健康ニュース
2022.Mar.
孝は百行の本、衆善の始まり
全ての行いの基となるもの、もろもろの善の始まりとなるものは、親に孝を尽くすことである。
2021.Oct.
コロナウイルス = SARS-CoV-2 の 変異株と検出場所
アルファ株(α) 2020年9月 イギリス
ベータ株(β) 2020年5月 南アフリカ
ガンマ株(γ) 2020年11月 ブラジル
デルタ株(δ) 2020年10月 インド
ラムダ株(λ) 2020年12月 ペルー
ミュー株(μ) 2021年1月 コロンビア
【監視中の変異株(VUM)】
イプシロン株(ε)2020年5月 アメリカ
イータ株(η) 2020年12月 複数の国
イオタ株(ι) 2020年11月 アメリカ
2021.Sep.2
アジア版 NATO → クアッド
日本、米国、オーストラリア、インドの4カ国による外交・安全保障の協力体制「日米豪印4カ国戦略対話(Quadrilateral Security Dialogue)」はインド太平洋地域での中国の軍事的・経済的な影響力の拡大に対抗する非公式な枠組みとして、2019年に発足した。外交・安全保障にとどまらず、インフラ整備、テロ対策、サイバーセキュリティ、新型コロナウイルス感染症対応、気候変動対策などの幅広い分野においても協力・協調していくとしている。
2021.Sep.
マスクの要らないところ
4月初め、米国ワシントン大学の気候学者クリフ・マスは温暖化人為説を研究する学者。大気中の2酸化炭素の濃度を測定する装置を持っていて、それで週末の公園など人が多い屋外でCO2濃度を測ってみた。そこの空気中に人の吐息が混じっているとCO2濃度が高めになる。吐息が混じっていると、そこの空気中に感染者が発したコロナウイルスが存在し、他人に感染する可能性がある。逆に吐息が全く混じっていなければ、そこの空気からコロナ感染のおそれはない。人が全くいない屋外でのCO2濃度は415ppmで、これが大気の基準値だ。人がいるが換気されている飲食店内の濃度は520ppm、混雑するスーパーマーケットでの濃度は830ppmだった。 基準値を把握した上でマスは、晴れた土曜日に、シアトル市内の混雑する自然公園を歩きながらCO2濃度を測定していった。すると、どこでも濃度は400ppmしかなかった。バーベキューを楽しむ大勢の人々の間にも分け入って奇異の眼差しを向けられつつ測定したが400ppmだった。バーベキューの炭火の近くだけ、火がCO2を排出しているらしく420ppmだったが、それだけだった。屋外を歩いている限り、他の人々の吐息が含まれた大気に包まれることはないとわかった。
2021.Apr.
病名はCOVID-19、ウイルス名はSARS-CoV-2
WHO新型コロナウイルス感染症の正式名称を「COVID-19」とすると発表した。コロナウイルス感染症と感染者が報告された2019年を組み合わせたもの。 COVID-19の「CO」は「corona」、「VI」は「virus」、「D」は「disease」の意味となる。 ウイルス名については、国際ウイルス分類委員会(International Committee on Taxonomy of Viruses:ICTV)がSARS(重症急性呼吸器症候群)を引き起こすウイルス(SARS-CoV)の姉妹種であるとして「SARS-CoV-2」と名付けている。
2021.Mar.
新型コロナワクチン、無症候性感染者を94%予防
米国・Pfizer社などは、イスラエルでの集積データから同社が製造する新型コロナウイルス感染症のmRNAワクチン(BNT162b2)の新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の発症や入院、死亡を予防する効果は、症候性の場合で少なくとも97%、無症候性の場合で94%だったことを3月11日付けのプレスリリースで発表した。また、今回のデータ解析からワクチン接種を受けていない人は症候性の新型コロナを発症する可能性は44倍高く、新型コロナが原因で死亡する可能性は29倍高いことも示唆されたという。
2021.Mar.
武漢発新型コロナウイルスの感染リスク
COVID-19感染者の2割が全感染の8割を引き起こし、感染の半数は無症候性または発症前の患者からと推定されている。無症状の感染者によって感染が拡大するリスクが高く、リスクの高い行動を周知することは依然重要となる。
米国において2020年半ばに外出禁止令が緩和された後、10州においてCOVID-19の検査を受けた18歳以上の成人を対象とした。検査時に有症状だった332例が登録され、最終的に314例を対象に電話調査を実施し、発症前14日間の行動を聞いた。
「感染者との接触歴なし」群で、COVID-19感染との関連が認められた行動は以下の2つであった。
・バーまたはカフェの利用
・レストランでの食事
調査チームは、バーやカフェ、レストラン利用者の感染リスクが高いのは、マスクをし続けることが難しく、無症状の感染者に長時間接触するリスクが高いためだろうとしている。
2020.Oct.
新型コロナウイルスで重症化を予測
武漢発新型コロナウイルス(COVID−19)で重症化を予測できる可能性のある5つのバイオマーカーが米国ジョージワシントン大学で発表された。対象としたバイオマーカーはIL(インターロイキン)―6、Dダイマー、C反応性蛋白(CRP)、LDH(乳酸脱水素酵素)、フェリチンの5つである。
2020.Sep.
武漢発新型コロナウイルス
武漢発新型コロナウイルスはアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体を介して細胞に侵入することが明らかになっており、
ACE阻害薬とARB(受容体拮抗薬)が重症化(院内死亡、ECMO使用、人工呼吸器使用、ICU入室)を抑える効果があることが横浜市立大学の研究で明らかになった。
2020.Jan.
チョコレートは認知機能を向上する
チョコレートを毎日食べると、神経成長因子(NGF)というタンパク質が増加し認知機能も向上するという研究結果が報告された。しかもチョコレートの摂取を中止したのちもしばらく認知機能が高い状態が持続される。
島根大学医学部環境生理学の住吉愛里氏らの研究によるもので、「Nutrients」11月16日オンライン版に掲載された。
2019.Dec.
禁煙と認知症リスク
喫煙は認知症の危険因子として知られているが、禁煙によってリスクは減少するのだろうか。米国・ジョンズホプキンス大学の研究では、禁煙は認知症リスク減少に有益ではあるものの、禁煙期間に依存することがわかった。本研究では、禁煙後9年以上経過した場合に認知症発症との関連が消失し、認知症リスクを減らすためには中年早期に禁煙する重要性が示唆された。Journal
of the American Geriatrics Society誌オンライン版2019年11月1日号。
2019.Oct..
アスピリンにより頭頸部のがん患者の生存率が延長
家庭常備薬である低用量アスピリンやその他の抗炎症薬が、頭頸部がんおよび肺がん患者の生存率を延長させる可能性が、米ロズウェルパーク総合がんセンターなどの新たな2件の研究により示された。 非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は抗炎症作用、解熱作用および鎮痛作用を有する薬物の総称で、低用量アスピリンが最もよく知られている。NSAIDはまた、血小板凝集抑制作用を持つため、心筋梗塞や脳梗塞といった心血管疾患リスクを低下させるために処方されることが多い。
2019.Sep-2.
電子タバコ仕様でも肺気腫に至る肺の損傷が起こる
「リキッド」を加熱して発生させた蒸気を吸い込む電子タバコ(ベイパー)を常用すると、通常の紙巻きタバコと同様に、肺気腫につながる肺損傷が引き起こされる可能性があることが、米ノースカロライナ大学の研究で明らかになった。それによると、非喫煙者と喫煙者、さらに電子タバコ使用者の計41人の肺から採取した胸水の検査を実施した。その結果、喫煙者と電子タバコ使用者ではいずれも、肺気腫の前兆とされるプロテアーゼ酵素の濃度上昇が認められた。肺の細胞でプロテアーゼが慢性的に過剰産生されると、「肺胞」と呼ばれる繊細な組織がダメージを受ける。喫煙者では、このような肺の損傷が原因で肺気腫につながると考えられている。肺気腫は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の一つで、徐々に息切れが悪化するが、現在のところ治癒に導く治療法はないという。
詳細は「American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine」8月7日オンライン版に発表された。
2019.Sep.
スマホ自撮りで血圧測定
スマートフォンで自分の顔の動画を撮影するだけで、簡単に血圧を測定できる技術をカナダ、トロント大学の研究者が開発した。経皮光学イメージングと呼ばれる新しい技術で、この技術を使えば皮膚を透過する光とスマホの光学センサーを用いて、スマホで撮影した顔の動画から血流のわずかな変化を捉えるものである。この方法では顔の血流パターンから「嘘」を見抜くこともできるらしい。
2019.Aug.
中年期から初老期の肥満で脳の老化が早まる
中年期から初老期にかけて過体重や肥満だった人は、脳の老化が10年以上も早まる可能性があることが、米マイアミ大学医学部のMichelle
Caunca氏らの研究から明らかになった。この期間中にウエスト周囲長が大きく、体格指数(BMI)が高い人は、加齢に伴い、記憶や思考などで重要な役割を果たす大脳皮質(灰白質)の厚さが薄くなる確率が高まることが分かったという。研究の詳細は「Neurology」7月24日オンライン版に掲載された。
2019.July.
砂糖入り飲料が癌のリスクを増大
砂糖入り飲料の消費は、全がんおよび乳がんのリスクを増加させ、100%果物ジュースも全がんのリスクと関連することが、フランス・パリ第13大学の調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2019年7月10日号に掲載された。
砂糖入り飲料の消費は最近10年で世界的に増加しているという。砂糖入り飲料と肥満リスクには明確な関連が認められ、肥満は多くのがんの強力なリスク因子とされる。
人工甘味料入り飲料の消費は、がんのリスクとは関連しなかったが、全サンプルに占める消費の割合が相対的に低かったことから、統計学的検出力が不十分であった可能性がある。
ニュージーランドなど世界の国々で砂糖入り飲料に「砂糖税」を課税する動きが出ている。
2019.Jun.
口ひげには口唇癌の予防効果がある
口ひげは、男らしさを演出できるだけでなく、思わぬ健康効果をもたらすようだ。米カンザス大学Daniel
Aires氏らによる研究で若い頃から口ひげを生やしている男性は、そうでない男性に比べて口唇がんの発症につながる日光角化症になりにくい可能性があることが示された。
毛髪に頭皮を守る働きがあるように、口ひげにも同様に唇を保護する効果があるようだ。しかし、今回こうした効果が科学的に初めて検証された。
そういえば、暑い中東では髭を生やした男性が多いようだ。
2019.Jun.
電子タバコの使用でインフル感染のリスクが増加する
インフルエンザウイルスへの感染を防ぐには、咳やくしゃみをしている人から遠ざかる以外にも、電子タバコの使用をやめた方がよいかもしれない。ノースカロライナ大学の研究によると電子タバコを使用すると、男性よりも女性の方がインフルエンザに罹りやすい可能性があるという。電子タバコの使用者は紙巻きタバコと同様にウイルスに対する免疫反応の調節不全や感染症やワクチンに対する感受性を高める可能性があることがわかった。
2019.May.
オプジーポの副作用
ガンの特効薬として華々しく登場したオプジーポについて重大な副作用が報告された。厚生労働省は9日、免疫の仕組みを利用したがん治療薬「オプジーボ」を投与された患者11人が、副作用とみられる脳の機能障害を発症し、うち1人が死亡したとして、製造元の小野薬品工業(大阪市)に、薬の添付文書に重大な副作用として追記するよう指示した。
機能障害が起きたのは脳の下垂体で、成長ホルモンや性ホルモンなどの分泌に関わる部位。オプジーボの添付文書の「重要な基本的注意」に下垂体機能障害を追記し、投与中は定期的に下垂体の機能を検査するよう求めた。
2019.Apr.
ぺットと肺がんの死亡率の関係
わが国でもペットを飼っている人は多く、ここ数年はネコがイヌを上回っている。今回、米国ジョージアサザン大学の研究者らは、18年間の追跡調査で、ネコを飼っている女性は飼っていない女性に比べ、肺がん死亡率が2.85倍と有意に高かったことを報告した。ペットによるこの影響は、喫煙やアトピー性疾患と交絡しないとのことである。
2019.Mar.
血液1滴で13種の癌を同時診断
血液中に含まれるマイクロRNA(miRNA)をマーカーとして、13種類のガンを同時に診断する検査システムの開発が進み、実用化が近づいている。miRNAはがん細胞の発生初期から血液中を循環するため早期の診断が期待できる。13種の癌とは胃がん、大腸がん、食道がん、膵臓がん、肝臓がん、胆道がん、肺がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、膀胱がん、神経膠腫、肉腫で、これらの癌は日本人に多い。
2019.Jan.
衰えない肉体、寿命150歳への道
米ワシントン大学の今井真一郎教授らが老化を抑える働きをする長寿遺伝子を発見した。この遺伝子がつくる酵素がカギを握る。誰にでもある酵素だが加齢で次第に機能しなくなり、老化するとみられている。この物質を大量生産することにも成功したが、人が摂取した場合の効果については現在研究中である。
2018.Sep.S
たった一晩の睡眠不足が肥満の原因に?
たった一晩でも睡眠不足になると肥満の原因になるメカニズムの一端を解明したと、米ノースウエスタン大学がScience Advances
8月号オンライン版に発表した。健康な男性が一晩徹夜するだけでも、骨格筋は分解されて、脂肪が体に貯め込まれることが遺伝子レベルの解析で示唆された。
2018.Sep.
ミョウガを食べよう
ミョウガはつぼみに葉っぱ、茎まで食べれます。私たちが普通食べているあのコロンと丸いミョウガは、ミョウガの花のつぼみの部分。地上に茂っている葉の部分ではなく、土中に伸びた地下茎から直接つぼみが出てくるのを摘み取ります。 ミョウガの香りは森林浴と同じ効果があり、あの独特の香りの正体は「α-ピネン」という香り成分で、ストレスの緩和をはじめ、循環の改善、免疫機能の改善などの効果があるといわれます。この「α-ピネン」は、樹木が発散する「森林揮発性物質」にも含まれていると言われています。
2018.July.
歩数と健康指標
10,000歩 メタボの予防
9,000歩 体力低下の予防
8,000歩 サルコペニア(筋肉量減少症)の予防
7,000歩 骨粗鬆症の予防
6,000歩 動脈硬化の予防
5,000歩 生活の質(QOL)低下の予防
4,000歩 閉じこもり・うつ病の予防
(青柳幸利.高齢者の身体活動と健康に関する研究.より)
健康のためにやたらと長く歩けばいい、というものではないらしい。
2018.May.
トウガラシで激しい頭痛、脳動脈に異常も
トウガラシを食べると救急科を受診しなければならないレベルの激しい頭痛が起こる可能性があることを、覚えておいた方が良いかもしれない。トウガラシを食べるコンテストに参加した男が、世界で最も辛いとされている種類のトウガラシを食べた後に「雷鳴頭痛」と呼ばれる激しい頭痛に苦しんだとする報告書が「BMJ
Case Reports」4月9日オンライン版に掲載された。CT検査では脳動脈の一部の攣縮が認められ、男性は可逆性脳血管攣縮症候群(RCSV)と診断されたという
。
2018.April.
ウエアラブルデバイス
歯に貼り付けるだけで食べた物や飲んだ物を識別するセンサーチップを搭載した超小型のウェアラブルデバイスが開発された。このデバイスを歯の表面に装着すると、摂取した食物や飲料に含まれるグルコースや塩分、アルコールの情報が無線で携帯型デバイスなどに送信されるという。 今回、開発したのはわずか2mm四方の超小型デバイス。このデバイスは凹凸のある歯の表面にもぴったりと貼り付けることができるしなやかな素材でできているという。デバイスの中心部には栄養素やさまざまな化学物質を吸収する「生体反応層」があり、これを二種類の四角形のリング状になった金の層がはさんだ三層構造。これらの層は小さなアンテナのように電波を送受信する
。
2018.March.
ビタミンDのがん予防効果を日本人で確認
血中ビタミンD濃度が高い集団は男女とも、がん全体の罹患リスクが低いことが、日本人を対象に国立がん研究センターの研究で示された。ビタミンDは、さまざまな抗腫瘍性の特性を持つ強力な生物活性化合物の前駆物質として、がんの予防効果をもたらすとの説がある。血中ビタミンD濃度が上昇すると、大腸がんや肺がんの罹患リスクが低下する傾向がみられることが報告されているが、他の部位のがんやがん全体のエビデンスには一貫性がなく、アジア人のデータは十分でないという。今回の報告ではほぼ全ての部位の罹患リスクが低下傾向を示した。
2017.Jul.
フルーツ摂取量が多いほど喘息や鼻炎を予防:日本の小学生
日本の小学生を対象とした研究で、フルーツの摂取量が多いほど、呼吸器アレルギー症状を予防できる可能性があることが、滋賀県立小児保健医療センターの楠隆氏らによる研究で明らかになった。Pediatric
allergy and immunology誌。
食事パターンがアレルギー予防と関連するという報告がある。そのため、著者らは、滋賀県近江八幡市のすべての小学校において、前向きコホート研究を実施した。
・10歳時の喘息、鼻炎、その他アレルギー症状の有病率は、フルーツ摂取量の増加に伴って有意に減少した。
・さらに、調査期間中のアレルギー症状の発症は、フルーツ摂取量の増加に伴い、有意に減少した(低摂取群33.3%、中摂取群28.3%、高摂取群14.3%)。
・10歳時のブタクサに対する感作率は、フルーツ摂取量の増加に伴って有意に減少した(p for trend=0.046)。
2017.Oct.
家事は命を救う
1日30分の運動をすれば、早期に死亡するリスクを大幅に減らせることが、17カ国13万人を対象にして行った大規模な調査で明らかになった。
しかもその30分は、ジムに行くとかランニングしたりなどの本格的な「運動」である必要はなく、通勤や家事で体を動かすのでも十分だという。
この研究はカナダのマクマスター大学のグループが疫学研究の一環として行い、結果は医学雑誌「ランセット」に発表された。 1日30分または週150分のエクササイズをした場合、死亡のリスク(死因の特定なし)が28%、心臓病のリスクは20%、それぞれ低減することが分かった。さらに、運動による健康への効果は、運動時間を長くすれば長くするほど得られるといい、キビキビしたウォーキングを週750分(12時間半)行った場合、死亡リスクが36%低減した。
2017.Jul.
脂質降下薬スタチンの副作用
スタチンの副作用として最近「ノボセ効果」が明らかになったが、BMJ
open誌2017年6月30日号によると日本大学薬学部の大場延浩氏らの脂質異常症の日本人労働者約7万例を対象とした研究の結果、糖尿病の臨床的危険因子の調整後も、スタチン使用により糖尿病発症リスクが1.9~2.6倍に増加したことが示された。安易な薬の服用に気をつけたほうが良さそうである。
2017.May.
アニサキス中毒を防ぐには
アニサキスは、養殖魚ではほとんどみられません。加熱には弱く、60℃でも1分間、70℃以上ではすぐに死んでしまいます。
また、冷凍にも弱く、マイナス20度以下で24時間以上で死んでしまうので、一度冷凍した魚であればリスクは少なくなります。一方、酢、しょう油、わさび等では、アニサキスの幼虫は死にません。したがって、シメサバも残念ながらアウトです。
アニサキスがいる可能性が高い内臓を、生で食べるのは避けましょう。また、鮮度の良い魚を選ぶことで、内臓にいる幼虫が身の部分(筋肉)へ移動することを、少しでも防ぐことができます。
刺し身などを食べるときには、よく 噛(か) むことでアニサキスの体が壊され、食中毒を起こしにくくなる可能性があります。また同じような理由で、通常の刺し身よりも「たたき」にする方がリスクは低くなるかもしれません。しかし、体長2〜3cmと非常に小さく、とぐろを巻いているので、「かみ砕き法」や「たたき」での対応には限界があるといえるでしょう。
「新鮮=安全」とは限らない
かつてアニサキス食中毒は、新鮮な魚を食べることができる漁港近くの地域で、集中的に発生していました。しかし今は、本来は焼いて食べたり、冷凍して運んでいた魚を、そのまま食べる機会が増えています。それによって都心でも、サンマの刺し身などによるアニサキス食中毒が、多くみられるようになってきています。
「新鮮=安全」とは限りません。天然物で冷凍なし、おまけに内臓つき、というのが危険なパターンです。「天然、新鮮」は美食のキーワードですが、そこにはアニサキスがいるかもしれません。身をしっかり洗うなどの日常的な対策を継続しておきましょう。
2017.Apr.
フインテック(Finance+Technology)で歩く
東京海上日動あんしん生命保険とNTTドコモは、1日の歩数が8000歩を超えると還付金が出る医療保険を売り出す。健康への取り組みを保険料に反映させる仕組みで、腕に巻くウエアラブル端末を貸し出し歩数を毎日計測してもらう。IT(情報技術)を商品開発に生かす動きが保険業界で活発になってきた。
2017.March
認知症リスクが低い飲酒量、高い飲酒量
中国海洋大学のWei
Xu氏らがアルコール摂取量と認知症リスクとの反応関係を検討したところ、1日当たりのアルコール摂取量が12.5g*以下であればリスク低下、6gで最もリスクが低く、38g以上ではリスクが高まる可能性を報告した。
アルコール12.5gの目安は、ビール(5%)約310ml、日本酒(15%)約100ml、ワイン(14%)約110mlなどで、限度はビール930mL、
日本酒300ml、ワイン330mlという計算になる。
2017.Feb.
ビタミンDが脂質を抑制する。脂肪肝、がん対策にも期待
京都大の上杉志成教授らの研究グループは、ビタミンDが体内で脂質の合成を抑制するメカニズムを解明したと発表した。この働きを活用すれば、脂肪肝やがん細胞の増殖を抑える薬の開発が期待されるという。 ビタミンDは肝臓に入るとある化合物に変化するが、これをハムスターの培養細胞に投与して働きを調べた結果、脂質の合成を命令するたんぱく質「SREBP」を分解し、無くしてしまうことが分かった。 ただ、この化合物は腎臓でカルシウムの吸収を良くする化合物に変わるため、ビタミンDを大量摂取すると結石ができやすくなるなどの副作用も懸念されるという。
2017.Jan.
立ち上がるときの心拍の変化が高齢者の死亡リスクを予測
立ち上がるときの心拍数の変化をみると、高齢者が今後数年以に死亡するリスクがわかる可能性があることが、アイルランド、ダブリン大学トリニティ・カレッジの研究で示唆された。
人間が立ち上がると心拍数は増加し、その後で元に戻る。McCrory氏らによると、立ち上がってから20秒以内に心拍数が回復する速度が、高齢者の4年以内の死亡リスクを予測するという。
今回の研究は、50歳以上のアイルランドの成人約4,500人を対象としたもので、心拍回復が最も遅い人は最も早い人に比べて、4年以内に死亡する可能性が7倍高かった。
横になるか座っているところから立った姿勢になることは日中繰り返す動作であり、心臓系に対して、安定した血圧と心拍を維持し、心臓系にかかるストレスを抑えるという課題をもたらす。心拍の回復力は、個人にあわせた運動を取り入れるなど、簡単な方法で改善できる可能性がある 。
2016.Oct.
卵とコレステロール
卵はコレステロールが多いため、なにかとやり玉に上げられがちだが、コレステロールが多い食品はなにも卵だけではない。近年の研究によると卵は血液中のコレステロール値に影響しないという報告もあります。これは、卵黄に含まれるレシチンに、LDL(悪玉)コレステロールを減らして、HDL(善玉)コレステロールを増やす働きがあり、余分なコレステロールが血管に沈着するのを防ぐためと考えられています。卵は安くて栄養価が高い食品であり、●食事がコレステロール値に与える影響は少ない●しかし、高コレステロール食品のとり過ぎには注意したほうがいい(特に、高コレステロール血症の人や親が高コレステロール血症の人)とは言え、卵は適量摂取を心がけることでしょう。
2016.Sept.
「おしっこの回数」と寿命の関係
日本人は就寝中(夜中)に何回トイレに行くのでしょう? 統計では50歳以上の方の過半数は、夜中に1回はトイレに行きます。だから、夜中1回というのは、中年以上では「標準的」と言えます。夜中に3回以上トイレに起きるのを「夜間頻尿」と呼んでいます。頻尿とは、トイレの回数が頻回であることの医学用語で、70代の男性で30%くらい、女性では15%くらいです。 北欧での有名な研究で、高齢者の集団を4年間追跡したところ、夜間頻尿の方はそうでない方よりも、なんと2倍多く亡くなっていた、という結果があります。つまり、夜中にトイレに行く回数が少ないほうが、長生きするということになります。
2016.June.
ジャガイモは高血圧のリスク
ジャガイモは、糖質(glycemic
carbohydrate)とカリウムの双方を豊富に含むため、高血圧の発症リスクへの影響は不明とされてきた。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のLea
Borgi氏らは、今回、一般的なジャガイモ料理(焼き、ゆで、マッシュポテト)やフライドポテトをよく食べる人は、高血圧の発症リスクが増大するとの研究結果を、BMJ誌オンライン版2016年5月17日号で報告した。
2015.Apr.
脳の加齢を食い止める
米国ミネソタ州のメイヨークリニックの研究によると芸術や手芸の活動、社会活動、コンピュータの利用が高齢者の脳を活性化し、脳の老化を遅らせることがわかった。
以前より手足を動かすことや旅行など体を動かすことが脳の老化を遅らせることに関係しているという報告があったが、今回は脳のクリエイティブな活動が老化防止に役立つとのことである。
2015.Mar.
紅茶の苦味成分で骨粗鬆症の改善
骨を破壊する「破骨細胞」の形成を防ぐのに、紅茶の苦味成分が役立つことを大阪大の西川恵三助教(免疫学)のチームがマウスを使って明らかにし、23日付の米医学誌電子版に発表した。骨粗しょう症の状態にしたマウスに苦味成分を投与すると改善が見られたという。
紅茶にはカフェインなどが含まれ、飲み過ぎは悪影響を及ぼす恐れもあり注意が必要だが、チームは「紅茶による骨粗しょう症の予防や新薬開発が可能かもしれない」としている。
2015.Jan.-2
中耳炎の進化する検査法と治療法
細菌感染などで鼓膜の内側に炎症ができる急性中耳炎は、子どもが風邪からかかることが多い病気の一つです。近年、子ども用の新しい抗菌薬が承認され、治療の選択肢が広がってきました。新しい検査法も普及し、有効な薬を早く使えるようになりました。子どものちょっとした仕草を見逃さず、検査を受けましょう。
2015.Jan.