マダムとポチの
ネパール・ヒマラヤの旅 

2003.11.22〜11.30

ヒマラヤと神々の国、ネパールでTop of World
の山々と大地の起伏、古代から残る文化を守る
人々の暮らしにふれながら、のんびりと村々を訪
ねて歩いた。2003年は世界最高峰・エヴェレスト
に人類が初登頂して50周年にあたります。

11月22日(土) 晴 10,200歩
 5時20分、まだ暗いうちに国分寺駅まで歩く。道路は人影もなく、車がスピードを出して通り過ぎて行くだけであったが、駅の近くは深夜営業の店や昨夜遅くまで遊んで帰りそびれた人、早起きして遊びに出かける人々で賑わっていた。
国分寺駅発6:10の成田エクスプレス3号は東京駅で横浜方面から来た車両を連結して7:00に出発すると、ノンストップで成田空港第二ビルに7:54到着した。この時間帯は出発便が多いのか、空港ビルは出発する人と荷物で溢れんばかりである。
指定されたG-カウンターにはすでに託送のスーツケースが到着しており、航空券を受け取り、スーツケースを持ってタイ航空のカウンターで搭乗手続きをする。今回のツアー参加者15名がコンダクターの石川さんから説明を聞き、セキュリティー・チェックの列に並ぶと、ここも人の列で、30分ほども待たされる。アナウンスによると11時過ぎにはこの混雑も解消されるとのことである。
 シャトルでサテライトに向かい、例によって旅の間の眠り薬にウイスキーを免税店で買い求める。セキュリティー・チェックで待たされたので時間はあまりなかったが、のどが渇いていたのでC-82の出発ロビーの手前のスナックで生ビールとコーヒーでのどを潤す。
 バンコク行きタイ航空TG−641便は全日空NH−5953便との共同運航便で、機内はほとんど満席状態である。出発は定刻より20分遅れて、11:05であったが、バンコクのDon Muang空港には現地時間の15:20、定刻より25分早く到着した。東京とバンコクの時差は2時間で、6時間15分のフライトであった。成田を飛び立つと、12:40には食事が出た。これは赤ワインでおいしく頂き、到着の1時間半前に和菓子(珍しく)とお茶が出るまでぐっすり眠った。
 今日はバンコクで一泊するので、入国審査を受け、手荷物を受け取り、自動交換機で円をバーツに換え、税関審査を済ませると、現地のガイドさんが出迎えてくれた。空港を16:30に出発したバスは、バンコクの市街地まで23kmを約50分かかり、ラマ1世通りのSiam Centerの向かいにある今夕の食事処COCA SUKI レストランに到着した。今日は土曜日で、夕方のラッシュは少ないものの、競馬場の客で道が混雑したらしい。
 夕食のメニューは、えびのから揚げの前菜とガイドのトンタクさん曰く<しゃぶしゃぶ>で、これはマレーシアのスチームボートに似ており、肉、魚介類、数種類のつくね、それにたっぷりの野菜の鍋である。これをChang Beerで頂き、残りのスープで炊いたおじやはまた格別であった。デザートはスイカ、パイナップル、マンゴーの盛り合わせで、満足である。
 今日のホテルはラマ9世通りに建つRadisson ホテルで、到着は19:10、レストランから30分の距離で、Don muang 空港にも近い。ホテルのロビーで先ずは赤レモンのジュースのサービスがあり、6階の部屋に落ち着く。ホテルのFerrente Tailor でこの国の織物で出来た婦人服を見つけ、買い求め、マダムは早速モデルになって記念撮影をする。ロビーの喫茶コーナーに座ってビールとカプチーノを飲んでいると、ピアノとバイオリンの生演奏が始まり、我々の姿を見つけて、星影のワルツと瀬戸の花嫁を演奏してくれた。就寝は22:30、2時間長い一日の終わりである。

11月23日(日) 晴 10,900 歩 
 5時に起きてシャワーを浴びる。6:20からバイキング形式の朝食、和、洋、中華が取り揃えられて、バラエティーに富んでいる。食後は20分ほどホテルの周りを散歩する。
 8:15ロビーに集合して、バスで空港に向かい、45分に到着する。スーツケースを預け、出国手続きをして23番ゲートから搭乗する。タイ航空TG-319便、カトマンドゥ行ボーイング777−200は定刻より15分遅れて10:45に離陸し、現地時間の12:50にカトマンドゥのトリヴァン国際空港に到着した。バンコクとの時差は1時間15分(15分刻みの時差は珍しい)、約3時間のフライトであった。機内では離陸して45分後にチキン&ヌードルと芋プリンの食事が出て、ビールと赤ワインで美味しく頂く。
 カトマンドゥは海抜1,350mにあり、真っ青な空で、空気も爽やかである。待っていた現地のガイド、ラジェンドラさんに誘導されてバスに乗り、30分程で今夜泊まるホテル、Hyatt Regency に到着する。このホテルは2000年開業で、モダンな建物ながら、随所にネパールらしさが取り入れられている。ロビーは3階にあり、2階下のレストランでバイキング形式の昼食である。
 15:15バスでホテルを出発して、カトマンズの市内観光に出かける。空港からの道やホテルの近くには桜が咲いていて、日本との季節の違いを感じさせた。カトマンドゥの西2km、緑に包まれた丘の頂上にある白いストゥパのスワヤンブナート寺院を訪れる。この寺院はその昔、カトマンドゥ盆地がまだ湖だった頃から丘の上に建っていたという伝説を持つ。100段の短いほうの階段を上り、白いストゥパにたどり着く。ここからはカトマンドゥ盆地を見渡せる絶景のロケーションである。
 次いで、ダルバール広場を訪れ、広場の南側にある1本の大木から建てられたといわれるカスタマンダプ寺院を訪れ、ネパール最古の建物といわれ、由緒あるお寺を訪れる。クリマと呼ばれる女神の化身として崇拝される少女の住むクリマの館は同じく広場の南側にある。クリマはネパールの町や村の所々に存在するが、カトマンドゥのクリマは国の運命に関する予言をすることで特別視されている。このクリマはネワ―ル族のサキャの家族から32の条件を満たした4歳の少女から選ばれ、11歳までこの館に住むという。中世の雰囲気を残す旧王宮、ハヌマン・ドーカや王室付属のタレジュ寺院を見物してバザールに向かう(入場料200NRs)。
 インドラ・チョークと呼ばれる庶民のバザールは日用品、食料品、土産物店がひしめき、右に左に人波をかき分けて通るほどの賑わいである。
夕食は18:15から20:20まで、Dilli Bazarにある180年ほど前に建てられたラナ家の宮殿を改装したレストラン、Bhojan Griha で、玄関でティカ(Tica)を額につけてもらい、ネパール・ダンスや音楽を楽しみながら伝統の宮廷料理をネパールの酒ロクシーやネパール・ビールで美味しく頂く。料理は、カレー味のポテトと豆、モモ(ネパールの餃子)、豆のスープ(ダルバート)、鶏肉、猪肉、茸、ほうれん草などの野菜のカレーライス、ヨーグルトにネパール・ティー(ミルクティー)。
 20:50 ホテルに帰り、ネパールの初日の終わりである。21:30就寝。

11月24日(月) 晴 9,000 歩
 5時に起き、シャワーでさっぱりする。6:20から1回のレストランでバイキングの朝食をする。食後、広いホテルの庭やプールサイドを散歩する。
 スーツケースを部屋の外に出し、エヴェレスト遊覧飛行のため7名が7:30 バスで空港に向かい、10分ほどで国内線の搭乗待合室に到着する。 搭乗するBuddha Air 410便は8:10出発のところ、かなり遅れているようである。 8時40分ごろ搭乗口でBuddha Air 410 便のコールがあり、男女別々に荷物と体のセキュリティー検査を受ける。この国のセキュリティー検査は厳しい。空港に入るには入り口でチェックされ、待合室には搭乗券が無いと入れない。荷物はバッグの底までテーブルの上に広げてチェックし、ボデイ・チェックも徹底している。
 専用バスで19人乗りのプロペラ機の駐機所に行き、給油を待って搭乗する。左右に一人ずつの座席があり、16人の乗客と2人の案内役のスチュウワーデス、コックピットに2人の操縦士が乗り、いよいよ遊覧飛行に出発である。
 9時に離陸した飛行機はカトマンドゥ盆地を下に見て、ヒマラヤ山脈を左に見ながらエベレストをはじめ、8千米級の山々を堪能させてくれる。東端に最後の8千米級、マカル(8,475m)が見えたところで引き返す。その間コックピットから見たサガル・マタ(エヴェレストのネパール名)はなんとも言えない感動を与えてくれた。
 9:55空港に戻ってくると、再び国内線の搭乗口からポカラ行Cosmic Air F5-503便に乗り、ポカラに向かう。カトマンドゥ発10:40、ポカラ着11:10、30分のフライトであった。
ポカラ(Pokhara)空港に降り立つと、目の前にマチャプチャレ(Mt. Machhapuchhare)、6,993mの雄姿が聳え立ち、我々を歓迎してくれた。マチャプチャレはポカラのシンボルとも言われ、ピラミッド型の美しい姿である。マチャプチャレとは、<魚の尾>という意味で、ヒマラヤ山脈の山に入って西のほうから眺めると、その頂上は魚の尾のように二股に分かれているそうである。
 空港からバスで10分足らずのところにあるHotel Shangri-La Villageが今日から3泊するホテルである。423号室に入って、ベランダに出てみると目の前にマチャプチャレが聳え、その左右にヒマラヤの山々が姿を見せ、大歓迎してくれた。ネパールの国土の17%はヒマラヤで、きれいな雪(ヒム=きれい、アレア=雪)との意味である。また、Pokhara とはネパール語で池を意味するPokhari からきているように、この町には湖が多く、ぺワ湖(Phewa Tal)、ベグナス湖(Begnas Tal)、ルパ湖(Rupakot Tal)があり、川や滝、渓谷など水が豊富である。
 ホテルのレストランで12:30から地ビールのTuborg Beerを飲みながらバイキング形式の昼食をし、午後の一時をベランダからヒマラヤを見て過ごす。14:30バスで町の南、ぺワ湖の下流にあるパタレ・チャンゴに向かう。今は水の少ない季節で、さほどでもないが、湖から流れてくる水が地中に吸い込まれ、岸壁の大穴から流れ落ち、地面から下に流れ落ちる奇怪な滝である。
 ついで、42Fのぺワ湖に向かう。この辺りには桜が咲いており、ネパールの国花である石楠花も見られ、ポカラの町の観光名所になっている。町の北側にあるセティー・ガンダは橋の下が50m程もある峡谷で、ヒマラヤ山系の水がセティー川の美しい景観を現している。
 オールド・バザールはぺワ湖から北東に4km程のところにあり、歴史を感じさせるレンガ造りの建物が道の両側に建っている。これに対してニュー・バザールはポカラの銀座とも言うべき繁華街で、この町並みを見物しながら立ち並ぶ屋台でみかん、バナナやピーナッツを買い、食べながら散策し、17時にホテルに帰る。
 夕食は18:40からホテルの二階のレストランでバイキング形式である。この国のビールとご馳走をデザートのケーキまでたっぷり頂き、売店で木彫りのふくろうを見つけて買い求める。今日はこのホテルに私たち以外に4組のツアー客が滞在し、日本語が行き交い、まるで日本国内の旅のようである。

11月25日(火) 晴 21,100歩
 今朝は早起きして、日の出を見に行く。4時に起きてコーヒーを沸かし、しっかり目を覚まして出かける。5:40バスでホテルを出発し、標高1,590mのサランコット展望台に向かう。30分ほどでバスを降り、10分ほど歩いて6:20展望台に到着する。展望台にはすでに大勢の人々が来ており、6:30頃になると東の空が明るくなり、その光がマナスル、ピーク29、ヒマルチュリが、次いでマチャプチァレ、アンナプルナ・サウス、アンナプルナ泄、「峰、峰のアンナプルナ山群が朝日に染まる。6:35には東から太陽が昇ってきてポカラの町や山々をきれいに染めた。
 ホテルに帰って(7:20)、屋外のテーブルでヒマラヤを眺めながら、おいしい空気を吸って、おいしい朝食を頂く。9:15バスでぺワ湖に出かける。この国の公立学校は10時始まりで、登校する子供たちをあちこちで見かける。同じように車道を牛が堂々と散歩しており、バスはしばしば徐行する。この国では牛は神様で、食べることはもちろん、殺してはいけない。しかし、それは牝牛の場合で、牡牛は早い時期に処分されるのか、見かけない。また、水牛はこの限りでない。
 ぺワ湖の東側には広大な国王の別荘地があり、鉄条網と門衛の兵隊が警備している。そこを通り過ぎると、観光用のボートが舫う船着場がある。我々15人と石川さん、ラジェンドラさんは3艘のボートに分乗して先ずは湖の中ほどに浮かぶバラヒ寺院(Barahi Mandir)の島に向かう。島から眺めるマチャプチァレ、象のように見えるアンナプルナ。峰、「峰などヒマラヤの山々が湖に映り、どちらが本物か見まごうばかりである。1時間ほどボートで湖をゆっくり遊覧して、ボートを漕ぐ水音だけの世界に浸たりながら、アンナプルナ氈Aアンナプルナ南など、アンナプルナ山群の山々を堪能する。ぺワ湖の西の山頂には日本人の建立した日本山妙法寺の仏舎利塔が聳え立っていた。
 12時からホテルのプールサイドでトムヤンクン風のスープ、パスタ、カレー味の鶏肉、野菜サラダをローカル・ビールで頂き、アイスクリームで締める。マダム画伯は、1時から2時間ほど部屋のベランダの椅子に座ってスケッチをする。ポチはベランダの前のハンモックに寝そべったりしてヒマラヤの景色と空気を思う存分味わう。
 3:30バスでベグナス湖に向かう。プリティビ・Hywをカトマンドゥへ向かい、ポカラ・ゲイトを通ってしばらく行き、山道を登って30分ほどでバスを降りる。さらに50分ほど集落の点在する山道を歩き、ベグナス湖とルパ湖が見下ろせる、眺望の開けたところで夕日を見る予定であった。到着してみると夕日は期待できそうになかったが、ヒマルチュリ(7,893m)やタクラ・ピーク29(7,835m)が見えた。マナスルには雲がかかって残念ながら見ることが出来なかった。この辺りの村では、りんご、みかん、バナナなどの果物が採れるとのことである。
 19時からの夕食は、朝日サンツアーズの三つのパーティーが合同で、レストランの庭でヒマラヤン・ディナーである。赤々と薪が燃える明かりを囲んで、ヒマラヤン・ミュージックの演奏を聴きながらネパールの幸を頂く。クラシーと呼ばれるひえで造った地酒でスル(乾杯)し、スープや肉、魚、野菜などを地ビール、ワインで頂き、20:40頃まで歓談する。演奏していた音楽の入ったCDと売店でカモシカの毛皮のベストを買い求める。
 部屋に帰ってベランダに出てみると、満天の星空で、北斗七星やスバルを見つけて楽しんだ。

11月26日(水) 曇―晴 17,700歩
 5時に起きてシャワーを浴びる。マダムは湯船で温まる。日の出前に朝食をしようと、6時になったらレストランに出かける。レストランはまだ準備中で、準備の出来たものから頂く。6:30部屋に帰ってベランダから朝日がマチャプチァレにあたる景色を見ようと張り切っていたが、残念ながら見ることは出来なかった。
 7:40バスでチャンドラコット(Chandrakot)に向かう。1時間ほどでバスを降り、細い山道を登って行く。あちこちに集落が点在し日本と同じような野菜、大根、きゅうり、ブロッコリー、芋がら、とうもろこし、人参、ほうれん草、ジャガイモなどを栽培している。カトマンドゥのバザールではにが瓜も見かけたが、いずれの野菜も小ぶりである。1時間ほど歩くと展望が開け、売店のある見晴台に到着する。しばらく待っていると、山頂にかかっていた雲が動いて、アンナプルナ南(7,219m)、ヒウンツリ(6,441m)、ガンガプルナ(7,445m)の雄姿を遠望できた。山道に入ってすぐ、チベットからの難民と思われる、男3人、女5人連れが日本語で話しかけてきて、山道を下りるまで纏わりついた。彼らはリュックに土産物を詰めて、観光客に売りつける魂胆である。見晴台では布の上に品物を広げて盛んに声をかけていたが、誰も買わなかったようだ。
 帰りのバスは途中でパンクし、タイヤの交換に2時間ほどかかり、ホテルには13:00に到着した。ホテルに到着すると、すぐ昼食をし、一旦部屋に引き上げる。出発までの時間を利用してポチは散髪をし、髪型がヒマラヤン・スタイルになる。
 15:00ロビーに集合し、バスでレイクサイドにショッピングに出かける。1時間半ほどの自由時間を利用して、薬局を探して見学し、スーパーマーケットや土産物屋でお菓子、カレンダー、カモシカ皮のリュックなど雑多な買い物をする。カトマンドゥもそうだったが、この町でも学校と本屋さんが多いのに驚かされた。国民性なのか、制度のせいなのか、教育が熱心な国のようだ。道端で見つけた大きなザクロが美味しそうだったので、1個50Rpで買い求める(ほかの果物に比較して高価?)。
 夕食は18:30から20:00まで、二階のレストランでラジェンドラさんも同じテーブルである。モモ、スープ、料理など美味しかった。ビール、赤ワインを飲みながら歓談し、終わりの頃には石川さんも加わって、次のツアーの計画などで盛り上がった。就寝前に町で買ったザクロを食べたが、甘くておいしかった。

11月27日(木) 晴 11,100歩
 5時に起きてシャワーを浴びる。今朝も朝日は顔を出してくれそうにない。朝食では美味しいバナナを頂いた。7時頃から雲が薄くなり、7:30にはマチャプチャレの頂上が少し見えてきた。8:10にはアンナプルナ泄が、次いでアンナプルナ。峰も見えてきた。夜に咲く小さな花、独特の芳しい香りを放つ花、夜の王妃の香りを嗅ぎながらフロントに向かう。
 バスは8:10にホテルを出発し、8:30にポカラ空港に到着する。Cosmic AirF5-532便、カトマンドゥ行きは定刻を30分遅れて9:30に離陸し、10:15に到着した。パタンへの道とバクタプルへの道が分岐するロータリーから奥へ入ったところ、ホテル・キドと同じ建物内にあるレストラン・田村で10:50から早めの昼食をする。メニューは弁当に入った日本食と味噌汁。
 カトマンドゥ市内の観光はこれが最後になるので、12:00から土産物屋に立ち寄る。Souvenir Nepalという店はビルの2階にあり、入口は普通のオフイス風で知る人ぞ知る店のようである。ここで刀形の容器に入ったラム酒のお土産を買う。
 パタンはカトマンドゥの南、自転車でも行ける距離にあり、聖河バグマティの川向こうに位置する古都である。バスは13:00に町の入り口に到着し、1人当たりUS$3.0の入場料を払って街に入る。この街はネパールでは珍しく住民の8割が仏教徒である。日本の金閣寺のようなゴールデン・テンプル、14世紀に建てられ、五重の塔が目を引くクンベシュワール寺院、マッラ王朝時代の王たちによって17世紀から18世紀にかけてつくられた旧王宮前のダルバール広場、マチェンドラナート寺院の三重の塔などをゆっくり見物して歩く。
 パタンを14:50に出発するとバスは山道を登って行き、16:40に標高2,060mのナガルゴットに到着し、今夜から2泊するクラブ・ヒマラヤ・リゾートに落ち着く。部屋に向かう前に、ホテルの前の展望台から夕日に染まるヒマラヤの山々を眺める。ラングタン(7,246m)、ドルジェラッパ(6,975m)、フルビチャツ(6,660m)、ガウリサンカル(7,145m)などの山々が夕日を受けて赤く染まった景色にしばし見とれる。部屋のベランダからヒマラヤの山並みを眺めていると、Sunsetの時間を忘れ、なんとか日没の瞬間を見ることが出来た。
 18:30から20:00まで、1階のレストランでHimalayan Music&Danceを楽しみながらのバイキング形式の食事をする。その後隣りのバーでワインとピスタチオのアイスクリ―ムを頂きながらしばらくヒマラヤの雰囲気を味わう。

11月28日(金) 曇―晴 11,900歩
 今朝は日の出を見るため軍の敷地の中にある展望塔に行くので、早起きをする。4:30に起き、コーヒーを沸かし、リンゴを食べて、ベランダに出ると、きれいな星空で、朝日が期待できそうである。
 6:05小型のバスで展望塔に向かい、途中で軍の検問を受け、展望塔の下でバスを降り、しばらく階段を登って、6:20展望塔に到着する。6:50まで待っていたが、結局朝日は見られず、ホテルに引き上げる。 7:10から食事をし、ホテルの周りを散歩しながらヒマラヤの山々を楽しもうと思っていたが、雲が厚く何にも見えなかった。
 9:00バスで山を下り、1時間ほどでバクタブル(バドガオン)の町に到着する。この町は18世紀までこの国の首都の一つとして栄えた街で、その時代の建物がそのまま残っており、街並み保存のため750Rpの入街料が必要である。崩れそうな建物の間の細い路地をゆっくり歩いて、街の景観や歴史ある建造物、人々の暮らしぶりを2時間に亘って拝見した。
 数多くある広場、寺院や王宮の説明は旅行書に譲ることとして、街の中には至る所に井戸や貯水所があり、今でも利用されているのには驚いた。紙製品の店の奥には製紙工場があり、和紙のような紙でできた色々な紙製品が展示されていたが、日本の1万円札の紙はネパールで作られているとのことである。広場の一角にある崩れそうな建物の二階がCafeになっており、観光客が辺りの景観を楽しみながらお茶していたのが目をひいた。記念に、この街伝統の織物と言われる布で出来たベストを買い求める。
昼食はカトマンドゥ空港の近くにあるエヴェレスト・ホテルの7階のレストラン、Mandelin Chinese & Tibeteenで、2種類のモモとチベット風鍋料理、Gyakokを念願のエベレスト・ビールで頂く。鍋のスープを白いご飯にかけて食べると、これがまたとても美味しかった。
 16:00クラブ・ヒマラヤに帰って、夕日を期待したが、雲に邪魔されてわずかにヒマラヤの山並みが赤くなったのみで、残念であった。
 夕食は18:30から昨日と同じレストランで、今夕は最後の夕食ということで、朝日サンツアーズさんからビールなど飲み物のサービスがあり、皆で乾杯する。マダムは折り紙で折ったサンタさんを皆さんに差し上げる。食事の後、バーで石川さん、ラジェンドラさんとワインやウイスキーを飲みながら、ネパールのこと日本のことなど、思いつくままにおしゃべりする。楽しい一時であった。

11月29日(土) 晴 11,900歩
 いよいよ帰国の日になった。4:30に起きて、シャワーを浴び、熱いコーヒーを飲む。6:20朝日を期待して屋上に出てみたが、見込みは無さそうである。乗り合いバスの止まる下の部落まで散歩して、ホテルに帰ってくると、雲の間から太陽が見え隠れし、ヒマラヤの山々が微かに赤く染まった。
 7:20から朝食をし、マダム画伯は展望台でヒマラヤのスケッチをする。スーツケースを部屋から出して、再び展望台でヒマラヤの空気を思い残すことなく味わう。
 9:15バスでナガルコットを下り、カトマンドゥのトリブヴァン国際空港に10:45到着する。空港の待合室には搭乗券が無いと入れないので、ラジェンドラさんとはここでお別れとなる。スーツケースの検査が済むと、その印にプラスチックのバンドを掛け、これを確認して航空会社が預かる。出国手続きをして、出国待合室から搭乗ラウンジまでにセキュリティー検査が二回あり、男女別に分かれて、手荷物の中身を徹底的に検査され、ボデイ・チェックも念入りにされた。航空券の裏に検査済みのサインとはんこが無いと搭乗が許可されない。これで搭乗できるかと思っていたら、飛行機のタラップのところでもう一回検査があった。タイ航空TG 320便、バンコック行きボーイング777−200は定刻より30分遅れて、14:20に飛び立ち、18:35バンコック国際空港の25番ゲートに到着した。機内から運良く、エヴェレストやヒマラヤの山々を見ることが出来た。空港内の免税店や雑多な店の立ち並ぶとランジットの待合コーナーで乗り継ぎ便を待つ間、よく歩き回って運動不足を解消する。

11月30日(日) 東京―雨 4,800歩
バンコック発、タイ航空TG642便は0:20、53Gateから出発し、日本時間で7:50に雨の成田空港のC―82番ゲートに到着した。フライトは順調で、5:30朝食が出るまでよく眠った。入国手続きに次いでスーツケースを受け取り、税関検査をうけて、頂いたクーポン券でスーツケースを託送する。成田エクスプレス8号では横浜に帰る後迫さん、鈴木さんと偶然一緒になり思い出話をしながらあっという間に東京駅に到着する。帰宅は11:30、間もなくスーツケースも届く。朝日サンツアーズさんのツアーに参加したのは初めてであったが、添乗の石川さん、現地ガイドのラジェンドラさん共に人柄が良く、気配りがあり、天候によって予定を臨機応変に変更するなど、大変感心した。また、ガイドのラジェンドラさんはネパールの事は勿論、日本の知識も豊富で、驚いた。次回ネパールを旅する際は、是非二人のコンビにお願いしたいものである。

世界の八千米級14

名称 標高(m) 所在地
1 エベレスト 8,848 ネパール/中国
2 Kー 8,611 パキスタン/中国
3 カンチェンジュンガ 8,586 ネパール/インド
4 ローツェ 8,516 ネパール/中国
5 マカルー 8,463 ネパール/中国
6 チョー・オユー 8,201 ネパール/中国
7 ダウラギリ 8,167 ネパール
8 マナスル 8,163 ネパール
9 ナンガバルバット 8,125 パキスタン
10 アンナプルナ1 8,091 ネパール
11 ガッシャブルム1 8,068 パキスタン/中国
12 ブロードピーク 8,047 パキスタン/中国
13 ガッシャブルム 8,035 パキスタン/中国
14 ゴサイタン 8,012 中国
○:今回見た山 *:2000年5月
名称、標高は世界大地図館/小学館による


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