスープ、サーモンステーキにデザートはチョコレートケーキ&生クリーム。食後、チェスキー・クルムロフ城を通り抜けてバスに戻る。

 1430にチェスキー・クルムロフの街を出発し、トイレ休憩を1回して、1524オーストリアとの国境に着く。この国境ではパスポートに入境の印を貰いたい人だけバスから降りて、管理事務所で押印してもらう。これからバスは一路Wienのホテルを目指し、1回の休憩をしただけで1750にはMelkの修道院が左手に見えてくると、間もなくウィーンの市街地に入り、19時に最初に泊まったボーセイ・ホテルに到着する。バスの中で全員が森さんご推薦のモーツアルとの肖像がデザインされたチョコを頂く。

 夕食は1925からホテルの2階レストランで、粗挽き小麦粉団子のコンソメスープ、ウイーン名物ウインナーシュニッツエル、デザートはアップルパイ(アップルシュテュルーデル)、赤ワインとメランジェで頂く。

 

1224日(土)雨/晴 21,300

 930ホテルをバスで出て、市街の西南にあるシェーンブルン宮殿に向かう。道路が空いていたこともあって、開門の9時前に到着する。この頃から雨が降り出し、だんだん風雨が強くなって来た。ハプスブルク家の夏の離宮であったこの宮殿は、1696年にバロック様式の宮殿として建築されたが、1740年にマリア・テレジアが大規模な改造を行ったと言われる。外見は重厚なバロック調が残り、内装はロココ調や漆工芸など、東洋の美も随所に取り入れてある。ガイドのはるよさんの案内で内部の見学をするが、見学の団体が多く、説明の声が入り組んで、聞き取りにくい。宮殿を囲む庭園やネプチューンの泉は手入れが行き届いているが、今は季節がら雪に覆われていた。丘の上に建つグロリエッテは1755年プロシャとの戦争に勝利した記念に建てられ、今ではカフェになっている。

 1025バスで市街の南東にあるベルヴェデーレ宮殿に向かい、1045到着する。世界で最も美しいバロック建築のひとつといわれるこの宮殿は、オスマントルコの攻撃からウイーンを守った英雄、オイゲン公の夏の離宮や迎賓館として使われた上宮と同公の住まいの下宮が左右対称になっており、門を入って池越しに望む姿は美しい。宮殿の裏側にある庭園から望む風景も一幅の絵である。 

 市街をバスで見物しながらオペラ座の近くの免税店、Jaluxに立ち寄り、環状道路を回ってドナウ運河の畔、トラムの駅Schwedenpl.の斜め前の中華レストラン、Chinese Cort 中華閣の丸テーブルで1315まで中華料理の昼食をする。

 午後は自由行動である。

 先ずはクリスマス飾りを見ながら、ローテントゥルム通りを歩いてWienの象徴的建造物、シュテファン寺院に向かう。天にそびえ立つゴシック様式の尖塔は12世紀の初めにロマネスク様式の小さな教会として建てられ、14世紀にルドルフ4世によって現在のように変貌する工事が行われたそうである。寺院の中はバロック様式の主祭壇をステンドグラスの光が照らしていた。そろそろクリスマスのミサが始まるのだろうか、机の上に歌詞のようなプリントが配られていた。祭壇に向かって左側から北塔に登るエレベーターがあり、一人4€で展望所に登る。そこからはモザイク模様の珍しいこの寺院の屋根と町の景観が一望出来、素晴らしい。

 教会の入口でマダムのリュックのチャックが開く音がして振り返ると若い二人ずれの女の子が去って行く所で、教会の入口とスリの関係はなかなか理解出来ない。またこの教会は、モーツアルトが結婚式を挙げ、彼の葬式が行われた寺院だとモーツアルト生誕250年記念の記事で知った。

 シュテファン広場の近くにあるというモーツアルト・ハウスを探したが、なかなか見付からず、人に聞きながら何回も同じ辺りを歩いてやっと見付けたら、来年がモーツアルト生誕250年に当たるため、工事中で、2006.1.27の完成だとのことである。掲示されていた完成図を眺めて納得する。この住居にモーツアルトは1784年から1787年まで、コンスタンツと結婚して生涯で最も幸せな時期を過ごしたとのことである。

 シュテファン広場からケルントナー通りをオペラ座に向かって歩き、通りの右側にザッハー・ホテルを見付ける。外側から直接入れるカフェは長蛇の列で、待ち時間が長そうだ。ホテルの玄関から入ってトイレを使い、ホテルの中のカフェに落ち着く。生ビールとメランジェ、それにお目当てのザッハー・ケーキを注文する。ケーキは案内書に書いてある通り、チョコレートケーキに酸味の利いたアプリコットジャムが入っており、ウィーン風にたっぷり添えられた生クリームと頂く。ビールには3種類のおつまみが付き、これで12とのこと、雰囲気、味、サービス、値段に満足してチップと共に14置く。

 オペラ座の周りを一周して建物をためつすがめつ眺めたが、何処からも入れそうにないので、あきらめて右回りの路面電車に乗り、市庁舎前で降りる。市庁舎前の広場はクリスマスの市で大変賑わっており、大勢の人で歩くのもままならない。そのうち、16時頃になると市庁舎がライトアップされ、木々に飾り付けられた提灯様の飾りに点灯され、クリスマスの気分が盛り上がって来た。

 市庁舎前から右回りのトラムに乗り、Schwedenpl.駅で降りる。昼間通ったローテントゥルム通りやケルントナー通りはクリスマス飾りやイルミネーションで昼間とは見違えるようである。飾りは華やかではなく、落ち着いた黄色一色であるが、これが又美しい。通りの左手に天満屋の看板を見付けたので、日本のデパートかと思ったら寿司屋だった。

 この通りを往復して、開いている店に入って土産物を物色する。タバコ屋など多くの店はクリスマスイブの午後は休んで、店の人は家に帰り、クリスマスの準備をしたり、ミサに出かけるとのことである。お陰で電車の切符を自動販売機で買う経験をする。

 モーツアルトやベートーベンの眠る中央墓地も訪れたかったが、時間がなく、次回に残しておく。

 オペラ座前の地下鉄の駅で開いている店先を眺め、水を買ったりしていると同じツアーの人達に会い、バーデン線の電車乗り場で落ち合うことになっていた森さんと総勢7名で1818発の電車に乗り、暗くなった道を歩いて1845ホテルに到着する。

 夕食は19時からホテルのレストランで、クリームスープ、ローストビーフ&温野菜、デザートは温かいクリームダンプリング。この地方では食後のデザートの種類の多さや、ボリュームに驚かされる。

 食後、2015分頃からPinto Barで森さんを誘って総勢10名が集まり、おしゃべりをする。2150お開きとなったが、東村山から参加されたAさんのご馳走になる。

 

1225日(日)晴/雨 9,200歩(12/2526

 720から食事をし、初めの日に行ったガソリンスタンドのコンビニまで散歩をする。ホテルに帰る途中で雨が降り出す。

 1028バスで空港に向かう。今朝も到着した時と同じカジワラさんに案内してもらう。搭乗手続きをしてスーツケースを預けた所でカジワラさんとさよならする。出国手続きは簡単で、パスポートに出国の印を押してもらい、A2ゲートに向かう。ゲートの手前にあるカフェJohann Strauseで出発時間までビールやコーヒーを飲んで休憩する。空港の売店で買った板チョコのセットは意外と好評だった。

 オーストリア航空、OS-051便は定刻の1340に離陸し成田に向かって飛び立った。機内食を赤ワインで頂き、ワインをお変わりしたせいか、その後も勧められる。その後カップヌードルが温いお湯と共に出され、到着前に朝食が出される。眠っていない時は食べている感じの11時間のフライトであった。

 成田着は1226日(月)840(定刻は925)、天候は晴。931発の京成電車に乗り、JR、バスを乗り継いで、12時に帰宅する。


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