2001.6.7〜8
6月7日(木)曇 12,900歩
昨日梅雨入り宣言があり、早速今日はどんよりとした梅雨空である。9時に浜松町の竹芝桟橋から出航するアルバトロス号に乗船するため、7時前に家を出る。京王バス、中央線、山手線を乗り継いで8時10分、JR
浜松町駅に着く。そこからタクシーで桟橋に向かい、8時25分竹芝桟橋着。
予約しておいた乗船券と今日の観光ツアーの切符をもらう。ちなみに、アルバトロス号は全船予約制である。乗船までしばらく時間があったので、コーヒーを飲んで待つ。
アルバトロス号は全長43.2m、総トン数296t、定員300名。船体はカラフルなペインティングで包まれ、アホウドリや海の生物のイラストが描かれている。平均時速69km、35ノットで航行し、大島までの所要時間は2時間20分である。
竹芝桟橋を定時の9時に離岸すると、臨海副都心やレインボー・ブリッジを左手に、日の出ふ頭、品川ふ頭、大井ふ頭を右手に見ながら東京湾を大平洋に向かって進む。この頃は小雨が降っており、雲がたれ込めていて遠くの景色は全く見えない。9時半を過ぎた頃、左手に扇型をしたアクアラインの通気口が見えてきた。そのうち、小さな釣り舟がたくさん群れている釣り場や、大型の貨物船が見えるようになる。東京湾を出る頃から波で船が上下に揺れだした。
11時を過ぎる頃、左手に大島の島影が見え、そのうち海岸線がハッキリ見えるようになった。まもなく汽笛を鳴らして元町港に到着である。
アルバトロス号は11時20分、定刻に元町港に入港する。天候は晴で、三原山や外輪山の景色がまぶしい。予約しておいた観光バスに乗り、山頂口に向かう。乗客は10数名、途中で運転手さんがガイド役をしてくれ、大島や三原山の話を聞かしてくれる。
大島は島周60km、面積は92Fで、山梨県と同じ広さである。東京より120km、伊豆半島より30kmで、島のシンボル、三原山はハワイ島のキラウエア火山、イタリアのストロンボリ火山と共に世界の三大流動性火山と呼ばれている。
11時50分、三原山温泉ホテルに到着し、ここで30分間の昼食となる。食堂の窓越しに三原山やまわりの景色を楽しみながら特産の明日葉づくしの弁当を頂く。大島についてはあんこ椿しか知らなかったが、花では紫陽花、食べ物では明日葉も有名だそうだ。紫陽花は東海汽船やその従業員が育て、観光の目玉になっている。食事が済むとホテルの広場から三原山の雄大な景色を眺めながら、大島の美味しい空気を胸一杯吸い込む。
ホテルを出発すると、標高600mの新火口展望台から元町港を眺め、10分ほどで三原山頂口に到着する。山頂へはここから徒歩で登ることになるが、今日は時間が無く、明日登ることにする。山頂口付近の展望所から外輪山や三原山山頂を眺めていると、西の方から雲が出てきて、見る見るうちに山頂が隠れてしまった。
山頂口を13時10分発の観光バスで、昭和61年に出来た新火口、割れ目火口に立ち寄り、アジサイ・レインボウラインでバスの窓から3万株の紫陽花の花を楽しむ。ここの紫陽花は花が小さいが、群生していてきれいだ。
山頂口を出発して20分程で島の東側にある大島公園、動物園に到着する。11.4haの広大な公園を歩いていると、突然樹上の猿に威嚇される。どうやら猿の領域に迷い込んだらしい。公園の売店のあんこさんに薦められて明日葉アイスを初体験する。あんこさんとはお姉さんのことだそうである。
バスは椿のトンネルを通り、岡田港を見下ろしながら郷土芸能館に向かう。郷土芸能館では20分ほど迫力万点の御人火太鼓とあんこさんの踊りを見物する。
観光バスで元町港に戻り、15時20分に到着する。今日のツアーはこれまでで、日帰りの人は16時30分発のアルバトロス号で帰るが、我々は港から見える今夜の宿である大和館に向かう。
大和館は徒歩で3分足らずの所にあり、展望露天風呂が売り物である。案内された部屋は五階で、港や海が見え、眺望が良い。
部屋に荷物を置き、元町港付近の見物に出かける。港の近くには浜の湯と呼ばれる露天風呂や、流罪になった源為朝の館跡などがあり、明後日の9日に行われるトライアスロン大会の準備が進んでいた。岸壁から港を眺めていると、アルバトロス号が出航していった。
驚いたことに、アルバトロス号が出航すると、5時前だというのに付近の土産物屋や食堂は店じまいである。どうやら明日の朝まで船は入港せず、お客も無いらしい。店が閉まると急に辺りが静かになり、我々もホテルに引き上げる。
屋上の露天風呂はホテルの売り物だけあって、見晴らしが良い。しかし今日は風が強く、景色を眺めていると寒くなる。それでもまわりを良く眺めていると、はるか彼方の海上に利島の姿が見えてきた。天候によっては三宅島も見えるらしい。今日の客は我々一組とのこと、のんびりと露天風呂を独り占めして贅沢をした気分である。
夕食は海の幸、山の幸で満足したが、おかみさんがつばきの油でその場で揚げてくれた明日葉のてんぷらはたいへん美味しかった。
今日は天候が悪く、予定していた星空ウオッチングのナイトバスツアーも中止になった。
6月8日(金)曇 20,800歩
降っていた雨も止んで、曇空となった。屋上の露天風呂から利島は見えたが、山側は霧である。焼き立てのあじの干物などでご飯のお代わりをし、喫茶室で淹れたての美味しいコーヒーを味わう。
荷物をフロントに預け、9時40分発の山頂口行きのバスに乗る。山頂口に着いてみると、霧で何にも見えない。しばらく食堂や土産物屋で様子を見ていたが、事態は好転しそうにない。20分ほど歩いて、昨日立ち寄った割れ目火口に行き、溶岩の散策路を歩きながら、元町港や飛行場などを眺め、アルバトロス号の入港を見守る。
山頂口に引き返したが、まだ霧が立ち込めている。行けるところまで行くことにして、10時50分三原山山頂に向けて出発する。霧で視界は良くないが、雨ではないので40分ほどで山頂に着く。霧で付近は何も見えない。三原山神社の鳥居をくぐって、神社にお参りし、火口展望地に行くが、火口は全く見えない。霧の中を山頂口まで降りる途中で、おばあちゃん二人ずれに会った以外は登山する人はいなかった。山頂口まで下りると、辺りは明るくなったが、山頂は相変わらず霧の中である。食堂でお土産に買った椿の実と蘇鉄の実のキーホールダーに名前を手彫りしてもらいながら、明日葉そばについている明日葉のてんぷらでビールを頂き、2時発のバスで元町港に下りる。
港の近くの吉谷神社や海中寺を見物し、元町港待合所二階の塩ラーメン・イシズチ丸で、明日葉おむすびで生ビールを頂く。
アルバトロス号は16時30分に元町港を出港し、16時45分には大島沿岸と別れ、一路北上する。17時30分には右手に房総半島が、その5分後にはのこぎり山が見えてくる。18時10分には右手に海ホタルやアクアラインの通気口ガ、左手には川崎市の工場地帯が見えてくる。レインボウ・ブリッジが見えると、間もなく竹芝桟橋に定刻の18時50分、入港する。
JR 浜松町駅まで歩き、山手線、中央線、京王バスを乗り継いで、8時30分に帰宅する。