香港・澳門の旅日記

1999.3.9〜13

中国返還後の香港と返還直前の澳門を、阪急旅行社のJAS開港記念ツア−
[おふたりの香港、マカオ付DLX5日間]に参加して旅しました。
成田及び関空から合わせてバス2台程度の参加者が香港で合流し、滞在日数、
ホテル、見物ル−ト等の希望により夫々旅する仲間が変わるシステムである。

3月9日(火) 曇(東京、香港とも) 15,200歩

 雨が降り出しそうな空模様の中、和子の車で送ってもらって武蔵小金井に行き、4時58分発の各駅停車東京行で神田に、そこから山手線で上野に向かう。上野着は6時、朝飯のサンドウィッチとビ−ル、コーヒーを買ってスカイライナーに乗り込む。

 スカイライナー1号は京成上野発6時30分、成田空港第2ビル到着7時26分、Cー26番カウンターで荷物を預け、ツアーの説明を聞いて航空券を受け取る。JCBとVISAの香港ガイドをもらい、免税店などで時間を潰し、シャトル電車でD-96ゲートに向かう。

 免税店では、オールドパーと時計付きケントマイルドを買う。

 JASのJD-259便は機体整備に時間がかかり、定刻より30分遅れて10時25分に離陸したが、チェクラブコック香港国際空港には定刻より20分早い14時20分の到着であった。空港では既に到着していた関空、成田からJAL,ANA,キャセイ航空で参加した人々と合流し、1号車、2号車に別れてバスに乗り込む。我々のバスは41名で1号車、ガイドは黄さんと言う。

 チェクラブコック国際空港は香港島の西にあるランタオ島に1998年7月に開港した新しい空港で、今でも工事が続いていた。九龍半島の尖沙咀東にあるリーガルカオルーンホテルまではバスで約30分の距離である。バスは途中、2つの橋を渡って九龍半島に入り、市内観光をしながら途中でイートンホテルに宿泊する人を降ろし、4時にホテルに到着する。我々の部屋は公園の見える7階で、DLXツアーだけあって部屋は広々として、ロケーションもいい。

 夕食は九龍半島の東にあるレイユームーン(鯉魚門、Lei Yue Mun)の海鮮中華レストランである。ホテルからバスでレイユームーンの入り口に到着する。この港には水上生活者の船が停泊しているのが見られた。海と山の間のわずかな平地の路地に活魚屋や料理屋等の並ぶ市場の中の小道を通っていちばん奥の海天花園酒家に着く。活魚屋の店先には水槽に入った大きな蝦蛄や海老、珍しい貝など大ぶりの魚介類が目を引いた。料理は10品で、円テーブルを10人で囲んで食べた。料理の味は大変美味しく、日本の中華料理と変わらないが、最後に焼そばとチャーハンの両方が出てびっくりした。飲み物は缶ビール2本、50HK$。

 食後は、ビクトリア・ピークに行く予定であったが、天候が良くなく夜景が見えないとのガイドの判断で女人街を散策することになった。

 ネイザンロードの北、旺角(モンコック)の東側に並行して走る2つ目の通り、通菜街に沿って1km以上に亘って女物の衣類や雑貨を中心にした露店がぎっしりと並んでいる通りを女人街と言う。又、その裏側には飲食店や雑貨屋などが軒を重ねるようにして並んでいる。約1時間の散策であったが、土産のネクタイ、時計、ベスト、靴を買い漁り、途中で引き返してやっと集合の時間に間に合った。

 バスはイートンホテルを経由して、我がホテルに9時過ぎに到着する。

 ホテルの近くの店でバースデイカード、ビール、マンゴー、洋梨を買い、部屋に到着する。張さんのバースデイカードと三家族に手紙を書き、朝4時に起きて正味21時間の長い一日が終わる。

3月10日(水)曇 18,800歩

 6時の目覚ましで目が覚めたが、6時半頃までぐずぐずしていて、やっと起きだす。窓から下の広場を見ると、人々が太極拳や剣を使った運動等を思い思いにやっているのが見えた。

 朝食は地下1階のレストランでバイキングの洋風と中華があり、食物も飲み物も豊富であった。今朝はベーコンとゆで卵、果物、グレープフルーツジュース、パンで西洋式にゆく。食後、小雨がぱらついていたが、近くの公園をしばらく散歩する。

 バスは8時15分にホテルを出発して、香港島との間に3本あるトンネルのうち最も古い真ん中の2kmの海底トンネルを通り香港島に渡る。そこからハッピーバレーを通って高級なマンションの立ち並ぶレパルスベイ(浅水湾)に到着する。ここは高級リゾート地で、海水浴場でもある。我々はこの海岸を通ってケンタッキー、マクドナルドの前を通り、その先の行き止まった所にある天后廟に向かう。ここには、海に突き出た楼閣や千里姻縁一線牽と書かれた縁結びの石があり、この石をなでると御利益があるそうだ。

 次はハッピーバレーの東側を通って、ホンコン・スタジアムの向かい側にある胡文虎花園を訪れる。タイガーバームを発明した胡兄弟が香港市民への利益還元のため1935年に造ったこの公園には道教、仏教に出てくる様々な動物や、立体絵巻が山の斜面を利用した庭園として造られている。しかし、近いうちにこの庭園も壊されるらしく、盛んに測量が行われていた。ここでタイガーバームを買うと、1個20HK$だが市内の薬屋では12HK$である。

 バスは再びトンネルを通って九龍半島に戻り、革製品の店、美麗で30分、シルクの店、馬仙奴で15分買い物ツアーをする。

 昼食は北海漁村で広東風の飲茶である。春巻、大根餅、饅頭、餃子、シュウマイ等10種類の点心と揚げビーフン、カレー味焼きビーフン、チャーハンの主食3品である。

 食後は新九龍の黄大仙廟を訪れる。ここは道教の寺院で、人々はこのお寺でお願をしたり占いをして神様の指示を仰ぎ、願が叶うとお供物を持って訪れる。そのため150軒もの占い師が店を開いて待機している。

 次は龍翔道展望台である。霧の中の九龍半島がわずかに見えたが、晴れていれば香港島まではっきり見えるらしい。

 再び買い物ツアーで、宝石の城に40分、漢方薬の長寿園で30分付き合わされた後、ホテルの近くの免税店に行く。ここでは、長そでシャツ、ヘアートニック、清心丸、EPA等を買う。 

 夕食は隣の南洋中心ビルの地下にある四川樓菜館で、8品の四川料理であったが、最後はやはりラーメンとチャーハンで締めくくる。

 食後は、再びバスに乗ってトンネルを通り、香港島に渡ってビクトリア・ピークから100万ドルの夜景見物に出かける。しかし、霧で視界が悪く、競馬場の附近で引き返すこととなった。ここからは、九龍湾に停泊している豪華客船のイルミネーションが美しく眺められた。帰りは中環(セントラル)のフェリー乗り場でバスを降り、スター・フェリーで九龍半島に渡る。フェリーはひっきりなしに出ており、2.2HK$で所要時間は5分。

 九龍半島のスター・フェリー ターミナルからホテルまでは歩いて15分程の距離であるが、バスで観光しながら運転手やガイドの収入源である土産や写真を買ったりして、ホテル着は9時30分。近くの店で例によってビールを買ってホテルに帰る。

3月11日(木)曇ー小雨 18,200歩

 6時の目覚ましで起き、相変わらず小糠雨の中を九龍湾沿いのプロムナードを30分程散歩する。湾の向うの香港島の銅鑼湾(コーズウェイ・ベイ)や湾仔(ワンチャイ)のビルがきれいに見えた。

 朝食は昨日と同じホテルのレストランで食べ、大きい荷物はホテルに預けてマカオに向かう。8時に他のホテルからの人たちの乗っているバスに乗り、出発する。今日のマカオ1泊ツアーは15人だが、日帰りツアーの人も同じバスで香港島の上環(ションワン)にあるマカオフェリーターミナルに30分かかって到着する。この時間はラッシュアワーで時間がかかった。

 マカオ行きの船の切符をもらい、出国手続きを済ませ、9時発の港澳飛航船(turbo cat)でマカオまで1時間の航海である。海は比較的穏やかで、船の中で1杯10HK$のコーヒーを飲む。黄さんは日帰りツアーの人々と別の船で来たが、出港が30分遅れたとのことで、入国手続きの最後だった我々のすぐ後になった。香港ーマカオ間のフェリー代は160HK$、我々の切符は割り引き切符で往きは130HK$、帰りは何故か134HK$だった。

 マカオでは、マカオに5年程住んでいる若い男性のイクタさんと言う日本人ガイドだったのでびっくりした。マカオには日本人が120人ほど住んでいるとのことである。

 ちなみに、マカオは1887年からポルトガル領となり、2000年1月1日に中国に返還されることになっている。香港の西64kmの珠江の河口に位置し、中国の珠海市と接する半島部分のマカオ地区と2つの島が橋で結ばれている。マカオ地区は南北の最も長いところで4km、東西の最も長い所で3kmの小さな半島であり、信号機も少ない。人口は45万人で、そのうち95%は中国人である。

 港に待っていたマイクロバスに乗り、マカオ地区の観光に出かける。一般の道路を使って行われるマカオグランプリのレース場から珠海市との国境バリアゲート、聖ポール天主堂跡、ポルトガル人が最初にマカオに上陸した場所で、マカオの名称の由来となった馬閣廟に立ち寄り、宝石店を15分程見物して富豪酒店の4階のレストラン、CAFE BEVELYで昼食となる。

 昼食は、ワイン(ポルトガル産?)付きで、ジャガ芋のスープ、魚肉ペーストの油揚げ、豚肉のソティ風、デザートはカステラというポルトガル風西洋料理で大変美味しかった。ここで、ガイドさんからポルトガル風のお菓子のセットを薦められ、お土産に買う。

 食後は歩いて隣にあるリスボア・ホテルのLisboa Casinoに行く。このホテルはマカオの市内ならどこからでも見え、道に迷ったときの目印になるほど大きくて目立つ建物である。ホテルの中にはホテルの他、多数のレストラン、免税店と東洋一のカジノが有る。

 カジノではガイドさんから簡単な説明があり、1時間の自由時間の間、ブラックジャック、ルーレット、大小、バカラ等を説明しながら見て歩き、スロットマシンを60HK$(1単位2HK$)で楽しむ。

 今日のホテルはカジノから歩いて5分程のところにあるニューワールドエンペラー・ホテルで、3時過ぎに到着する。夕食の前にホテルの周りを散歩し、スーパーで駄菓子、ビワ、ビールを買う。

 夕食はセナド広場(Leal Senado Square)に面した龍記酒家の二階で、中華料理である。8人で円テーブルを囲み、7品の料理をビールと紹興酒で1時間以上かけて頂く味は格別である。ちなみに、今回の旅で紹興酒を頂くのは今日が最初で最後である。

 食後はリスボアホテルのカジノまでぶらぶら歩いて散策する。街は正月の飾りがまだ残っており、クリスマスかハロウィンのようだ。

 リスボアホテルのタクシー乗り場でタクシーに乗り、マカオ大橋(Macau-Taipa Bridge)を通ってタイパ島に渡り、対岸のマカオ半島地区の夜景を楽しむ。帰りは新マカオ大橋を通り、途中からの景観を楽しみながら戻ってきた。マカオで最も美しい夜景として運転手のお薦めの聖ポール天主堂跡のライトアップを楽しんだ後、偶然にも近くにある彼のアパートを訪問することとなった。彼はビルマから来ているとのことで、1DKの小綺麗なアパートに奥さんと二人で住んでおり、お邪魔したときは奥さんは入浴中だった。しばらくお喋りをし、記念写真を撮ってお暇する。タクシーに8時に乗り、ホテルに着いたのが9時20分頃で、タクシー代は108HK$,チップともで120HK$を払う。

3月12日(金)曇 23,700歩

 ホテルの二階のレストランで朝食を済ませ、海岸まで散歩する。そこからリスボア・カジノの横を通り、セドナ広場に行き、ギネスブックに記載されているといはれる世界一小さな郵便局を探して歩いたが見つからず、ホテルに引き返す。

 ホテルを9時15分にバスで出発し、港の乗船場で出国手続きを済ませ、10時発の船で香港に向かう。船中では一杯10HK$のコーヒーを飲む。

 香港着は定刻の11時。フェリー・ターミナルに待っていたマイクロバスで泊まっていたリーガル・カオルーンホテルに行き、チェックインの後預けてあった荷物を受け取り、11時45分には7階の部屋に落ち着く。これから自由行動の時間となる。

 ホテルの前の道を道なりに西に行くと、15分程で尖沙咀のネイザン通り(Nathan Road)に出る。この通りを買い物をしながら九龍公園まで歩き、公園内を散策する。そこから、ネイザン通りの東側に少し入った所で、美味しそうなにおいのする道端の食堂を見つけ、ここで昼食となる。

 見渡すと、日本人らしいのは我々だけだったが、メニューは日本語のものが置いてあった。地元の人と相席で、私は牛肉ラーメン、マダムはワンタンメンを注文する。細い麺と海老入りのワンタン、スープが美味しい。合わせて54HK$であった。

 そこからネイザン通りの東側の裏道の店を覗いて買い物をし、地下鉄(MTR)の尖沙咀駅から2つ目の中環(セントラル)まで一人9HK$で香港島に渡る。地下鉄セントラル駅の前の陸橋を渡った所のバス停から15番のバスでビクトリア・ピークに向かう。香港独特の二階建てのバスで、その2階の一番前の席で30分程楽しむ。バス代は空調無しで6HK$、空調車で8.4HK$と書いてあったが、20HK$札しかないのでそれで払うと、ガイド書に書いてある通りお釣はくれなかった。ビクトリア・ピークの直前までは景色が見えていたが、ピークのバス降車場に降りると、寒くて霧で何にも見えず、トイレに行くと草々に引き上げることにした。ここで、同じツアーの榊さん御夫婦と偶然あう。

 帰りは、ピーク・トラムで下りる。2両編成のレトロ調なトラムは標高373mの山頂から急傾斜の坂をガーデン・ロードの山麓駅まで15分で下りる。ちなみに、登りは8分とのことである。料金は片道18HK$、往復だと28HK$と割安になる。山麓駅の切符売り場で同じツアーの鈴木さん御夫婦に、山麓駅からのバスで再び榊さんに会う。ピーク・トラムの料金には山麓駅からセントラルまでのバス代も含まれているので、二階席は屋根のない二階建てのバスの2階に乗って、セントラルのバス停まで行き、そこからスター・フェリーで九龍半島に帰ることとした。

 ところが、フェリー乗り場で船を間違え、ランタオ島の愉景彎まで往復50分の船旅をする事となり、帰りの船代はまけてもらったものの、二人で50HK$の船代を無駄にし、50分の不安な時間を過ごす事となった。

 スター・フェリーで九龍に渡ると、そこから香港文化中心、新世界中心、東急デパートの前を通り、歩いて25分程でホテルに着く。

 今日は色々な経験をしたので、疲れてしばらく休憩する。

 夕食はホテルの二階にある海鮮料理の豪苑酒家と決め、地下の売店で念願の良く眠れるという絹のパジャマを800円で買う。

 豪苑酒家はこれまでのうちで一番高級な酒家であったが、席に案内されるといきなり<何で払うか?>と聞かれたのにはびっくりした。

 念願の茹海老と蜂蜜で煮た焼豚、鰻の唐揚げ、豆腐の煮物の4品、ビールとグラスワインで大満足する。ところが、サービスでデザートを薦められ、紫米露(シーマイルー)という名の程よい甘さの珍しい食べ物を賞味したが、ココナッツジュース、小豆、タピオカ、ミルクで出来たお汁粉のようなものだった。

 例によって、ビールとオレンジを買って部屋に引き上げる。

3月13日(土)曇ー霧雨 15,300歩

 いよいよ最終日である。今日の朝食は朝粥で、はじめて朝食をホテルの外に食べに行く。霧雨が降ったり止んだりで濡れそうなので、ホテルの前の広場の太極拳を見たり、ホテルの周りの屋根のある歩道を30分程散歩する。

 ホテルをチェックアウトし、バスに荷物を積み込んでネイザン通りの東側にある富臨焼鶏火鍋海鮮酒家で40分間の朝粥朝食である。小さな茶碗一杯の中華粥と飲茶風の点心、焼そばであったが、お粥には色々な具が入っていて美味しかった。

 食後、ネイザン通りの西側の新しい免税店、ギャラリアに行き、ここで3時間程の自由行動である。このツアーを通じて、買い物については大変行き届いた気配りであった。そして、香港は買物をさせる街である。

 免税店はトイレだけにして、ぶらぶらしながらネイザン通りを北に佐敦道(ジョーダン道)との交差点まで北上し、竹の子を探すが見付からず、引き返して九龍公園の前にある裕華国貨(ユーホワ・チャイニーズ・プロダクツ)の二階で香港最後の買い物をし、時間があるので横丁の店でウィンドウショッピングをする。

 ハイアット・リージェンシーホテルの地下で休憩かたがたコーヒーを飲み、集合場所である北京通りの免税店、ギャラリアに行く。

 空港へはバスで40分程の道程である。1時には空港に着いて、荷物を預け(荷物のチェックは無い)、出国審査を済ませ、免税店で最後の買物、ゴディバのチョコレートを買って、二階のレストランで大根餅、フルーツゼリー風の餅、ビールの遅い昼食となる。

 JASのDJ-258便は定刻の16時05分に香港国際空港を飛び立ち、定刻の8時55分に成田国際空港に着陸した。

 空港には寿広夫婦が迎えに来てくれ、彼の車で11時に帰宅する。 


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