2003.8.25〜28
思い立って、3泊4日で台北を 訪れました。Cathay Pacificの往復と 台北駅前の旧Hilton Hotel 3泊で、 ¥29,800のパックツアーでしたが、 買い物を強いられることもなく、 台湾の旧友や知人と2年振りに旧交 を暖めました。 |
8月25日(金)台北:晴 10,200歩
バッグの中に洗面道具と着替え、それに台湾の友人たちへのお土産を詰めて、10時45分バス停に向かう。武蔵小金井駅発11:05の中央線快速電車を神田駅で山手線に乗り換え、12時前に上野駅に到着する。京成上野駅発12:17の特急成田空港行きは、日暮里駅でほぼ満席になり、13:31成田空港第一ターミナル駅に到着する。
改装後の第一ターミナルは初めてなので、土産物店やレストラン等が立ち並ぶショッピング街を一店ずつ丁寧に見物し、買い忘れたお土産等を買い求める。
パックツアーの集合時間は14:15、Fカウンターの2番で搭乗券と帰りの航空券を受け取り、後は勝手に飛行機に乗って台北に行くだけである。4階の出発ロビーからエスカレーターで上ったところにあるファミリーレストラン、Big
Boyでビールとポテトフライ、マダムはケーキセットでしばらく休憩をする。
Cathay Pacific 航空CX451便、台北経由香港行は14番ゲートから定刻の16:15に出発する。台北までの飛行時間は約3時間半、あっという間に日本上空を通過し、定刻より45分早く、18:05に台北の中正国際空港に到着した。日本との時差は1時間、3時間弱のフライトであった。今回は富士山の上空から日本列島に沿って南下する航路であったようで、富士山の上空からは雪のない山頂のカルデラが奇麗に見えた。
台湾の入国審査では短期間の滞在ならビザは不要であるが、今でもSARSに関する自己申告健康調査票を提出する仕組みである。税関審査を通過して出迎えのBobby
Travel Service Co., LTD(保保総合旅行会社)の蘇さんを探す。ここで初めて今回のツアーが6組、13名ということを知り、全員が揃うまで自動販売機で水を買い、1万円を2,790NT$に両替する。
大型バスの1列2+1人席は蘇さん曰く、ビジネスクラスのようで、ゆったりとした2階席から窓外の風景を眺めながら蘇さんの台湾最近情報を聞く。
中山北路二段にある晶華酒店、Grand Formosa Regent Hotelに隣接したDFS(免税店)に立ち寄り、両替をしたりお土産品の品定めをしている間に蘇さんはホテルのチェックイン手続きをする。
21時30分、台北站(駅)の真ん前に建つCaezar Park Taipei Hotelに到着する。16階の部屋に荷物を置いて、台湾ビール、牛乳、夜食等の買い物に出る。バナナと竜眼も探して歩いたが、見つからずホテルに帰ってルームサービスでフルーツの盛り合わせを注文する。
古い友人のTさんと台中と高雄に住むSさん兄妹に電話して懐かしい声を聞き、明日からの予定を決める。これで今日の日程を終了し、ホテルの部屋から台北の夜景を眺めながら台湾ビールを台湾の果物で頂き、台湾訪問を実感する。
8月26日(火)28〜35℃ 晴ー激しい夕立 10,300歩
6時に起きてシャワーを浴び、窓から街並を眺めると、朝日に照らされて今日も暑そうである。東京は今年冷夏だったので、暑さを感じに台北に来たけれど、ここの暑さは並のもではない。
7時から2階のレストランでバイキング形式の和・中混合型朝食をする。ホテルの前に見える台北站は工事中で、忠孝西路を地下道でくぐり抜け、散歩がてら見物に出かける。駅の構内は広く、切符売り場、待合所、売店等が1階から地下2階にかけて立ち並び、広くて迷いそうである。
8:30昨日と同じバスが迎えに来て、今日1日台北市内観光に出かける。バスは途中で1組、2名の観光客を拾って、総勢15名の日本人観光客を乗せ、8:50龍山寺に到着する。台北には何回も来ているが、観光バスでの市内観光は初めてである。従ってガイドによる観光名所の案内を聞くのも初めてで、初めて耳にすることも多い。
龍山寺は1,738年に建立され、265年の歴史がある台北で最も古い仏教寺院である。本堂には観音菩薩を中心に、文殊・普賢菩薩などが、後殿には学問、農業、商業、海、縁結び、子宝の神様が祀られている。境内は長い線香を目の前に掲げ、自分の名前、住所、生年月日や願い事を唱えてお祈りする人やカメラを持った観光客、椅子に座ったお年寄り達が語らっており、線香の煙や匂いと共に熱気ムンムンである。寺は中国独特の極彩色だが、適当に古びていて、歴史を感じさせる立派な建物である。
重慶南路に建つ総統府は東京駅と良く似た外見で、1919年日本の植民地時代の完成である。10月10日の建国記念日にはイルミネーションで飾られ、広場ではパレードが行われるらしいが、今日はバスの窓越しに見物する。
9:30中正記念堂に到着する。中正記念堂は中山南路に面した広大な中正公園の敷地に建つ、故蒋介石総統を記念して建てられた大理石に青い瓦が映える、高さ70mの建物である。また建物の外側には89段の石段があり、蒋介石総統の享年89歳を記念したものである。正面の石段を登って銅像ホールに入ると、蒋介石総統の銅像があり、その前に二人の海軍兵士が白い制服に拳銃を捧げ持って銅像を守っている。この兵士は1時間ごとに交替するが、その交代の儀式が面白い。丁度10時の交代の時間になったので、しばらく交代の儀式を見物する。この公園は25万平方メートルの広さを誇り、建設当時は台北市の中心に当たるこの地に建てることに市民の間で異論もあったらしいが、今では市民が散歩や太極拳を楽しむ憩いの場所にもなっているとのことである。
中正記念堂を10:20にバスで出発し、10分程で行天宮に到着する。民権東路と松江路の交差点に立つこの関帝廟は創廟後半世紀程で、三国志で知られる関羽を祀ってある。
関羽は武神として良く知られているが、同時に初めてソロバンと帳簿を使った人物である為、商神として中国系の人々の間で尊敬されている。門前の地下道には線香やお供え物を売る露天商や占い師が軒を連ねている。ツアーに参加した若い女の子達は殆ど占い師に占ってもらったようである。我々は老い先長くないので、占ってもらう事も無く、境内でおばさん達がやっていた無料の血圧測定をする。
行天宮から歩いてでも行けそうな、すぐ近くの大山茶藝教室に5分程で到着する。ここで11:15から30分程中国茶の勉強と味見をする。蓮の実の砂糖漬けやドライフルーツをお茶菓子にして、ウーロン茶、高山茶、プアール茶、杜仲茶など中国茶の入れ方を実演しながらその効能等を説明してくれ、味見をする。目的はお土産に買ってもらうことにあるが、同行のツアー客の中には沢山買った人も居た。
ポチは皆さんが買ったお茶が、味見したお茶と同じぐらい美味しければいいがと思った。
ちなみに台北の街には沢山のこのような茶藝館や茶藝中心といった看板が目に付く。これらの店は中国茶を楽しみながら、老若男女がおしゃべりを楽しむ中国風喫茶店であるが、観光客相手に土産物も売っている。
昼食は12時から45分ほど、南京東路に面した香港式飲茶レストラン怡和で、前菜から始まって、餃子、焼売、炒飯、肉まん、春巻き、大根モチ、スープ、フルーツ(リュウティン)、タピオカと10品、大好物の大根モチが出たのには感激した。
13:10から1時間半ほど、台北市の北に位置する故宮博物館を見物する。世界の四大博物館に数えられるこの博物館は、本館四階建ての建物で、62万点の収蔵品の中から常時6,000点程の展示物を出品し、定期的に入れ替えを行っているとのことである。
書画、陶器、磁器、玉器、漆器、青銅器、装身具、文具、彫刻、刺繍、琺瑯などが、ジャンル別、年代別に整然と並べられている。なかには見覚えのある瑪瑙の屏風もあったが、膨大な展示物にいつ来ても圧倒される。今回は初めてプロのガイドの説明を聞きながら見物したので、新しい発見もあり、重点的に有名な中華文化の展示物が見物できた。
3時過ぎに忠烈祠に到着する。1969年の建造で、国民革命や対日抗戦、中共との戦いで命を落とした軍人や志士の英霊が祀られている。5km2という広大な敷地の中央に北京の大和殿を模したという絢爛豪華な本殿がそびえる。ここでは空軍の儀仗兵が本殿と門の警備に当たっている。私達が到着した時は、丁度3時の儀仗兵の交代儀式が始まった時で、運良く1日に2回もこのような珍しい儀式を見物できて幸せである。
15:30忠烈祠を出発すると、バスは長春路の免税店、金龍藝品店に向かい、ここで40分程トイレ休憩を兼ねてショッピングタイムをとる。免税店からホテルに帰る途中で、足つぼマッサージの店に立ち寄り、ここで若手のツアー客は殆どバスを降りて、足つぼマッサージに向かう。彼等はマッサージが終わると、店の送迎車がホテルに送り届けてくれるそうである。残ったシニア組はそのままバスでホテルに帰り、16:40到着する。
Sさんに電話する約束の時間まで、ホテルから3〜4軒の所にある三越に行き、地下の食品売り場を見物しながら龍眼等の果物を探したが、お目当てのものは見つからなかった。竜眼はライチに似た台湾独特の果物である。
17時にホテルに帰ってくると、早速Sさんに電話し、明日の約束をする。Tさん、Oさんとの待ち合わせは17:30、ホテルのロビーで待つこともなく二人が現れて、しばらく立ち話をし、Tさんの息子さんの運転する車で夕食をするレストランに向かう。車が動き出すと間もなく大粒の雨がバケツを引っくり返したように降り出し、車の前方や周りが見えない程の夕立である。
今夜のレストランは林森北路にある湖南料理の店、彭園湘菜館で、ここはTさんの馴染みの店で、台湾に来ると必ずTさんが連れて来て下さる。Tさんはこの春、自転車に乗っていて、事故に遭ったとのことで体調が充分ではなく、車の運転もままならないので、息子さんに運転させて会いに来て下さったようだ。OさんはTさんと同じ年の73歳で、毎日4時半から山の散歩をしているとのこと、年には見えない元気さである。身近に起きた出来事を話し合い、共通の知人の近況を情報交換しながら、持参した手造りビールや紹興酒でおいしい料理に舌鼓を打っていると、あっという間に時が流れ、2年の月日が埋まってしまった。
今日のメニューは、薄焼き肉の北京ダック風前菜、フカヒレ姿煮、伊勢エビのエビグラタン、氷魚の唐揚げ、牛ステーキ、きしめん風スープ、冷&揚げ饅頭、西米露(タピオカとココナツミルク)、スイカとキウイ。
店を出る頃には夕立も上がり、清々しい気持である。ホテルの部屋に帰って来ると、Tさんに頂いた、この時期が旬の竜眼を2年振りに味わう。
8月27日(水)晴 13,200歩
6時半に起きてシャワーを浴び、7時半から1時間程、ホテルから5分程南側にある二二八平和公園を散歩する。この公園は台北新公園と呼ばれていたが、1947年2月27日夜から28日にかけて起きた2・28事件を記念して1966年にこのように改名された。約6万Fの園内には蓮花池や中国式の東屋等が点在し、ヤシやビンロウ樹等が彩りを添えている。市民の憩いの場所として親しまれているらしく、あちこちに思い思いのグループが太極拳やエアロビクスダンスをしていたり、出勤前の朝食をしたり新聞を読んだりしている姿が見られた。
朝食は部屋で、竜眼、バナナ、クッキーそれにコーヒー。
食後の散歩に台北站を歩き、珍しい形をした腕時計を買い求め、ホテルに帰ってくるとSさん兄妹のお兄さんの方がロビーで待っていた。部屋で1時間程おしゃべりをしていると、11時に妹さんが高雄から飛行機で会いに来てくれた。兄さんの方は2年振り。妹さんは5年振りの再会となる。
四人でまたしばらく話した後、鼎泰豊(Din Tai Fung)に食事に行くこととなり、タクシーで10分程の広東風飲茶の店に向かう。入り口は狭いが、急な階段を登って行くと、12時前でもほぼ満員の客で、最近流行の店らしい。食べ終わって出てくると、長い客の行列が道路を埋め尽くしていた。
鶏肉スープ、野菜豚肉ワンタンスープ、青菜炒め、小籠包、エビ焼売、エビ蒸し餃子、小豆入り蒸しケーキ等を台湾ビールで頂く。
ホテルの並びにある新光魔天展望台でタクシーを降り、地下1階のエレベーター乗り場から46階の展望台に直行する。この展望台は1993年12月の完成で、高さ244.15m、地上51階、地下7階建てのビルの46階にあり、エレベーターは30秒で到着する。台北の誇る超高層ビルで、台北のランドマークとも呼ばれているこの摩天楼には、13階まで三越百貨店が入っており、台北市街を一望出来る新名所である。また、台北の市内や郊外のどこからでもこの展望台を見ることが出来る。
46階のパノラマ展望台を一周して台北盆地の景勝を眺め、魔天茶坊でウーロン茶を飲みながら歓談する。14:30にTさん、Oさんとホテルで待ち合わせの約束をしていたので、展望台の46階のエレベーター前で、Sさん兄妹と別れを惜しむ。わずか4時間程の短い時間であったが、なつかしい兄妹と会合することが出来、変わりない友情を暖められたことに感謝しつつホテルに向かう。
Caezar Park Taipei Hotelのロビーに帰り着くと、TさんとOさんが待っていて、両手に持ちきれない程のお土産を頂いた。Tさんに頂いた真空パックの大根モチはポチの大好物で、ホテルを出発するまでホテルの冷蔵庫に預ける。
今日はTさんの長男さんの運転で、淡水の近くにある
縁道觀音廟を案内してもらう。このお寺は山の上に建つ三階建ての廟と納骨堂や様々な石仏が広大な敷地に点在し、緑も多く、公園のような感じで、見晴しもすばらしい。台北市内の喧噪から車でわずか30分足らずの所にある為、休日等は家族連れで混み合うらしい。
淡水川と基隆川が合流する入り江に面した斜面に關渡宮簡介という立派なお寺がある。このお寺は1661年の創建で、海の神様が祀られている。屋根の上に龍や様々な魔除の飾りを載せた、關渡宮と書かれた入り口を入ると、広大な寺の中は迷路のようで、中国本土から運んできたという重厚な石壁に彫られた彫像や関羽、曹操、劉備など中国の歴史で馴染みの深い武将や神様が飾られ、寺を守っている。寺の中には文昌殿、聖母殿、觀音殿、古佛洞などが荘厳とした雰囲気を漂わせている。山の上には旭日亭、来憩亭、日落亭などがあり、観光客や参詣者が散策や憩いの時を過ごす場所となっている。中でも觀海亭から見晴らす入江やその向こうに見える觀音山の景観はすばらしい。觀音山はその名のとおり、観音様が横たわっているようである。
台北市内に戻ってくると、夕方の交通渋滞の始まりで、18:10中山北路の台湾料理の店、青葉に到着する。この店は私のリクエストで、台湾に来ると決まって立ち寄る店である。5人で卓を囲み、台湾料理に舌鼓を打ちながら20:30まで歓談する。今夜の料理:牡蛎の卵とじ、カラスミ。白身魚のあんかけ、アスパラのホタテあんかけ、はまぐりのスープ、茹エビ、アワビ、杏仁プリン、フルーツ(メロン、パイナップル、マンゴー)。昨日と今日の夕食はTさんとOさんに御馳走になり、いつものことながら有り難く、感謝する。
ホテルに帰ると、部屋にSさん兄妹からどっさりお土産とフルーツが届けられていた。フルーツのパパイヤとレンブは持って帰れないので、今夜と明朝に頂く。お礼の電話をSさん兄妹にして、感謝の気持ちを伝える。
8月28日(木)晴 33℃/9:30
今朝は残りのフルーツが朝食である。9:20バスで免税店に立ち寄り、ウーロン茶を頂きながらしばし休憩する。現地案内人の蘇さんに、残りの果物や記念としてポチの帽子を受け取ってもらう。バスは中正飛行場に11:30到着し、搭乗手続き、出国手続きをしてラウンジで搭乗を待つ。SARSの影響らしく、空港内の店の中には閉店している所が多い。
Cathay Pacific CX450便は香港からのフライトで、B-4Gateに到着すると、機内の整備をし、給油して定刻の13:05成田空港に向けて飛び立った。機内のサービスは遅く、お世辞にも満足とはいえない。成田到着は定刻の17:20、Gate14に到着する。預けた荷物もないので、第一ターミナルビルから18:09の京成特急に乗り、JR山手線、中央線を乗り継いで、武蔵小金井から京王バスに乗り、20:50帰宅する。