2004.5.31〜6.1
湿原とブナ林、いろいろな植物が自生する玉原(たんばら)高原は小尾瀬とも呼ばれ、湿原の植物の宝庫である。 雨を覚悟して、玉原茶屋・水ばしょうで1泊し、湿原と近在の吉祥寺などを訪れ、日本の良さを満喫しました。 |
5月31日 東京ム曇 沼田ム晴 玉原ム曇後雨 6,900歩
予報では今日、明日とも雨でしたが、8時前に家を出るときは晴で、予報も当てにならないなー、と言いながら8時発の京王バスで国分寺駅に向かう。国分寺発8:23のJR中央線で西国分寺に、そこから8:35発の武蔵野線で南浦和に行き、南浦和から浦和まで京浜東北線に乗る。
浦和発9:22の高崎行きの列車は16両編成で、その内後10両が高崎まで行く車両である。高崎到着は10:55、13分の待ち合わせで水上行き普通電車が4番線から発車する。近頃の列車はベンチ式の座席が多く、駅弁や飲物を飲食するには不便である。長旅は新幹線で、というJRの方針であろうか。この列車もベンチ式で駅弁を食べているお客さんも何となく食べにくそうである。私たちは昼食に、高崎駅で買ったサンドイッチを食べる。
利根川が上越線の右に見えたかと思うと、左に変わり、段々水量も多くなり、流れも急になってくる。車窓の右側に沼田城趾の荒々しい岩壁が見えてくると、間もなく沼田駅である。
沼田駅到着は11:53、駅前から迦葉山(かしょうざん)行きの関越交通バスは12:18に出発するので、その間に玉原茶屋に電話して、バスの終点まで迎えにきてもらうよう頼む。
バスは私たち二人の旅人だけの乗客を乗せて、坂を上って沼田市街に出る。市街の停留所で近在のおばあちゃん数人を乗せたり、降ろしたりして上発知町(かみほっちまち)の終点に予定より早い12:50に到着した。ここで降りたのも二人だけであった。玉原茶屋は迎えにきてもらった車で5分弱であった。
沼田駅では晴れていたが、この辺りではどんよりとした空で、雨の降らないうちに、雨具だけを持って車で20分ほどの玉原湿原まで送ってもらう。
標高1,178mの玉原湿原は武尊山の山麓に広がるブナ林に囲まれた湿原で、遊歩道が整備されていて、歩きやすい。センターハウスの前で車を降り、舗装された道を歩いて、途中でブナ林の湧き水飲み場で水を飲み、5分程で自然環境センターに着く。そこから林の中の遊歩道を歩いていると、突然カエルの鳴き声が聞こえてきた。5分程で湿原が目の前に現れる。
湿原は水芭蕉が終わり、これからアヤメ、トキソウ、キンコウカ、コバイケイソウなどの季節を迎えるところで、ワタスゲが小さな綿をつけて湿原を覆っているところもあった。湿原は1周30分程で、ほとんど人影もないので、ゆっくりと歩いて、時には立ち止まり、美味しい空気と鳥の鳴き声等に耳を澄まして楽しんだ。
自然環境センターのところに帰ってきて、玉原ダムに行きかけたところで、雨が降り出し、様子を見ていたが、止みそうにないのでセンターハウスに引き上げる。センターハウスに着いた途端に大雨となり、雨宿りをしながら迎えの車を待つ。
迎えの車で20分、雨の中を走って玉原茶屋に帰る。
今日の宿泊客は我々1組らしい。スキーシーズンは宿泊客も多いそうだが、この季節は茶店のような感じで、親子のご夫婦でやっている家族的な雰囲気である。24時間湧いている風呂の、木の香りのする大振りの風呂蓋で湯もみをして一人のんびり浸かる。今日は男子風呂に交代で入る。
夕食には山菜をと、特別に頼んでいたので、6時からの食事は山菜尽くしである。そろそろ山菜のシーズンも終わりらしく、フキノトウとコシアブラは今日で最後とのことである。フキノトウのおしたし、蕗の油炒めと甘辛煮、ワラビのわさび和え、山ウドのごま和え、ウルイの練り味噌かけ、山菜(ウド、フキノトウ、コシアブラ、舞茸、カボチャ)の天ぷら、煮物(ゼンマイ、椎茸、コンニャク、人参)、手打ちソバの山かけ、漬け物を地酒で頂き、お腹が一杯になり、ご飯には手が届かなかった。サービスで頂いたフルーツのスイカは部屋で頂く。
6月1日 上発知ム小雨 沼田、東京ム晴 8,500歩
6時に起きて空を伺うが、雨で今日も天候は期待出来そうにない。屋根に落ちる雨の音を聞きながら、のんびりと風呂に浸かる。和食の朝ご飯を食べながら、宿の奥さんに天気の予想を聞いたが、この宿より高いところにある高原は雲に覆われて、真っ白で何も見えないだろうとのことだった。
それでも、9時過ぎまで待ってこの辺りの雨は止んできたので、宿の外に出て山の方を伺うと、相変わらず白い雲で山の姿が見えず、玉原高原の散策をあきらめる。
宿の娘さんの推薦で、近くの川場村にある吉祥寺を見物することとなり、娘さんの車でそこまで送ってもらう。
出会いの寺と言われる川場村の吉祥寺はその昔、河波姫と頼朝が出会ったとされる、伝説の寺で、その境内はいろいろな花や山水画の世界である。入口で拝観料を一人当たり500円払い、境内に入ると杉林のそこここにクリン草が可憐な花を見せてくれる。
山門の楼上に登り、光厳天皇の筆による「青龍山」の勅額や文殊菩薩を中心にした十六羅漢を拝観し、境内を一望する。きれいに清掃された吉祥寺百花園といわれる境内には、本堂奥の山から流れ落ちる滝や境内に湧き出る水で至る所に水路と池がある。この時期はクリン草がきれいな花を見せてくれていたが、アヤメ、シャクヤク、シャガなどたくさんの花が歓迎してくれた。
吉祥寺を出ると雨が降り出し、傘をさして20分程歩き、道の駅「川場田園プラザ」に着く。プラザ内のレストラン武尊でビールやコーヒーを飲みながら造りたてのアンパンや野沢菜の入ったパイ風のパンを頂く。農産物の直売所で山菜や野菜等を買い、11:52発のバスで沼田駅に向かい、12:40に到着する。
上越線上り高崎行き普通電車は沼田駅を13:00に出発し、高崎駅に13:45到着する。高崎駅発13:50の高崎線普通電車を浦和で降り、京浜東北線で南浦和へ、そこから武蔵野線に乗り、西国分寺から中央線で国分寺まで一駅、国分寺からバスで、16:30自宅に到着する。