世界遺産・白川郷の旅

2003.2.9〜10

世界遺産・白川郷の温泉に浸かって、
白川郷の生活を体験し、ライトアップ
された景観を観賞し、歴史に育まれた
時間を肌で感じました。

2月9日(日)晴 10,400歩
  7時少し前に家を出て、武蔵小金井発7:31の電車で新宿に向かう。新宿到着は8時。日曜日のためか、駅の構内はいつもより人影は少なく、行楽に出かける人達の姿が目立つ。
  都庁の駐車場を8:40に出発したバスは、20人の乗客を乗せて白川郷に向かう。談合坂サービスエリアで9:25から15分、トイレ休憩をし、10:45には中央道最高地点、1,015mを通過し、みどり湖サービスエリアに11:05到着する。塩尻辺りから急に冬空になり、松本から国道158号線に入ると、辺りは雪景色に変わる。
 みどり湖を11:20に出発し、安房トンネルを12:30に通過すると、12:40にアルプス街道 平湯温泉のサービスエリアに到着し、ここで50分間昼食休憩をする。周りの山々は雪化粧で、サービスエリアの前の広場には大きなかまくらが出来ていた。昼食は五平餅、飛騨牛焼、コロッケ、パンと生ビール、コーヒー。
 平湯を13:30に出発すると、バスは158号線の曲がりくねった山道をを走って、14:30に高山市を通過する。飛騨清見ICで東海北陸自動車道に入り、荘川ICで降りると15:10に道の駅荘川に到着し、15分間のトイレ休憩をする。荘川を15:25に出発し、庄川沿いの国道156号線を白川村に向かい、16:20に荻町交差点横にある白川郷の湯 合掌の宿に到着した。辺りは観光客で溢れんばかりである。昨日と今日はライトアップされた集落をムーンライトで照らし出す趣向の行事があるため並でない人出である。
 宿の前にある白川診療所の広場から出ている展望台行きのシャトルバスに45分ほど待って乗り、山道を5分ほど登ると展望台である。この展望台は荻町城址にあり、合掌集落全体を見渡す絶好の場所である。しかし見晴らしの良いビューポイントは、朝から待っている写真愛好家のアマチュアカメラマンで占められていた。聞くところによると、昨日は雨で、合掌造りの屋根の雪が融けてきているそうである。たしかに雪深い風景でないのは、今年は雪が少ない上に、雨で融けたせいらしい。
 展望台で待つこと45分、6時になると合掌造りの家々に明かりが灯り、ライトアップされた風景が日暮れと共に点々と見えてきた。しかしムーンライトの光は、どこを照らしているのかわからない。暗くなると周りの景色が暗闇に消え、明かりの灯った家々のライトアップされたところがくっきりと浮かび上がって見え、雪の少なさを隠している。
 寒くなってきたので展望台の唯一の食堂、天守閣のストーブの前で五平餅をつまみにして熱燗のお酒を頂く。もちろんマダムはぜんざいである。18時半を過ぎると、団体の観光客が帰り、展望台は淋しくなる。
 シャトルバスで展望台を降りると、白川郷のメイン通りを歩いて、ライトアップされた和田家付近や西側付近を見ながら、民宿や土産物屋の立ち並ぶ道をかん町に向かう。ここでは合掌造りの家々に明かりが灯り、ライトアップされた民家を目の当たりに見ることが出来、寒さを忘れてライトアップの終わる8時まで一軒づつ見てまわった。
 宿に戻ると夕食が待っており、名物の岩魚、トーフ、山菜、そばなどを飛騨の銘酒で頂き、至福の時を過ごした。
 温泉にゆっくり浸かって、7時間のバス旅を忘れ、合掌造りの芸術と先人が育んできた遺産、そして歴史に刻まれた人々の生活に思いを馳せる。

2月10日(月)晴 12,600歩
 6時に眼が覚める。6時半、凍った道に足を滑らさないように靴に滑り止めを着けて散歩に出かける。大通りから喫茶 匠のところで小道に入り、道の両側に今も残る合掌造りを見ながら、荻町治療院の前を通って本覚寺を通り抜け、庄川に架かるであい橋を渡る。であい橋から見る雪と氷の間を流れる庄川や合掌造りの集落は昨夜のライトアップとはちがって、ひっそりと歴史を刻んできた重みを感じさせた。
 であい橋から明善寺に向かい、重要文化財の鐘楼門庫裏を鑑賞し、遊歩道を歩いて和田家を訪れる。朝の早い時間で、中には入れなかったが、重要文化財の重みを感じた。観光客のいない静かな世界遺産を独り占めした気分で、のんびり歩く贅沢を満喫した朝の散歩であった。
 7時半から朝食をし、8:50に出発して、バスで5分程のところにある合掌造り民家園を訪れる。ここには雪の中に二十数棟の合掌造りの茅葺き屋根が並んでいる。築後300年という山下家の家もあるが、先ずはかたりべ館で屋根の作り方などをビデオとイヤホンで勉強する。次いで中野家で三階まで登って屋根や柱の造りなどを目近に見聞し、釘を使わず、紐や縄を使って上手に組み立てた芸術品を鑑賞した。この家ではおひな様や下駄などの珍しい折り紙とその折り方が紹介されていた。次は囲炉裡にあたりながら、お汁粉とそば茶をいただいて体を暖める。
 10時に白川郷を後にしたバスは国道156号線を荘川ICに向かい、道の駅荘川で10:50から15分トイレ休憩をする。荘川ICから東海北陸自動車道に乗り、飛騨清見ICで降りると国道158号線、41号線を通って飛騨古川の町に12:20到着する。
 朝霧たつ都と言われる飛騨古川は宮川、荒城川に囲まれた水の豊富な町で京の雅と江戸の粋が調和した匠の町である。本光寺でバスを降りると、古い町並みの残る通りを散策し、キネマ茶屋でくるみきんとんと桜茶を頂く。瀬戸川沿いの白壁土蔵街には古い造り酒屋、古道具屋や名物のろうそくを並べている店など、歴史を感じさせる建物が立ちならんでいる。
 昼食は常茂恵ホテルの2階で、名物の朴葉料理で飛騨の味を味わう。素朴な田舎料理の味が美味しい。食後は飛騨の匠文化館を訪れ、匠たちの技術や道具などを見物する。
 JR飛騨古川駅前を13:40に出発したバスは、途中めん処板蔵で14:10から25分、諏訪湖SAで16:30から15分、石川SAで18:30から10分夫々トイレ休憩をして、新宿西口に19:15帰着した。帰宅は8:20。


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