2002.9.6〜9.8
のんびりと温泉に浸かって、足腰の メンテナンスをしようと、息子夫婦 と我々夫婦で伊東温泉のいずみ荘に 泊して湯治をしました。 |
9月6日(金)雨 7,600歩
前夜からの雨が一層強くなって来た朝、8時半に家を出たが、バスが遅れ、道路の混雑もあり、中央線で東京駅に到着したのが9時50分、踊子号の出発する10分前であった。
踊子103号の発車する9番線に行くと、同時に列車がホームに入線し、息子夫婦とホームで出会って乗車する。ここまではのんびり・ゆったりとはゆかず、ひやひやする。
5号車のグリーン車の座席に落ち着いて辺りを見渡すと、この車両の乗客は10名前後であり、この状態は伊東までかわらない。
伊豆急下田行き踊子103号は定刻の10時に東京駅を出発し、雨の中を品川、川崎、横浜、大船、小田原、湯河原、熱海と停車し、伊東から伊豆急線を伊豆急下田に向かう。東京駅の乗り換えで、急いだので喉が乾き、早速缶ビールを頂く。今回の旅でお酒を嗜むのは我一人であり、他の方々はコーヒーや持参のお茶である。しかし350mlの缶ビールはコーヒーより安く、経済的だと一人だけ納得する。
伊東駅には定刻の11時46分に到着したが、ここでも雨である。改札口を出て、左側のコインロッカーに荷物を入れて、雨の中を駅前の商店街をぶらぶら歩いて昼飯の美味しそうな店を探す。
地物の魚を食べようと決めた店は仲丸通りの二階にある、その名も大漁である。夫々に刺身定食、アジたたき定食、天どん、アジのたたきを食べる。アジのたたきだけ御飯がないのは、ビールのせいで、私の昼食は御飯抜きである。アジのたたきはさすが地物だけあって美味しい。
店を出ても雨は降っており、むしろ強くなったようである。旅館に電話して、歩いてわずか10分程のところを車で迎えに来てもらう。
今回2泊する旅館はいずみ荘で、1時半に到着して2階のロビーで一服し、6階の部屋に入る。一つとして同じ間取りのない純和風の旅館で、12畳、6畳二間と応接間、ロビーがあり、檜の風呂と足を延ばして入れる程の楕円形の信楽焼陶器で出来た露天風呂が部屋に付いている。息子夫婦の部屋も6階で、ほぼ同様であるが、部屋に付いている信楽焼陶器の露天風呂は丸型である。
先ずは旅館内の探検を兼ねて、エレベーターで1階の大浴場へ降りる。本館から大浴場に行く間に囲炉裏のある休憩室があり、新聞やお茶うけが置いてある。ここで湯上がりの一服としてお茶などの飲み物がふるまわれる。右手に源泉露天プールを見て、渡り廊下を通って行くと、男子と女子のサウナ、露天風呂の付いた大浴場がある。浴槽は檜で、露天風呂には竹の懸け樋から温泉が落ちており、打たせ湯になっている。
檜の香りのする大浴槽と露天風呂を往復してすっかりふやけたところで、お茶を頂きながら囲炉裏の前に座って足裏マッサージをしていると、身体から力が抜け、うとうととしてくる。
雨が小降りになったところで、4時から川沿いを散歩し、キネマ通り、湯の花通りを経て伊東駅に行き、観光案内所でパンフレットやウオーキング用の地図を集める。
旅館に戻ると、部屋の露天風呂に入りながら缶ビールを頂く。雨が激しくなって、初島は見えないが、頭にタオルを乗せて雨除けにする。この露天風呂は一日中お湯が出ており、源泉ならではの贅沢である。
6時から8時まで、12畳の部屋で4人揃っての夕食である。先ずはデジカメで料理の写真を撮って、10品+4種類のデザートをドイツ産の白ワインで頂く。
食後は3人で大浴場に行き、私は今日3回めを部屋の露天風呂に入り、おしゃべりを聞きながら11時には就寝する。
9月7日(土)雨 18,600歩
起きると先ずは1回めの露天風呂に入る。今朝は初島が良く見える。マダムも暗い内に部屋の露天風呂に入ったらしい。小降りだが雨が降っているので旅館の傘を借りて海岸まで散歩する。川沿いの道から中央商店街を通り、いでゆ橋から松川遊歩道を歩いてなぎさ公園に着く頃には雨と風が強くなり、傘が風で飛ばされそうになり、あわてて旅館に引き返す。
朝食は8時半から前夜の夕食と同じ場所で4人で食べる。温泉卵やアジのたたき、焼きながら食べるアジの干物など地物の魚が美味しい。
今日は夫々の家族ごとに別行動である。連絡の為携帯電話と傘を持って10時に出かける。川沿の道を松川遊歩道に出て、伊東大川を右手に見て、南に向かう。道沿いには伊東の生んだ文学者、木下杢太郎の作品のレリーフが置かれている。川沿の桜並木は彼岸桜や十月桜が楽しめるらしい。音無神社や若槻礼次郎の旧居、ひまわり荘などを左に見て、旭橋で伊東大川を渡る。さらに川を左手に見て、川沿をしばらく行き、道が川から離れたところで、右に曲がり、修善寺街道を横切って進み、線路沿いの道をしばらく行くと伊豆急の南伊東駅である。約1時間松川散策コースを歩いたことになる。
南伊豆駅で11時21分発の熱海行き電車に乗ると、海岸向きに座る席が空いていて、景色を眺めていると3分で伊東駅に到着する。電柱の立っていない駅前イチョウ通りのUCCコーヒーで一休みし、駅裏の伊東公園を見物するが、ひっそりとして気味が悪い程人気がない。草々に引き上げて、湯の花通りを歩いて、イノシシ型最中“湯猪”の製造発売元、文寿堂を探し、味見用に4個買い求める。ちなみに我がマダムも息子の嫁も干支は亥である。
湯の花通りを歩いていると、息子夫婦とばったり会い、先ずは菓子処、石舟庵で饅頭を買って、お茶を飲みながら一服する。ぶらぶら歩きながら海岸沿いの店に食事に行く。今日の昼食ははるひら丸という船宿兼磯料理の店で、大勢の客がひっきりなしに出入りして賑やかである。金目の煮つけ、アジのたたき、かますの刺身、天ぷら、漁師飯のあじぐり茶(どんぶり御飯にあじのたたきを乗せてグリ茶をかけたお茶漬け)を4人で頂く。もちろん生ビール2杯も。
お腹が一杯になったところで、旅館に向かってぶらぶらと歩き、途中の杉山グリ茶店の前に置いてあるサービスの冷たいグリ茶を一服すると、これが美味しかったのでグリ茶を一袋づつ買い求める。キネマ通りを通って文寿堂に立ち寄り、“湯猪”をお土産用に買い、湯の花通りの伊東柏屋本店の喫茶室で名物の蒸しようかんを抹茶で頂いたり、生ビールで喉を潤したりして休憩する。
雨上がりの道をいずみ荘に帰って来ると3時50分で、午後のお風呂タイムである。先ずは大浴場にのんびり浸かり、オレンジゼリーとお茶を飲みながら足裏マッサージをする。
6時半から夕食で、今夜も14品のご馳走をフランス産の赤ワインで頂く。8時から食後の腹ごなしに2階の売店に行き、お土産を選んで買う。
夕方からの雨が激しくなり、雷も鳴って大雨となる。10時前まで4人でおしゃべりをして、息子夫婦が引き上げたところで露天風呂に入る。折からの雨で露天風呂のお湯が止めてあったらしく、水風呂になっていた。あわててやって来た係りの人がお湯を出してくれる。
9月8日(日)曇ム晴れ間ム晴 12,200歩
6時に起きて先ずは露天風呂に入る。今日も初島が綺麗に見えた。朝の散歩になぎさ公園に行き、木下杢太郎の歌碑を見て伊東駅を経由していずみ荘に帰ってくる。雨もなく爽やかな風が吹いていて心地いい散歩であった。
部屋に付いている檜の浴槽にお湯を入れて今朝2回めのお風呂に入る。朝食は8時半から9時過ぎまで12品を頂く。食後息子と交代で初めて太陽の照る中、缶ビールを飲みながら部屋の露天風呂に入り、初島など周りの景色を眺めてのんびりと過ごす。
11時に部屋をチェックアウトすると、ロビーのラウンジで庭園を見ながら、コーヒーやアイスクリームを思い思いに食べたり飲んだりして過ごす。12時少し前に旅館の車で駅まで送ってもらい、荷物をロッカーに預ける。
先ずは湯の花通り商店街のお湯掛け七福神にお湯をかけて、スタンプを集める。七福神とは弁財天、寿老人、毘沙門、大黒天、恵比須、布袋、福禄寿である。お湯をかけたところに置いてあるスタンプを7個集め、願いごとを叶えてくれる千社札を300円でプリクラして、事務所に持って行くと200円キャッシュバックしてくれた。
次は伊東大川の川べりにあり、明治時代に建てられた歴史ある伊東温泉旅館「東海館」を見物に行く。東海館は明治3年に建てられ、平成9年まで温泉旅館として操業していたが、平成13年伊東市の文化施設として新たな観光名所に生まれ変わっている。唐破風の風格のある玄関には旭と鶴の彫物が飾られ、昔の温泉旅館の部屋や大広間、磨き抜かれた階段などの建築美が見事である。低層建物としては珍しく、3階の望楼からの眺望はすばらしく、吹き抜ける爽やかな風も心地いい。
今日の昼食は湯の花通りからちょっと入った所にある割烹ほまれ(http://www.homare.info/)の個室座敷である。この店は伊東港で水揚げされた地物の魚の卸直営店である。刺身の船盛りはいさき、かんぱち、まぐろ、かつお、いせえび、さより、とり貝。かますの塩焼き、きんきと皮はぎの煮付け。それにサービスのさざえの壷焼きをビールや美味しい水で炊いた御飯などで頂く。さすがに新鮮な魚はどれも美味しく、塩焼きの塩加減、煮つけの味付けも申し分ない。
帰りの電車は伊東発2時59分の踊子110号で、5号車のグリーン車にゆったり寛いで、ビールや思い思いの飲み物を飲みながら、今回の旅の思い出を喋っているうちに定刻の4時47分、東京駅に到着した。
東京駅で千葉方面に帰る息子夫婦と分かれ、中央線と京王バスを乗り継いで6時に帰宅した。