再び白川郷の旅


2003.5.4

             
 この冬、2月にムーンライトされた白川郷を訪れ、
今回はその時の近畿ツーリストのツアーコンダク
ター上田さんのお勧めで、雪の無い晩春の白川郷
を連休の
54日に金沢から日帰りで訪れました。

 朝は曇りがちだったが、だんだん天候も良くなった9:10、娘とマダムの三人で金沢市を出発し、金沢東ICより北陸自動車道に乗り、小矢部JCTから東海北陸自動車道を南下し、白川郷ICで高速道路を降りる。道の駅白川郷の前の交差点で国道156号線に入り、荻町に向かう。国道156号線は庄川に沿って南下する。国道に入った辺りから車の渋滞が始まる。荻町の交差点を右折して庄川を渡り、荻町トンネルを通って、右手の丘の上にある無料駐車場に車を止めると10:40であった。連休中の三連休とあって、さすがに人出が多く、車も駐車場を一杯に埋めていた。
 駐車場から丘を下り、156号線の地下道を通って合掌造り民家園に向かう。この辺りの道路や店は観光客で溢れんばかりである。民家園の入り口で入場券を買い、今日の人出はどうかと聞くと、そこそことのことであった。
 民家園では前回は雪景色と寒さで十分に見物出来なかったが、今回は八重桜、チューリップ、ツツジなどの花や新緑をゆっくりと見物して歩く。入り口から順路に従って、左のほうに板倉(かたりべ館)から水車小屋の前を通って山野草園を見物し、炭焼小屋から木工の館を見物する。機織・染色の館は県の重要文化財に指定されている東しな家である。陶芸の館前の山野草園の水辺では水芭蕉が咲いていた。中野義盛家も県重文で、常設展館になっており、前回と同様に三階まで登って見物する。火の見やぐらや水車を見物して木曽馬の放牧を見物し、水織音の滝を右手に見てお休み所、中野長治郎家の囲炉裏端で休憩し、そば茶を頂く。前回はここでお汁粉を頂いたが、今回は手打ちそばに行列が出来ていた。
民家園からゆっくり歩いて、庄川に架かる吊り橋、であい橋を渡り、秋葉神社の前を通って、荻町の合掌造りの家々を見物する。土産品店、かたりべの角を左折し、しばらく行くと本覚寺が道の左手にある。ここにあるおおた桜は県の天然記念物に指定されているが、つぼみでまだ咲いていない。
 昼食は荻町のメイン通りに面した、前回泊まった白川郷の湯の斜め前の白水園で、さほど待たずに座敷に落ち着く。三人三様に朴葉みそとイワナの定食、飛騨牛の石焼き御膳、白川豆腐の冷や奴、ニジマスの甘露煮、冷たいビールが美味しかった。
 荻町の交差点から国道360号線を50m程行くと、右手に城山への山道があり、しばらく登って行くと、荻町城跡の展望台に到着する。ここから見晴らす荻町の合掌集落や田園風景はみごとで、しばらく現世を忘れさせてくれる。遠くに見える山々には雪が残り、太陽に照らされたその輝きと新緑の若々しさがなんともいえなく、美しい。しかし、右手に見える荻町のメイン通りは、もう帰りの車が数珠つなぎで、折角の光景も排気ガスで台無しになりそうである。
 展望台から鋪装された道路を下って、国の重要文化財に指定されている和田家の裏を通って、明善寺を訪れる。この寺の山門は茅葺きで特徴のある形をしており、隠れた名所である。
 白川郷をたっぷり4時間楽しんで国道156号線で富山県の五箇山に向かう。庄川に沿った五つの谷、赤尾谷と上梨谷の間にある菅沼合掌集落は、庄川と国道の間のわずかな耕地に囲まれて、様々な合掌造りの民家が14棟建っている。改造された家が少なく、均整のとれた美しさを保っているのが特徴で、昭和45年に国の史跡に指定され、永久に保存されている。こちらは観光客も少なく、ひっそりとした山間の里といった懐かしい情趣が漂い、なんともいえない安らぎを感じた。こちらの合掌造りは白川郷と違って、間口の狭い妻側に出入り口があり、地形や風向きの違いを表している。
 4時10分に菅沼集落を出発すると、国道156号線を北上し、相倉の合掌集落から304号線で城端、福光を抜け金沢市内に入ったのが夕暮れ時の18時頃であった。


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