北安曇野の旅

2000.8.28〜30

青春18切符でJR各駅停車の旅をしました。
東京薬業健保組合の大町山荘に2泊して、
中部山岳国立公園の大町、黒部、栂池を
のんびり旅しました。

8月28日(月)曇 12,600歩
 曇空の朝、7時40分の立川バスで国分寺駅に向かう。
7時59分発の高尾行電車は高尾に7時30分到着、16分の待ち合わせで8時46分高尾発、
小淵沢行きの電車に乗り、約1時間40分程で甲府に到着する。大月を過ぎた辺りから車窓の両側にブドウ畑の風景を見ながら、この電車を甲府で下車する。甲府での待ち合わせは約30
程あり、駅ビルの中や駅の前あたりを見物し、昼食の弁当を買ってホ−ムに入線していた甲府発、長野行の電車に乗る。甲府駅を10時58分に発車した電車は両側に夫々座席がベンチ式に並んでおり、弁当やビ−ルを食べたり飲んだりするにはなんとなく落着かない。小淵沢を過ぎた辺りで、山梨県から長野県になる。長野県ではすでに2学期が始まっているらしく、学校帰りの生徒があちこちで見受けられた。聞くところによると、冬が寒く長いので冬休みの期間が長く、その分夏休みは短いとのことである。
 電車は12時48分に松本駅に到着し、8分の待ち合わせで大糸線に乗り換える。2両編成の松本発、信濃大町行の電車は12時56分に出発すると、安曇野の中の単線の線路を北に向かって進んで行く。天候が良ければ車窓の左手にアルプスの山々が見えるはずであるが、あいにくの空模様で目を凝らしてみても霞んだ雲のみで山の姿は見えない。車窓の両側ではリンゴが色き、ススキの穂が揺れ、秋の花々が駅のホ−ムや農家の庭先をかざり、秋の気配が漂ってる。
 甲府で買った弁当を食べたりしていると、1時間がアッという間に過ぎ、13時59分に標高712mの信濃大町駅に到着する。
 駅のロッカ−に荷物を預け、駅前の茶房<かじか>でコ−ヒ−と名物の小倉ト−ストを頂きながら休憩していると、山から下りてきた団体客が15人ほどどやどやと入ってきた。どうやら常連さんらしく、登山客の人気スポットらしい。
 身軽になったところで木崎湖、中綱湖、青木湖の仁科三湖を訪れる。信濃大町駅から大糸線で左手に木崎湖を見ながら約15分の簗場駅に降りる。駅前の橋が中綱湖の南端である。
 中綱湖の東岸を北に向かい、しばらく歩くと塩の道に出る。塩の道は糸魚川と松本を結ぶ全長120kmの千国街道のことで、仁科三湖では湖の西岸を通っている。塩の道に出たところから、道の右側に周囲6.65kmの青木湖が見えてくる。
 湖面の標高は822m、最大水深58m、透明度は日本第2位の8mである。静かな湖面にはヨット数隻浮び、釣り人をときどき湖岸に見る程度で、のどかな風景である。近くのボ−ト乗り場で引き返し、堂崎観音を過ぎるとまもなく中綱湖の西岸である。この辺りはトレッキングコ−スになっているが、釣り人以外は殆ど通っていない。中綱湖の西岸に沿って塩の道を15分程行くと湖面を見渡せる釣り場が現れる。
 中綱湖は湖面の標高815m、周囲2,2km、最大水深13mで岸辺から魚影が見え、周囲の山々が湖面に映る景色は素晴らしい。中綱湖の南端で塩の道とわかれ、橋を渡ると簗場駅である。時間が無くなったので木崎湖は電車から見ることとし、簗場駅発16時46分の電車で信濃大町到着は17時であった。信濃大町駅のある大町市は人口3.1万人余の立山黒部アルペンル−トの基地の街として知られている。街には色々な博物館があり、ざっと数えて13館は下らないだろう。
 駅前からタクシ−で東京薬業健康保健組合の大町山荘に向かう。地図では駅から近いようだったが、20分程かかって静かな別荘地の中に佇む大町山荘に到着した。
 この山荘に今日と明日の2泊の予定である。夏休みも終りに近づいたこの時期でも子供連れや家族旅行の人々で二日共ほぼ満室の模様で、食堂も席の空きがない程なのには驚いた。ゆっくり風呂に浸かって、6時から夕食である。ビ−ルと赤&白ワインで7時半まで美味しい料理を堪能する。
  夕食のメニュ−; 刺身、ぜんまいの煮付け、酢の物、糸南京の酢の物、天ぷら、チャ−シュ−、
           魚の笹の葉巻、冷やしとろろ汁、ご飯、漬物。

8月29日(火)晴 19,900歩
 6時に起床する。風呂に入って、山荘の回りを散歩する。7時から朝食が始まり、7時半には部屋に引き上げ、出発の準備をする。今日は黒部湖に行く予定で、昨日ビュ−でバス・トロリ−のク−ポン券を買っておいたので、バス乗り場のある大町温泉郷まで歩くことにした。
 山荘の支配人が丁寧に教えてくれた田舎道を15分程歩き、大町アルペンラインに出て5分程で温泉郷のバス停に到着した。大町駅始発の扇沢行きのバスはほぼ満員となり、9時15分過ぎに出発する。バスは大町アルペンラインを25分程走り、9時40分には標高1,433mの扇沢に到着した。
 立山・黒部アルペンル−トはここからトロリ−バス、地下ケ−ブル、ロ−プウェイ等を乗り継いで、富山県の立山に出る。関電トンネルトロリ−バスは扇沢を出発すると、6.1kmの地下トンネルを16分で標高1,470mの黒部ダムに到着する。トンネルの中はひんやりして肌寒い。
 ダムは放流中で2個の放水口から勢い良く水が放水され、辺りにはきれいな虹を見ることが出来、しばし感動する。ダムのえん堤を歩いて黒部湖の地下ケ−ブル駅を過ぎ、左に折れて黒部湖畔をしばらく行くと、つり橋の手前に黒部湖の遊覧船の建物がある。
 遊覧船ガルベ(garve)号は約30分で黒部湖を周遊する。11時発のガルベ号はほぼ満員で、デッキから回りの景色を見ていると、立山三山が雲の間にうっすらと見え、黒部平から大観峰ヘのロ−プウェイが豆粒のようだった。
 再びダムのえん堤の上から放流による虹を眺めながら1,508mの展望台に登り、かすかに見える立山三山や2,512mの東一ノ越等の山々を眺め、黒部のおいしい水を飲み、ボトルに入れて水割りの水用に持ち帰る。
 13時05分発のトロリ−バスで扇沢に向かい、扇沢のレストランで信州そばとラ−メンの昼食を生ビ−ルで頂き、14時30分発のバスで大町温泉郷に降り立つ。バス停のすぐ前にある大町郷土玩具博物館の日本全国の玩具を集めた展示品を1時間弱見物し、田舎道を20分程歩いて大町山荘に4時頃到着する。今日も一人で広い湯船に浸かり、のんびりと疲れを癒す。
 6時から夕食である。今日はビ−ルと赤ワインで食事を済ませたが、横を見ると日水製薬の古河さん
一家が食事を終えたところで、ロビ−で再びビ−ルを飲みながら積もる話となる。
  朝食のメニュ−; オレンジジュ−ス、ノリ、塩鮭、山菜、温 泉卵とソ−メン、アスパラの           ベ−コン巻、生野菜、味噌汁、 漬物、ご飯。
  夕食のメニュ−; いぎすの酢の物、山菜、刺身、煮豚、天ぷ ら、川魚のうま煮、味噌汁、           漬物、ご飯。

8月30日(水)晴 17,300歩
 朝6時、鳥の鳴き声と共に起床し、朝風呂に入る。朝食の時間を30分早くお願いして7時から食べる。
 朝食のメニュ−; リンゴジュ−ス、卵焼き、ノリ、ホッケの塩焼き、ウインナ−、生野菜、
          味噌汁、漬物、ご飯。
 朝食を済ませると早々に支払をし、7時半支配人の車で山荘を出発し、信濃大町駅に8時前に着く。
 信濃大町駅発8時10分の電車で大糸線を下り、白馬駅に8時51分到着、駅のロッカ−に荷物を預ける。ここから松本電鉄バスの栂池線に乗換え、白馬駅前を9時丁度に出発し、栂池高原の中心地である親の原のバス停に9時23分到着となる。バス停から歩いて栂池パノラマウェイの駅に向かい、6人乗りのゴンドラ、イブで20分空中パノラマを楽しむと栂の森駅に到着する。この辺りには無数のスキ−用リフトが点在し、スキ−シ−ズンの賑やかさを思わせる。ゴンドラを降りて、3分程歩くと、栂池ロ−プウェイの70人乗りのゴンドラが待つ栂大門駅である。
 満員のゴンドラに乗り込んで、6分程で標高1,829mの自然園駅に到着する。
 栂池自然園は白馬乗鞍岳の中腹、標高1,900m付近にあり、総面積100haの高層湿原である。ロ−プウェイの駅からビジタ−センタ−ヘ歩き、案内板に従って全長約6km木道を歩くと3時間程で一周する。今日は時間が限られているので水ばしょう湿原、ワタスゲ湿原等で色々な種類のリンドウの花を見て歩き、わずかに紅葉したナナカマドの赤い色に秋を感じた。楠川を渡り、浮島湿原の入口を見て引き返し、標高1,870mにある風穴の冷気で涼む間もなくビジタ−センタ−への道を急ぐ。
 自然園駅発12時丁度のゴンドラに乗り、イブに乗り換えて下りて行くとパラグライダ−が空を舞っていた。栂池自然園のバス停付近は夏休みも終わりに近いこともあって、休みの店が多く、昼飯も食べずに12時54分発のバスで白馬駅に向かう。
 電車の待ち合わせ時間に、白馬駅前の二階の喫茶店でト−スト、ビ−ル、コ−ヒ−の軽い昼食をし、白馬発13時38分の松本行電車で、松本着は15時27分であった。白馬から安曇野辺りまでは車窓の右手にアルプスの山並みがぼんやり見えていたが、穂高に近づくと常念岳がはっきり見えるようになる。
 松本発15時39分の中央線小淵沢行は通学の学生さんで満員になり、途中で夕立に会いながら16時58分に小淵沢駅に到着する。13分の待ち合わせで、甲府行の電車に乗り、ホ−ムで買ってきた駅弁を食べながら、左の車窓から八ヶ岳を眺め、ビ−ルを飲んでいると甲府駅に到着する。
 甲府での待ち合わせは16分でその間にトイレを済ませ、駅弁と寿司それにビ−ルを買って待つ、間もなく立川行の普通列車の入線である。
 甲府を出るころから夕闇となり、駅弁を食べているといつの間にか真っ暗で、家々の明かりがきれいに目立つようになった。立川到着は19時54分、白馬を出て約6時間20分の普通列車の旅であった。
 立川から中央線快速電車に乗り、武蔵小金井駅で京王バスに乗換え、午後8時30分に帰宅する。


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