2004.1.8〜 12
8年前カナダを一緒に旅したご夫婦と、厳冬の北京を訪れました。 ライトアップされた万里の長城は幻想的で、雪の中の天安門広場や故宮、正月前の賑わいを見せる王府井などを見物し、京劇と雑技(軽業)を楽しみました。 マダムは10年振り、ポチは20年振りの北京である。 |
1月8日(木) 晴 8,600歩
強風の中、11:05の京王バスで武蔵小金井に向かう。武蔵小金井発11:30の中央線に乗り、神田乗換で上野着12:20。京成特急の成田空港行きは京成上野を12:35に出発して、13:52成田空港第二ターミナルビルに到着した。成田空港での集合時間は14:25であったが、H
カウンターの前で同行のSさんご夫婦と会い、航空券を受け取り、Fカウンターで搭乗手続きをする。
例によって4階のレストランそじ坊の生ビールで乾杯し、昼食をする。ポチはつくね、マダムはぜんざい。出国手続きをして、寝酒用のウイスキーを買い、C_83Gateの待合所で搭乗を待つ間、生ビールで喉を潤す。冬でもビールが美味いのは空気が乾燥しているせいだろうか。
中国東方航空MU-508便は定刻の16:25に離陸し、北京に向けて飛び立った。夕食のチキンを嚥京ビールで頂き、しばし微睡んでいると着陸のコールである。北京到着は現地時間の19:05、日本との時差はー1時間なので3時間40分のフライトであった。
19番ゲートから入国し、健康カードを提出して、入国手続きをする。税関検査を通過すると、現地案内人の王旭さんが笑顔で迎えてくれた。空港からバスで万里の長城に向かい、八達嶺飯店に20:30到着する。辺りは真っ暗で、どこに長城があるのか分らない。
八達嶺飯店の中国らしい丸テーブルを囲んで、ワカサギの天ぷら、トーガンの煮物、牛肉炒め、鳥と落花生のピリ辛炒め、トーフの煮物、ちんげん菜の煮物、うどん風3品などを燕京ビールで頂く。1時間程食事をして、バスで万里の長城の入り口に向かい、ライトアップされた長城を1時間程歩く。今夜はちょうど満月で、真っ暗闇の中に長城だけがライトに照らされて明るく浮き彫りになった姿はなんともいえない幻想的な雰囲気である。観光客は我々31名だけで、人声も聞こえず、この世界遺産を独り占めしたような気分である。
売店でお茶を飲みながら暖まり、バスで10分足らずで今夜の宿、北京居庸關長城古客機に到着する。4年前、昔のお城を改築したもので、平屋の部屋が四方から中庭を囲んでいる。宴会場や娯楽施設も充実しており、これからの忘年会シーズンには北京から忘年会の客が大勢やってくるそうである。23:10に到着すると、部屋に荷物を置き、ベッドに直行する。
1月9日(金) 晴 15,600歩
昨夜は風呂に入らなかったので、今朝入ろうと思っていたが、マダムの入った風呂のお湯がなかなか流れないので、入るのをあきらめる。7:10から散歩に出て、ホテルの周りから長城の入り口まで歩いて日の出を期待したが、期待はずれだった。
8時からの朝食は4種類の饅頭、ふかした薩摩芋、おかゆ、ワンタンスープなどで、ビールは無し。
バスに荷物を置いて、歩いて長城の入り口に行き、8:45から1時間、今度は急坂の居庸關長城を頂上まで登る。今朝も殆んど観光客はいないので、わが万里の長城である。
明の十三陵に行く途中で昌平友諠商店に立ち寄り、お土産の品定めをする。10:55 明の十三陵に到着し、12:00まで見学する。地下宮殿の定陵は観光客で溢れるほどで、人気があるようだが、20年前に較べると貯蔵品が少なくなったように思えた。
12:20バスで七宝焼の工場・直売所、景泰藍に到着し、見学する。工場の隣にあるレストラン、金空酒店で13:45まで広東飲茶の昼食をする。3種類の饅頭、大根もち、焼きそば、蒸し餃子、焼き餃子、おかゆ、チンゲン菜2種、デザートのみかんなど11種の食べきれないほどの料理をビールで美味しく頂く。料理の中で一番美味しかった焼き餃子を一皿サービスしてくれた。中華料理にはウーロン茶やジャスミン茶などのお茶がついているので、今回はマダムの飲み物を注文しなくてよい。
14:25から1時間ほど安定路にある東呉糸周館で繭から絹の布団を作るところを見学し、色々な絹製品の展示物を見物する。
16:40 天壇公園に到着し、公園の中にあるレストラン 天壇餐廳まで園内を見物しながら無蓋の園内バスで移動する。夕食は17:00から1時間半、前菜、チャーハン、煮豚、酢豚、レバー、スープ、青梗菜二種、モヤシ、肉まん、水餃子、カステラなどをビールで頂く。今回の旅の食事はいずれも中華式の丸テーブルで、前菜数種類と果物が必ずつき、料理のボリュームもたっぷりで、いつも食べきれないほどである。
レストランからバスまで園内バスで送ってもらったが、ライトアップされた祈年殿は見事であった。
バスで18:50 に前門建国飯店に着き、老舗の京劇専門劇場、梨園劇場で19:30から始まる京劇を観劇する。舞台から3列目の特等席で、始まるまでお菓子やフルーツなどの接待の食べ物を缶ビールで頂きながら始まりを待つ。京劇は歌や踊りの華やかなショーに始まり、最後は十八羅漢門悟空の軽妙で派手な衣装と仕草で1時間半たっぷり堪能させてくれた。
前門飯店で待っていたバスで今夜から3泊する北京飯店に21:25到着する。中国を代表するこのホテルは、宿泊や集会だけでなく、食事やショッピングなども楽しめるようにできており、3階の部屋に荷物を置くと、館内を迷いながら見物し、ネオンの見える珈琲庁で雰囲気を楽しみながらビールとカプチーノで喉を潤す。
1月10日(土) 晴 17,100歩
5時半に起きてシャワーを浴び、6:10から2階のレストランでバイキング形式の朝食をする。7:10からSさんご夫婦とホテルの前の大通り(建国路?)を東に3ブロックほど歩いて散歩する。さすがに頬に当たる風は冷たく、足元からは深々と寒さが伝わってくる。20年前に比べて自転車の数は減ったようであるが、車は多い。街や道路、広場などにごみが落ちていないのには驚いた。ごみを捨てる人も少ないが、箒とちりとりを持ってごみ掃除をしている人達をあちこちで見かけ、隔世の感がした。
8:10バスで頤和園に向かう。世界遺産のこの庭園は、中国に現存する最大の王室公園で、市の中心部から15Kmほど離れたところに位置する古典庭園である。この庭園は万寿山と昆明湖からなり、すべての建築が山と湖の形に基づいて巧みに配置されている。混明湖や寿山に建つ仏香閣を見渡せる知春亭に橋を渡ってゆくと、見事な景色が広がり、時代を経た芸術であることがわかる。湖の岸側は凍っており、観光客が氷に下りて怪我をしないよう、大勢の人が氷を割っている姿はいかにも中国風であった。
湖岸に沿って建てられた長廊は300mにも亘って仏像や戦国時代の武将などが天井と壁に描かれていた。その昔、西太后はこの庭園の中の楽寿堂に起居していたそうで、当時の家具や食器などが今でも残っていた。
円明園は頤和園から程近いところにあり、乾隆帝が精魂を傾けて造営し、第二の紫禁城といわれていたが、18世紀に英、仏、露など8カ国連合軍によって破壊されてしまい、今ではその昔の面影をとどめている石柱や瓦礫が遺跡として保存されている。
バスで水晶の販売店、翠明に向かい、しばらく見物して、その隣のレストラン維珍楼飯荘で北京の郷土料理の昼食をする。子鮒の煮物、肉団子、野菜の多い酢豚、コーンと大根菜の炒め物、青梗菜、豚と春雨の鍋、豆と鶏の卵とじ、豚肉とマロ二ムの煮付け、白いご飯とフルーツは梨。これまで食べた料理とは一味違った味で、ビールを友に美味しく頂いた。
12:45からバスで中国のシリコンバレーと呼ばれて、ハイテク企業が軒を並べている中関村を車窓から見物する。北京の南西部に位置し、75平方キロメートルを誇る海定園では科学技術の開発や教育トレーニング、ハイテク関係の商業取引が行われ、その北にある昌平園ではIT製品や医薬品の製造センターが活躍している。 13:40には中国5千年の歴史を壁画として残し、20世紀の最新技術で作られた中華世紀壇を見学する。この建物は軍事博物館と中央電視台の間の玉淵潭の南側に、2,000年12月に建設された。
960・の広場は960平方kmの国土を象徴し、広場の東西両側にある流れは、母なる川の黄河と長江を象徴している。屋上には1時間で1回りするタワーがあり、そこからアジア一を誇る北京西駅が雄大な姿を見せている。また北側にはアジアで2番目に高い中央テレビ塔が238mの高さを誇っていた。
14:40 には昨日遅くなって見られなかった天壇公園の駐車場に到着する。駐車場から祈年殿までの道端では夫々のグループが大声で歌を歌ったりカードを楽しんだりしていて、通れないほどの賑わいで、聞くところによると入場のための定期券で入場する人も多いとのことである。
祈年殿前の広場には、正月に行われる王朝時代の皇帝を再現するイベントのリハーサルが行われており、赤、青、緑などの極彩色の衣装を着けた大勢の若者や皇帝の姿をした芸人が始まりの合図を待っていたが、我々が見物していた40分の間には始まらなかった。祈年殿は三層の円殿で、緩やかな曲線を描く藍色の瑠璃瓦はいかにも重厚で、頂に金の火珠を頂いている。明、清の二代にわたって皇帝が天を祭り、穀物の豊作を祈った祭壇である。
15:50 天安門広場裏、南側にある1,669年創業の伝統ある漢方薬の老舗、同仁堂に到着する。この店は20年前北京を訪れて、この店の漢方薬を日本に輸入することになった懐かしい店である。お茶を飲みながら、漢方の説明があり、続いて漢方医が脈と舌を診ながら診断をしてくれた。
結局2種類の漢方薬を3ヵ月分買うことになり、大変な買い物になった。マダムは漢方薬は買わなかったが、20元で按摩をしてもらい、そのためかその後体の調子がすこぶる良いそうである。それに比較してポチは万里の長城を張り切って登ったせいか、ふくらはぎや太ももが痛くなってきた。
夕食は同仁堂から数軒離れたところにある北京ダックの老舗、全聚徳で名物の北京ダックを頂く。北京ダックがメイン料理で、酢豚、トリのぴり辛炒め、豚肉炒め、さつま揚げのフライ、キャベツ炒め、レタス炒め、炒飯、スープ、みかんなどをビールで頂く。
18:40 崇文区にある雑技団の劇場に着く。19:15に演技が始まるまで缶ビールを飲みながら待つ。客席の1〜2割程の観客で演技をする人に申し訳ない思いである。しかし、演技者の若者たちの直向な演技を見ていると感動して思わず見入ってしまう。1時間半ほどの間、堪能させてもらった。
21:00 ホテルに帰ってくると、このまま部屋に帰るのが惜しまれて、ホテルの中の店を見物し、昨夜と同じCafe に立ち寄ったら偶然にもSさんご夫妻に会い、23時過ぎまでおしゃべりをする。
1月11日(日) 雪 18,600歩
起きてみると雪である。聞くところによると、北京ではあまり雪は降らず、2004年の初雪だそうである。
ホテルからバスで10分足らずで、8:15天安門広場の駐車場に到着する。この広場はさすがに広い。広場の中央には人民英雄記念碑があり、その四隅と正面には6人の衛兵が立っていた。広場を囲むようにして、歴史博物館、毛主席記念、人民大会堂が建っており、大通りの北側は故宮である。天安門広場から北に向かって、故宮、景山公園、鼓楼、そして万里の長城へと、北京市を貫く中軸線を形成しており、中国の背骨とも言うべき大動脈である。
今日は日曜日のせいか、雪の中、朝からかなりの人が見物に来ている。広場では凧をあげている人や軍の教練なども行われていた。広場から地下道を通って大通りを渡り、天安門をくぐって中山公園を抜けると故宮である。
明・清時代の紫禁城が、1925年から一般に公開されるようになり、故宮博物館と呼ばれるようになった。1987年から世界遺産である。黄金色の瑠璃瓦におおわれた巨大かつ広大な中国式宮殿が今年初の雪に覆われた姿は周りの雪景色と共になんとも言えない風景である。
博物館の敷地の中にある書画骨董の販売店で、愛新覺羅の甥にあたる壽石さんが風格のある顔立ちで書を書いていた。希望する人にはその場で書いた書と記念撮影に応じていた。
故宮から雪の山道を登って、10:50景山に着く。ちょうど雪も止んで、故宮や北京市の景観が360度にわたって見渡せ、雪の白さの中で箱庭のような景観であった。
景山の麓にある茶芸館、御苑茶芸で、11:30から1時間ほどお茶の入れ方や作法を教えてもらいながら、中国茶を味わう。屋外を歩いて、体が冷えていたので、ほっとする。お茶菓子を催促して、出てきた山査子のせんべいを味見して、買い求める。
昼食は12:45から1時間ほど、四川飯店でぴり辛料理である。モヤシ炒め、ジャガイモの千切り炒め、キャベツ炒め2種類、マーボー豆腐、豚肉と玉ねぎの炒め物、牛肉とピーマンの炒め物、鶏肉、落花生、ごぼうのきんぴら風、スープ、揚げご飯のあんかけをビールで頂く。野菜が多く、美味しかったが、マーボー豆腐は辛くてご飯にかけないと食べられなかった。
13:50 バスでホテルに帰ってくると、15時まで部屋で休憩する。
15時にSさんご夫妻と四人で王府井ブラに出かける。今日は日曜日で、王府井の大街は歩行者天国である。前にも書いたように20年前に較べて街はきれいで、相変わらず若者が多いが、正月の準備の品々を品定めしながら歩いている人々にも何となく余裕が感じられる。景徳鎮の焼物店、デパート、食品や衣服のスーパー、骨董品店、本屋などを見物して歩きながら17時過ぎまでブラ々する。
19時にホテルの中の和風レストラン、五人百姓でSさん夫婦、ガイドの王さんと五人で食事をする。ビール、日本酒、チューハイ、ワインなど夫々好みの飲み物を飲みながら、21時半まで歓談する。王さんと別れて、Sさんの部屋で、1時間ほどこの旅最後のおしゃべりをし、隣の自分たちの部屋に帰ってきたのが22時半であった。
1月12日(月) 晴
5時半におきてシャワーを浴び、6:10からゆっくり朝食をする。7:25バスで空港に向かい、8:05到着する。搭乗手続きをしてセキリティー・チェックを受け、出国手続きをし、再び荷物の検査を受けて20番ゲートの待合室で出発を待つ。この国では液体物の機内への持ち込みはことごとくチェックされる。
成田行き中国東方航空、MU-507便は定刻よりやや遅れて11:20に離陸した。機内は満席で、座席の上の荷物入れから食事の機材を取り出すときに、頭の上に落ちてくるやら、食事の種類を選らべなかったり散々であったが、マダムは同行の女の子と折り紙をして遊び、楽しかったようだ。
成田到着は15:15、定刻よりやや早い到着であった。バッゲージ・クレイムのところでSさんご夫婦と別れ、京成電車、JR山手線・中央線を乗り継いで、武蔵小金井からバスに乗り、18:35に帰宅する。