一面が真っ白い雪世界の中の踏み固められた道らしきものをたどって、ビジターセンターや栂池山荘、栂池ヒュッテのある辺りまでスノーシュー・ウオーキングをする。周りの樹木が低く見えるのは、2m を越す雪の上を歩いているためだろうか。前回、夏に来たときは川が流れており、その川に橋が架かっていた記憶があったが、今は雪に覆われて、川も橋も分からない。ビジターセンターの2階建ての建物の1階部分が雪に埋もれて、2階の窓がすぐ近くに見える。しんと静まり返って全く音が聞こえないのは、雪が音を吸収しているのか、それとも音を立てるものがないのか。しかし、霧で遠くの景色は何にも見えない。1時間程歩いたが3人のみで、誰にも会わなかった。
6月28日
傘をさして水中の木道を注意しながら歩いて行くと、コバイケイソウの群集や一面水芭蕉の集落があり、水たまりの向こうにシラネアオイの可憐な姿があった。水芭蕉を近くで見ると花びらに水滴が着いていてきれいだ。雨で見る方は大変だが、花や植物は生き生きとしているようだ。
オオカメノキ、根まがり竹、毛のないよもぎ、ミツバオウレン、タケシマラン、リュウキンカ、ナナカマド、サンカヨウ、イワカガミ、チングルマ、モウセンゴケ、エンレイソウ、ヤシオツツジ、イワカガミ、イワイチョウ、ショウジョウバカマ、キヌガサソウ、マイズルソウ、ハクサンチドリなど数えきれない程の植物を見ながら教えてもらう。借りてきたマダムの長靴は短いので、靴の中まで水浸しである。
栂池ヒュッテでビールやコーヒーでお焼きを食べながら、・・・。
15:30麓の山小屋に帰る。八王寺から来た家族連れと山小屋のオーナーがイワナのつかみ取りで25匹ものイワナを捕まえたとのことで、早速イワナの塩焼きをご馳走になる。
歩いて5分程のところにある栂池温泉元湯栂の森で温泉に浸かる。露天風呂や薬湯もあり、広くてきれいな立ち寄りの湯である。
夕食は車で30分程のところ、静かな山郷にある家庭料理屋さん<家族>を山小屋のオーナーが予約しておいて下さったので、雨がぱらぱら降り出した中、私ども父母娘と4人でオーナーの車で出かける。埼玉から移り住んだという姉妹の手料理は、前菜(ツルムラサキのおひたし、松前漬、イカの白子、キュウリ)、山芋の大根おろし和え、茄子と人参の味噌煮、茄子の南蛮漬、冷たい蟹のスープ、キュウリ和え、かに玉、コロッケ、鶏の唐揚、生野菜、皮なし瓜の漬物、自家製青唐辛子味噌で、小生は生ビール、他の人はお茶、烏龍茶を頂く。
帰りに、自家製青唐辛子味噌をお土産に買い、締めて¥9,900とは安いと、100円はチップにする。今度はお土産に5kgを越す夕顔(冬瓜?)を頂く。折角だからと、この夕顔は電車に乗って、東京のわが家まで持ち帰り、近所の方達と分け合って食べた。
娘は国道の土産物屋に置いておいた車で19:30金沢に向けて出発し、22時には自宅に着いたとの連絡がある。
20時前に山小屋に帰り、21:30までビールやコーヒーを飲みながら、宿泊している家族ずれのお客さんや山小屋のご夫婦と歓談する。
8月22日(月)栂池—雨 松本—晴 11,000歩
昨朝山小屋のオーナーが見たような、朝焼けの白馬三山が見えるかと期待して早起きしたが、残念ながら雨で、山は雲に覆われている。8時半からゆっくり食事をして、9時にオーナーの車で白馬駅まで送ってもらう。白馬も雨のため、9:54発の電車で松本に向かい、定刻より少し遅れて11:40松本駅に到着する。
松本駅は工事中で、構内から駅周辺までごみごみしている。駅前の観光案内所でお薦めの、まだ訪れてない名所などを聞き、荷物をロッカーに預けて蔵の町、中町通りの古い街並を見物する。次いで100円バス、Town Sneakerで松本市美術館に向かい、草間弥生さんの特別展、「魂のおきどころ」を見学する。マダムは三和藍染めの店で藍染めの上着を見つけ、店のご主人に勧められて買い求める。
再び中町通りに帰って来て、蕎麦屋まつしたで乾いた喉を生ビールで癒しながら、山菜そば、天ぷら、ざるそばを頂く。
松本駅から16:06発のあずさ28号新宿行きに乗り、18:01八王子で降りる。中央特快に乗り換えて国分寺で下車し、国分寺から京王バスで、19時帰宅する。