秋景色の中、カナダ会の仲間と
南東北の旅


2004.10.23〜24

 絶好の行楽日和の2日間、遠刈田温泉に泊まって、秋景色真っ直中の南東北を天元台高原、小野川温泉、七ヶ宿を訪れ、紅葉の蔵王エコーラインを通ってお釜のエメラルドに感激し、山寺を拝観し、ローカル列車で愛子(あやし)までのんびりと車窓からの紅葉を愛でる。最後は爆音を響かせる秋保大滝の迫力に圧倒された。

10月23日(土)晴→曇 11,800歩 
 5時30分、やっと明るくなった頃、歩いてJR国分寺駅に向かい、6時頃着く。6:18国分寺発の中央特快、東京行はこの時間でも座席はほぼ塞がっており、驚いているうちに新宿に到着する。新宿からは大勢の乗客が乗り込んで、車内が暖かくなる。東京駅到着は6:52、フードコートで朝食をしようと覗いてみたら、まだ店が開店しておらず、カツサンドを買って電車の中での朝食となる。
 北口の団体待合所でKさんご夫婦と一緒になり、改札口の所でTさん母娘と出会う。23番ホームに上がると、東北新幹線Maxやまびこ103号は入線しており、コーヒーを買って4号車に乗り込む。我々10人のカナダ会の席は1、2番のABCDE席で、上野でSさんご夫婦が、大宮でYさんご夫婦が乗り、全員揃う。今回の添乗の内田さんは列車の中からこまめに気を使って下さり、楽しい旅になりそうだ。
 9:14福島駅で Maxやまびこ103号を下車すると、待っていた福島交通のバスに乗り、総員45名のツアーが始まる。ガイドの三浦美枝子さんの軽妙で蘊蓄のある福島弁や山形弁の説明を聞きながら、福島駅を9:27に出発したバスは国道13号線を走り、10:05には東栗子トンネルを経て県境を通り、2,600mの西栗子トンネルを抜けて10:50白布温泉に到着する。
 天元台高原は標高920mの白布温泉湯本駅から天元台ロープウェイで5分程の所にある標高1,300〜1,800mに広がる高原で、西吾妻山(2,035m)の麓にある。ロープウェイからは廻りの山や渓谷の紅葉が見事である。標高1,350mの天元台高原駅に降り立つと、有名な白猿の石像が迎えてくれた。駅舎から外に出ると風が強く、寒いので、次のロープウェイで来る人を待つ間、ストーブにあたりながら山形名物の玉コンニャクを頂く。ここの玉コンニャクは良く味がしみて、今回の旅で食べた中では一番美味しかった。
 アルプ天元台のレストランで予約しておいた芋煮定食の昼食を頂き、最上川源流の滝、火焔の滝や米沢市街を一望出来るパノラマ展望台からの眺望を楽しむ。
白布温泉を12:50に出発したバスは20分程で小野川温泉、独楽の里「つたや」に到着し、13:50まで独楽の絵付けを体験する。
 バスは121号線を通って米沢市内を通り抜け、14:15に高畠ワイナリーに到着し、35分程ワイン工場の見学とワインの試飲をする。
 ワイナリーを出発したバスは、国道113号線を白石市に向かって出発し、途中「旬の市七ヶ宿」の駐車場に40分程駐車して、水しぶきを上げて流れ落ちる滑津大滝を見物する。この滝は川幅一杯に流れ落ちる水量が多く、滝の横の歩道を歩いていると、しぶきがかかってくる。群馬県利根村の東洋のナイアガラと呼ばれている「吹割の滝」よりスケールが大きい。
 バスは国道113号線沿いの七ヶ宿湖の北側を通り、国道に沿って点在する古い宿場町を通り抜ける。途中で七ヶ宿湖の噴水が4:20から5分程15mの高さまで吹き上げる光景に出会ったのはラッキーであった。
 白石市から蔵王町を通って遠刈田温泉の
宮城蔵王ロイヤルホテルに17:15到着する。このホテルは2年前泊まったホテルで、遠刈田温泉の繁華街を通り過ぎ、蔵王神社の赤い大鳥居の前に建っている。
 前回は夜遅くの到着だったが、今回は夕食までの時間もたっぷりあるので、大浴場の外にある露天風呂から半月の月を眺めながらのんびりする。風呂から出てくるとTVで新潟県中越地震のニュースをやっており、久しぶりの大地震に驚く。
 夕食は6時半から2階の「熊野」の部屋でビールや酒を次々に追加注文して、10人でわいわいとおしゃべりをし、廻りに人が見えなくなった8時頃いったん部屋に引き上げる。2人ずつの部屋は広々としているので、今回の世話役Sさんの部屋に集まって11時過ぎまで2次会が盛り上がる。

10月24日(日)晴 14,000歩
 今日は朝から快晴である。マダムは5時頃から起きだして風呂に行ったり、日の出の写真を撮ったり、散歩に出たり忙しい。ポチはゆっくり起きて、部屋のシャワーを浴び、さっぱりする。7時から3階のロイヤルホールでバイキング形式の朝食をする。 
 8時にホテルを出発したバスはすぐ蔵王エコーラインに入り、赤い大鳥居をくぐって紅葉の真っただ中をはい松や樹氷帯の中を登って行く。高度が上がってくると崖の所の霜柱がキラキラ光って奇麗だ。
 8:42エコーラインの最高地点にある駐車場に到着する。駐車場の広場から遥か遠くに鳥海山や朝日岳が白い頂を見せている。5分程歩くとエメラルド色の水をたたえたお釜が見えて来た。このお釜は蔵王連峰の火口湖で、深さ30m、周囲 約330mの湖の水が四季の変化や気候条件によって色々な色に変わると言う珍しい湖である。天候の変化が激しく、奇麗な色の湖を見られたのはラッキだったようだ。お釜から5分程歩くと刈田岳1,758mの頂上で、その向かいに1,840mの熊野岳があり、その間に伊達政宗公の碑や蔵王国定公園の石碑が建っている。
 9:15バスは蔵王エコーラインを上山市に下り、山形市を流れる馬見ヶ崎川を渡る。この川は毎年9月第一日曜日に河原で芋煮会が行われることで有名で、芋煮発祥の地と言われている。
 立谷川に架かる赤い橋を渡って、10:15山寺のいずみやの駐車場に着く。この辺りはバスや車、歩いている人でごった返している。
山寺の登山口から境内に入り、山門をくぐって石段を登って行く。2年前と違って今回は時間もあり、前回の経験からマイペースで登る。
 通称山寺と呼ばれる立石寺は山形市の東北12km程のところに35万坪を有し、正式には宝珠山阿所川院立石寺である。貞観2年(860年)、第56代清和天皇の勅願により、慈覚大師円仁が開山したと伝えられている。立石寺は天台の教学道場として開かれ、奇岩怪石の霊窟として広く知られている。
 根本中堂にお参りして、千百余年の間いちども消えたことのない「不滅の灯り」を見物し、鎌倉時代に建てられた登山口山門から千を越す階段(1,015段)を登って、奥の院へ向かう。両側の岩肌から幽境の聖域といった感じが漂って来る。冷たい清水が湧いている姥堂を過ぎると、ここから上が極楽浄土で、清水で心身を浄める。御休石を過ぎると、せみ塚がある。仁王門を通って、奥の院の見える辺りから左に行くと、この地を開山した慈覚大師円仁の御廟で、大師のお像を祭る開山堂があり、その先にこの山で最も眺めの良い五大堂がある。五大堂は五大尊をおまつりしている舞台式の建物で、ここからの景色は雄大で、すばらしい。JR山寺駅や山寺の町並み、遠くの山の紅葉の眺めは奇麗で、さわやかな風にほっとする。
 お山の一番高いところに奥の院と呼ばれる如法堂があり、先祖の供養を行うところである。如法堂の上の赤く染まった紅葉は、ここだけ秋の先駆けと言った感じである。
 帰りは蝉塚のすぐ下にある茶屋で名物の玉こんにゃくを食べ、のどを潤してしばし休憩する。
 昼食は
いずみやにあらかじめ頼んでおいたソバ定食をビールや濁り酒で頂く。食後、山寺の街を散策して、店先のオープンカフェでコーヒーを飲み、八百屋で美味しそうなリンゴを買う。このリンゴは帰りの新幹線の中で齧るつもりであったが、ビールを飲んでお腹が一杯になり、お土産となった。
 山寺からは14:06発のJR仙山線の電車で愛子駅まで、30分程車窓からの景色を楽しむ。この街は最近仙台市になったとのことで、住宅や商店が新しい。駅の名前も「あいこ」ではなく、「あやし」と読む。皇室を慮ってのことだろうか。
愛子駅に待っていたバスで秋保大滝に向かう。秋保の温泉街を過ぎると間もなく大滝で、3:15に到着する。西方寺の境内を通って、山道を20分程歩くと水しぶきを上げて流れ落ちる雄大な大滝の滝坪に着く。幅6m、落差55mの大滝のしぶきを顔に受けながら見上げるとすばらしい迫力を感じ、エネルギーが伝わってくる。
 これからは一路帰路に着き、バスは秋保の温泉街を通って混雑する道を電車の時間を気にしながら、東北自動車道の仙台南ICから福島に向かう。途中、国見PAでトイレ休憩をし、6:05福島駅南口に到着した。
 駅ビルの売店で、それぞれビールや飲物、弁当等を買って、18:45発のやまびこ124号6号車に乗り込む。これから車を運転するYさん以外は飲んで、食べて旅の最後を楽しく締めくくる。大宮駅と上野駅で2組のご夫婦が下車し、20:24終点東京駅で最後の6名が下車する。
 中央線とバスを乗り継いで、10時に帰宅する。天候に恵まれ、コース取りも良く、愉快な仲間、おいしい料理と酒で大満足の紅葉狩りであった。


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