岡山、倉敷の旅

2001.4.2〜3

4月2日(月)晴 25,700歩
7時43分東京駅発のひかり143号で岡山に向かう。
東京駅の16番線ホームでサンドウィッチとコーヒーを買うつもりで売店をのぞく。コーヒーは270円、ビールは500ml で300円。ビールを買いたかったが、朝からビールは気が引けていたところ、前のお兄さんがひょいと缶ビールをつかんだので、ためらわずにビールにした。
岡山着は11時53分。快晴の岡山に降り立つと、真夏のように暑い。先ずは荷物を駅のロッカーに預け、身軽になる。駅前から、路面電車の通る桃太郎大通りをゆっくり歩いて岡山城に向かう。岡山シンフォニーホールを右手に見て、旭川沿いを右に折れ、川沿いの道をしばらく行くと、岡山城である。
烏城と呼ばれる、下見板が黒く塗られたこの城は、南北朝時代の14世紀頃からあったらしいが、本格的な築城は16世紀末、宇喜多秀家によってなされ、江戸時代は池田氏の居城であった。現在のお城は昭和41年鉄筋コンクリート造り、3層6階建てで再建されたものである。入城料と高杉晋作展を合わせて800円を払い、途中までエレベーターで登り、そこから階段で最上階に登ると360度のパノラマで岡山平野や市街が一望出来た。城内の喫茶店でコーヒーの中に小豆アンを入れて飲む小豆コーヒーは珍しく、美味しいらしい。
岡山城の下を流れる旭川に架かる月見橋を渡ると、日本三大庭園の一つ、後楽園の南入り口である。広い芝生と池が美しいこの庭園は貞享3年、時の備前藩主池田綱政が創案し、14年後の1700年(元禄13年)に完成した。殿様は岡山城から船でこの庭園にお越しになったと言う。水戸の階楽園、金沢の兼六園と共に日本三大名園に数えられる。能舞台の裏側にあるしだれ桜が、満開の花を池に写していたところは大変きれいで、感動した。
表町商店街のアーケード街から横丁に入ったところに、郷土料理の店、一丁がある。ここで昼食に岡山名物のバラ寿司を食べる。バラ寿司とはちらし寿司の上に海老、アナゴ、ままかり、れんこん、椎茸、竹の子などが豪華に飾られ、一人前1800円である。シャコの酢の物と生ビールも美味しかった。
お腹が一杯になったところで、放送会館の裏、お堀端に面した門構えがすばらしい、旧家の昔が忍ばれる林原美術館を訪れる。ここは旧岡山美術館で、国宝に指定された太刀二振りのほか、平安時代から江戸時代に至る刀剣、甲冑、刀装具などの重要文化財級の鍛えられた美術品に囲まれて身が引き締まった。
岡山駅に引き返すと、JR の在来線で15分、16時42分倉敷駅に到着する。駅の北側にはデンマークのチボリ公園をモチーフにして1997年にオープンした倉敷チボリ公園が見えるが、今回の旅は駅の南側にある美観地区の散策が目的である。
倉敷駅の南口から南に向かって中央通をぶらぶら歩いて約10分、信号にして3、4個のところの左側に橋香堂という備前焼きの店がある。この信号で左手に入ると、倉敷川沿いに白壁の倉屋敷が並ぶ。倉敷川に架かる橋の向こうに現在の大原邸とモダンな建物の倉庫が見える。橋の手前は大原美術館の入り口である。川沿いに並んでいる倉屋敷は、江戸時代幕府の天領として栄えた面影を今も伝え、柳並木と白壁が美しい光景を生んでいる。倉敷川を挟んだ両側の美観地区に十数カ所の美術館や記念館などの観光スポットがある。
倉敷館の一角にある観光案内所の前の橋を渡り、川沿いに並ぶ土産物屋の間の細い路地を進むと、目の前にツタに覆われた赤れんが造りのアイビースクエアがあらわれる。ここはもと倉敷紡績の跡で、工場の建物をそのまま利用し、ホテルや記念館などに生まれ変わっている。今日の宿はこのアイビースクエア・ホテルで、チェックインすると2階建ての2階の部屋に案内される。落ち着いた静かなホテルで大浴場もあり、家族ずれも多い。古いものと新しいものがうまく調和した雰囲気をかもし出していた。
日が暮れかかる頃、白壁の家並みを眺めながら、細い路地裏を訪ね歩き、倉敷ステーションホテルの地下にある、<白壁>のカウンターに落ち着く。瀬戸内海の海の幸と季節の料理を地元の酒で頂き、最後に握り寿司で締めくくる。たこと小芋の煮つけは大変美味しかったが、ままかりはいまいちであった。
アイビースクエアの売店で暖簾や倉敷銘菓のむらすずめなどの買い物をして、部屋で浴衣に着替え、大浴場でのんびり汗を流す。むらすずめは夜食に食べたが、大へん美味しかった。

4月3日(火)晴 19,200 歩
昨日とはうってかわって寒い。朝飯前の散歩に出かける。先ずは、東町の古い白壁の町並みで、軒先きにガス灯のような街灯を見つけ、歴史のにおいを感じた。櫛形公園や阿智神社を散歩して、倉敷川に架かる中橋のたもとに人力車が客待ち顔で止まっていた。
ホテルのレストラン、<アイビー>で朝食をしようと立ち寄ったが、朝食バイキングの時間で、仕方なくコーヒーだけの朝食となる。
ホテルに荷物を預け、世界の名画の複製や吉備路の紹介を展示してあるアイビー学館や土産物屋を見物しながら大原美術館に向かう。
大原美術館は本館のほか、工芸館、東洋館、庭園の新渓園をはさんで分館がある。9時の開館であるが、9時半にはかなりの入館者である。驚いたことに、65才以上は入館料が無料である。展示物はモネ、シャガールから棟方志功など幅広く、多彩でボリュームも多く、一日でも時間が足りない程である。
遅い昼食を、駅ビルの<みつば>で郷土料理、煮物、酢の物やてんぷらなどのみつば定食と祭り寿司を生ビールで頂く。
倉敷発14時56分のJR 山陽本線で広島に向かう。
←後楽園・岡山

    倉敷川・倉敷市美観地区


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