健康ニュース

2022.Mar.

孝は百行の本、衆善の始まり

 全ての行いの基となるもの、もろもろの善の始まりとなるものは、親に孝を尽くすことである。
 これは仏の教えであるが、キリスト教でもイスレム教でも同じような教えがある。近年国内で親に孝を尽くすどころか親を殺害するといった痛ましい事件が頻発している。残念ながら日本では「人の道」を学ぶ機会が無くなっているからではないだろうか。

 

2021.Oct.

コロナウイルス = SARS-CoV-2 の 変異株と検出場所

アルファ株(α) 20209月 イギリス

ベータ株(β) 20205月 南アフリカ

ガンマ株(γ) 202011月 ブラジル

デルタ株(δ) 202010月 インド

 ラムダ株(λ) 202012月 ペルー

ミュー株(μ) 20211月 コロンビア

【監視中の変異株(VUM)】

イプシロン(ε)20205月 アメリカ

イータ株(η) 202012月 複数の国

イオタ株(ι) 202011月 アメリカ

カッパ株(κ) 202010月 インド

 

2021.Sep.2

アジア版  NATO → クアッド

  日本、米国オーストラリアインド4カ国による外交安全保障の協力体制「日米豪印4カ国戦略対話(Quadrilateral Security Dialogue)」はインド太平洋地域での中国の軍事的・経済的な影響力の拡大に対抗する非公式な枠組みとして、2019年に発足した。外交・安全保障にとどまらず、インフラ整備、テロ対策、サイバーセキュリティ、新型コロナウイルス感染症対応、気候変動対策などの幅広い分野においても協力・協調していくとしている

 

2021.Sep.

マスクの要らないところ

  4月初め、米国ワシントン大学の気候学者クリフ・マスは温暖化人為説を研究する学者。大気中の2酸化炭素の濃度を測定する装置を持っていて、それで週末の公園など人が多い屋外でCO2濃度を測ってみた。そこの空気中に人の吐息が混じっているとCO2濃度が高めになる。吐息が混じっていると、そこの空気中に感染者が発したコロナウイルスが存在し、他人に感染する可能性がある。逆に吐息が全く混じっていなければ、そこの空気からコロナ感染のおそれはない。人が全くいない屋外でのCO2濃度は415ppmで、これが大気の基準値だ。人がいるが換気されている飲食店内の濃度は520ppm、混雑するスーパーマーケットでの濃度は830ppmだった。 基準値を把握した上でマスは、晴れた土曜日に、シアトル市内の混雑する自然公園を歩きながらCO2濃度を測定していった。すると、どこでも濃度は400ppmしかなかった。バーベキューを楽しむ大勢の人々の間にも分け入って奇異の眼差しを向けられつつ測定したが400ppmだった。バーベキューの炭火の近くだけ、火がCO2を排出しているらしく420ppmだったが、それだけだった。屋外を歩いている限り、他の人々の吐息が含まれた大気に包まれることはないとわかった。

 

2021.Apr.

病名はCOVID-19、ウイルス名はSARS-CoV-2

  WHO新型コロナウイルス感染症の正式名称を「COVID-19」とすると発表した。コロナウイルス感染症と感染者が報告された2019年を組み合わせたもの。 COVID-19の「CO」は「corona」、「VI」は「virus」、「D」は「disease」の意味となる。 ウイルス名については、国際ウイルス分類委員会(International Committee on Taxonomy of Viruses:ICTV)がSARS(重症急性呼吸器症候群)を引き起こすウイルス(SARS-CoV)の姉妹種であるとして「SARS-CoV-2」と名付けている。

 

2021.Mar.

新型コロナワクチン、無症候性感染者を94%予防

  米国・Pfizer社などは、イスラエルでの集積データから同社が製造する新型コロナウイルス感染症のmRNAワクチン(BNT162b2)の新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の発症や入院、死亡を予防する効果は、症候性の場合で少なくとも97%、無症候性の場合で94%だったことを3月11日付けのプレスリリースで発表した。また、今回のデータ解析からワクチン接種を受けていない人は症候性の新型コロナを発症する可能性は44倍高く、新型コロナが原因で死亡する可能性は29倍高いことも示唆されたという。

 

2021.Mar.

武漢発新型コロナウイルスの感染リスク

  COVID-19感染者の2割が全感染の8割を引き起こし、感染の半数は無症候性または発症前の患者からと推定されている。無症状の感染者によって感染が拡大するリスクが高く、リスクの高い行動を周知することは依然重要となる。
 米国において2020年半ばに外出禁止令が緩和された後、10州においてCOVID-19の検査を受けた18歳以上の成人を対象とした。検査時に有症状だった332例が登録され、最終的に314例を対象に電話調査を実施し、発症前14日間の行動を聞いた。
 「感染者との接触歴なし」群で、COVID-19感染との関連が認められた行動は以下の2つであった。
 ・バーまたはカフェの利用
 ・レストランでの食事
 調査チームは、バーやカフェ、レストラン利用者の感染リスクが高いのは、マスクをし続けることが難しく、無症状の感染者に長時間接触するリスクが高いためだろうとしている。

 

2020.Oct.

新型コロナウイルスで重症化を予測

 武漢発新型コロナウイルス(COVID−19)で重症化を予測できる可能性のある5つのバイオマーカーが米国ジョージワシントン大学で発表された。対象としたバイオマーカーはIL(インターロイキン)―6、Dダイマー、C反応性蛋白(CRP)、LDH(乳酸脱水素酵素)、フェリチンの5つである。

 

2020.Sep.

武漢発新型コロナウイルス

 武漢発新型コロナウイルスはアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体を介して細胞に侵入することが明らかになっており、 ACE阻害薬とARB(受容体拮抗薬)が重症化(院内死亡、ECMO使用、人工呼吸器使用、ICU入室)を抑える効果があることが横浜市立大学の研究で明らかになった。

 

2020.Jan.

チョコレートは認知機能を向上する

 チョコレートを毎日食べると、神経成長因子(NGF)というタンパク質が増加し認知機能も向上するという研究結果が報告された。しかもチョコレートの摂取を中止したのちもしばらく認知機能が高い状態が持続される。 島根大学医学部環境生理学の住吉愛里氏らの研究によるもので、「Nutrients」11月16日オンライン版に掲載された。

 

2019.Dec.

禁煙と認知症リスク

 喫煙は認知症の危険因子として知られているが、禁煙によってリスクは減少するのだろうか。米国・ジョンズホプキンス大学の研究では、禁煙は認知症リスク減少に有益ではあるものの、禁煙期間に依存することがわかった。本研究では、禁煙後9年以上経過した場合に認知症発症との関連が消失し、認知症リスクを減らすためには中年早期に禁煙する重要性が示唆された。Journal of the American Geriatrics Society誌オンライン版2019年11月1日号。

 

2019.Oct..

アスピリンにより頭頸部のがん患者の生存率が延長

 家庭常備薬である低用量アスピリンやその他の抗炎症薬が、頭頸部がんおよび肺がん患者の生存率を延長させる可能性が、米ロズウェルパーク総合がんセンターなどの新たな2件の研究により示された。 非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は抗炎症作用、解熱作用および鎮痛作用を有する薬物の総称で、低用量アスピリンが最もよく知られている。NSAIDはまた、血小板凝集抑制作用を持つため、心筋梗塞や脳梗塞といった心血管疾患リスクを低下させるために処方されることが多い。

 

2019.Sep-2.

電子タバコ仕様でも肺気腫に至る肺の損傷が起こる

 「リキッド」を加熱して発生させた蒸気を吸い込む電子タバコ(ベイパー)を常用すると、通常の紙巻きタバコと同様に、肺気腫につながる肺損傷が引き起こされる可能性があることが、米ノースカロライナ大学の研究で明らかになった。それによると、非喫煙者と喫煙者、さらに電子タバコ使用者の計41人の肺から採取した胸水の検査を実施した。その結果、喫煙者と電子タバコ使用者ではいずれも、肺気腫の前兆とされるプロテアーゼ酵素の濃度上昇が認められた。肺の細胞でプロテアーゼが慢性的に過剰産生されると、「肺胞」と呼ばれる繊細な組織がダメージを受ける。喫煙者では、このような肺の損傷が原因で肺気腫につながると考えられている。肺気腫は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の一つで、徐々に息切れが悪化するが、現在のところ治癒に導く治療法はないという。 詳細は「American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine」8月7日オンライン版に発表された。

 

2019.Sep.

スマホ自撮りで血圧測定

 スマートフォンで自分の顔の動画を撮影するだけで、簡単に血圧を測定できる技術をカナダ、トロント大学の研究者が開発した。経皮光学イメージングと呼ばれる新しい技術で、この技術を使えば皮膚を透過する光とスマホの光学センサーを用いて、スマホで撮影した顔の動画から血流のわずかな変化を捉えるものである。この方法では顔の血流パターンから「嘘」を見抜くこともできるらしい。

 

2019.Aug.

中年期から初老期の肥満で脳の老化が早まる

 中年期から初老期にかけて過体重や肥満だった人は、脳の老化が10年以上も早まる可能性があることが、米マイアミ大学医学部のMichelle Caunca氏らの研究から明らかになった。この期間中にウエスト周囲長が大きく、体格指数(BMI)が高い人は、加齢に伴い、記憶や思考などで重要な役割を果たす大脳皮質(灰白質)の厚さが薄くなる確率が高まることが分かったという。研究の詳細は「Neurology」7月24日オンライン版に掲載された。

 

2019.July.

砂糖入り飲料が癌のリスクを増大

 砂糖入り飲料の消費は、全がんおよび乳がんのリスクを増加させ、100%果物ジュースも全がんのリスクと関連することが、フランス・パリ第13大学の調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2019年7月10日号に掲載された。 砂糖入り飲料の消費は最近10年で世界的に増加しているという。砂糖入り飲料と肥満リスクには明確な関連が認められ、肥満は多くのがんの強力なリスク因子とされる。 人工甘味料入り飲料の消費は、がんのリスクとは関連しなかったが、全サンプルに占める消費の割合が相対的に低かったことから、統計学的検出力が不十分であった可能性がある。   ニュージーランドなど世界の国々で砂糖入り飲料に「砂糖税」を課税する動きが出ている。

 

2019.Jun.

口ひげには口唇癌の予防効果がある

 口ひげは、男らしさを演出できるだけでなく、思わぬ健康効果をもたらすようだ。米カンザス大学Daniel Aires氏らによる研究で若い頃から口ひげを生やしている男性は、そうでない男性に比べて口唇がんの発症につながる日光角化症になりにくい可能性があることが示された。

 毛髪に頭皮を守る働きがあるように、口ひげにも同様に唇を保護する効果があるようだ。しかし、今回こうした効果が科学的に初めて検証された。

 そういえば、暑い中東では髭を生やした男性が多いようだ。

 

2019.Jun.

電子タバコの使用でインフル感染のリスクが増加する

 インフルエンザウイルスへの感染を防ぐには、咳やくしゃみをしている人から遠ざかる以外にも、電子タバコの使用をやめた方がよいかもしれない。ノースカロライナ大学の研究によると電子タバコを使用すると、男性よりも女性の方がインフルエンザに罹りやすい可能性があるという。電子タバコの使用者は紙巻きタバコと同様にウイルスに対する免疫反応の調節不全や感染症やワクチンに対する感受性を高める可能性があることがわかった。

 

2019.May.

オプジーポの副作用

 ガンの特効薬として華々しく登場したオプジーポについて重大な副作用が報告された。厚生労働省は9日、免疫の仕組みを利用したがん治療薬「オプジーボ」を投与された患者11人が、副作用とみられる脳の機能障害を発症し、うち1人が死亡したとして、製造元の小野薬品工業(大阪市)に、薬の添付文書に重大な副作用として追記するよう指示した。 機能障害が起きたのは脳の下垂体で、成長ホルモンや性ホルモンなどの分泌に関わる部位。オプジーボの添付文書の「重要な基本的注意」に下垂体機能障害を追記し、投与中は定期的に下垂体の機能を検査するよう求めた。

 

2019.Apr.

ぺットと肺がんの死亡率の関係

 わが国でもペットを飼っている人は多く、ここ数年はネコがイヌを上回っている。今回、米国ジョージアサザン大学の研究者らは、18年間の追跡調査で、ネコを飼っている女性は飼っていない女性に比べ、肺がん死亡率が2.85倍と有意に高かったことを報告した。ペットによるこの影響は、喫煙やアトピー性疾患と交絡しないとのことである。

 

2019.Mar.

血液1滴で13種の癌を同時診断

 血液中に含まれるマイクロRNA(miRNA)をマーカーとして、13種類のガンを同時に診断する検査システムの開発が進み、実用化が近づいている。miRNAはがん細胞の発生初期から血液中を循環するため早期の診断が期待できる。13種の癌とは胃がん、大腸がん、食道がん、膵臓がん、肝臓がん、胆道がん、肺がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、膀胱がん、神経膠腫、肉腫で、これらの癌は日本人に多い。

 

2019.Jan.

衰えない肉体、寿命150歳への道

 米ワシントン大学の今井真一郎教授らが老化を抑える働きをする長寿遺伝子を発見した。この遺伝子がつくる酵素がカギを握る。誰にでもある酵素だが加齢で次第に機能しなくなり、老化するとみられている。この物質を大量生産することにも成功したが、人が摂取した場合の効果については現在研究中である。

 

2018.Sep.S

たった一晩の睡眠不足が肥満の原因に?

 たった一晩でも睡眠不足になると肥満の原因になるメカニズムの一端を解明したと、米ノースウエスタン大学がScience Advances 8月号オンライン版に発表した。健康な男性が一晩徹夜するだけでも、骨格筋は分解されて、脂肪が体に貯め込まれることが遺伝子レベルの解析で示唆された。

 

2018.Sep.

ミョウガを食べよう

 ミョウガはつぼみに葉っぱ、茎まで食べれます。私たちが普通食べているあのコロンと丸いミョウガは、ミョウガの花のつぼみの部分。地上に茂っている葉の部分ではなく、土中に伸びた地下茎から直接つぼみが出てくるのを摘み取ります。 ミョウガの香りは森林浴と同じ効果があり、あの独特の香りの正体は「α-ピネン」という香り成分で、ストレスの緩和をはじめ、循環の改善、免疫機能の改善などの効果があるといわれます。この「α-ピネン」は、樹木が発散する「森林揮発性物質」にも含まれていると言われています。

 

2018.July.

歩数と健康指標

 10,000歩  メタボの予防

 9,000歩  体力低下の予防

 8,000歩  サルコペニア(筋肉量減少症)の予防

 7,000歩  骨粗鬆症の予防

 6,000歩  動脈硬化の予防

 5,000歩  生活の質(QOL)低下の予防

 4,000歩  閉じこもり・うつ病の予防

 (青柳幸利.高齢者の身体活動と健康に関する研究.より)

健康のためにやたらと長く歩けばいい、というものではないらしい。

 

2018.May.

トウガラシで激しい頭痛、脳動脈に異常も

 トウガラシを食べると救急科を受診しなければならないレベルの激しい頭痛が起こる可能性があることを、覚えておいた方が良いかもしれない。トウガラシを食べるコンテストに参加した男が、世界で最も辛いとされている種類のトウガラシを食べた後に「雷鳴頭痛」と呼ばれる激しい頭痛に苦しんだとする報告書が「BMJ Case Reports」4月9日オンライン版に掲載された。CT検査では脳動脈の一部の攣縮が認められ、男性は可逆性脳血管攣縮症候群(RCSV)と診断されたという 。

 

2018.April.

ウエアラブルデバイス

 歯に貼り付けるだけで食べた物や飲んだ物を識別するセンサーチップを搭載した超小型のウェアラブルデバイスが開発された。このデバイスを歯の表面に装着すると、摂取した食物や飲料に含まれるグルコースや塩分、アルコールの情報が無線で携帯型デバイスなどに送信されるという。 今回、開発したのはわずか2mm四方の超小型デバイス。このデバイスは凹凸のある歯の表面にもぴったりと貼り付けることができるしなやかな素材でできているという。デバイスの中心部には栄養素やさまざまな化学物質を吸収する「生体反応層」があり、これを二種類の四角形のリング状になった金の層がはさんだ三層構造。これらの層は小さなアンテナのように電波を送受信する 。

 

2018.March.

ビタミンDのがん予防効果を日本人で確認

 血中ビタミンD濃度が高い集団は男女とも、がん全体の罹患リスクが低いことが、日本人を対象に国立がん研究センターの研究で示された。ビタミンDは、さまざまな抗腫瘍性の特性を持つ強力な生物活性化合物の前駆物質として、がんの予防効果をもたらすとの説がある。血中ビタミンD濃度が上昇すると、大腸がんや肺がんの罹患リスクが低下する傾向がみられることが報告されているが、他の部位のがんやがん全体のエビデンスには一貫性がなく、アジア人のデータは十分でないという。今回の報告ではほぼ全ての部位の罹患リスクが低下傾向を示した。

 

2017.Jul.

フルーツ摂取量が多いほど喘息や鼻炎を予防:日本の小学生

 日本の小学生を対象とした研究で、フルーツの摂取量が多いほど、呼吸器アレルギー症状を予防できる可能性があることが、滋賀県立小児保健医療センターの楠隆氏らによる研究で明らかになった。Pediatric allergy and immunology誌。   食事パターンがアレルギー予防と関連するという報告がある。そのため、著者らは、滋賀県近江八幡市のすべての小学校において、前向きコホート研究を実施した。 ・10歳時の喘息、鼻炎、その他アレルギー症状の有病率は、フルーツ摂取量の増加に伴って有意に減少した。 ・さらに、調査期間中のアレルギー症状の発症は、フルーツ摂取量の増加に伴い、有意に減少した(低摂取群33.3%、中摂取群28.3%、高摂取群14.3%)。 ・10歳時のブタクサに対する感作率は、フルーツ摂取量の増加に伴って有意に減少した(p for trend=0.046)。

 

2017.Oct.

家事は命を救う

 1日30分の運動をすれば、早期に死亡するリスクを大幅に減らせることが、17カ国13万人を対象にして行った大規模な調査で明らかになった。 しかもその30分は、ジムに行くとかランニングしたりなどの本格的な「運動」である必要はなく、通勤や家事で体を動かすのでも十分だという。  この研究はカナダのマクマスター大学のグループが疫学研究の一環として行い、結果は医学雑誌「ランセット」に発表された。 1日30分または週150分のエクササイズをした場合、死亡のリスク(死因の特定なし)が28%、心臓病のリスクは20%、それぞれ低減することが分かった。さらに、運動による健康への効果は、運動時間を長くすれば長くするほど得られるといい、キビキビしたウォーキングを週750分(12時間半)行った場合、死亡リスクが36%低減した。

 

2017.Jul.

脂質降下薬スタチンの副作用

 スタチンの副作用として最近「ノボセ効果」が明らかになったが、BMJ open誌2017年6月30日号によると日本大学薬学部の大場延浩氏らの脂質異常症の日本人労働者約7万例を対象とした研究の結果、糖尿病の臨床的危険因子の調整後も、スタチン使用により糖尿病発症リスクが1.9~2.6倍に増加したことが示された。安易な薬の服用に気をつけたほうが良さそうである。

 

2017.May.

アニサキス中毒を防ぐには

 アニサキスは、養殖魚ではほとんどみられません。加熱には弱く、60℃でも1分間、70℃以上ではすぐに死んでしまいます。

 また、冷凍にも弱く、マイナス20度以下で24時間以上で死んでしまうので、一度冷凍した魚であればリスクは少なくなります。一方、酢、しょう油、わさび等では、アニサキスの幼虫は死にません。したがって、シメサバも残念ながらアウトです。

 アニサキスがいる可能性が高い内臓を、生で食べるのは避けましょう。また、鮮度の良い魚を選ぶことで、内臓にいる幼虫が身の部分(筋肉)へ移動することを、少しでも防ぐことができます。

 刺し身などを食べるときには、よく 噛(か) むことでアニサキスの体が壊され、食中毒を起こしにくくなる可能性があります。また同じような理由で、通常の刺し身よりも「たたき」にする方がリスクは低くなるかもしれません。しかし、体長2〜3cmと非常に小さく、とぐろを巻いているので、「かみ砕き法」や「たたき」での対応には限界があるといえるでしょう。

「新鮮=安全」とは限らない

 かつてアニサキス食中毒は、新鮮な魚を食べることができる漁港近くの地域で、集中的に発生していました。しかし今は、本来は焼いて食べたり、冷凍して運んでいた魚を、そのまま食べる機会が増えています。それによって都心でも、サンマの刺し身などによるアニサキス食中毒が、多くみられるようになってきています。

 「新鮮=安全」とは限りません。天然物で冷凍なし、おまけに内臓つき、というのが危険なパターンです。「天然、新鮮」は美食のキーワードですが、そこにはアニサキスがいるかもしれません。身をしっかり洗うなどの日常的な対策を継続しておきましょう。

 

2017.Apr.

フインテック(Finance+Technology)で歩く

 東京海上日動あんしん生命保険とNTTドコモは、1日の歩数が8000歩を超えると還付金が出る医療保険を売り出す。健康への取り組みを保険料に反映させる仕組みで、腕に巻くウエアラブル端末を貸し出し歩数を毎日計測してもらう。IT(情報技術)を商品開発に生かす動きが保険業界で活発になってきた。

 

2017.March

認知症リスクが低い飲酒量、高い飲酒量

 中国海洋大学のWei Xu氏らがアルコール摂取量と認知症リスクとの反応関係を検討したところ、1日当たりのアルコール摂取量が12.5g*以下であればリスク低下、6gで最もリスクが低く、38g以上ではリスクが高まる可能性を報告した。 アルコール12.5gの目安は、ビール(5%)約310ml、日本酒(15%)約100ml、ワイン(14%)約110mlなどで、限度はビール930mL、 日本酒300ml、ワイン330mlという計算になる。

 

2017.Feb.

ビタミンDが脂質を抑制する。脂肪肝、がん対策にも期待

 京都大の上杉志成教授らの研究グループは、ビタミンDが体内で脂質の合成を抑制するメカニズムを解明したと発表した。この働きを活用すれば、脂肪肝やがん細胞の増殖を抑える薬の開発が期待されるという。 ビタミンDは肝臓に入るとある化合物に変化するが、これをハムスターの培養細胞に投与して働きを調べた結果、脂質の合成を命令するたんぱく質「SREBP」を分解し、無くしてしまうことが分かった。 ただ、この化合物は腎臓でカルシウムの吸収を良くする化合物に変わるため、ビタミンDを大量摂取すると結石ができやすくなるなどの副作用も懸念されるという。

 

2017.Jan.

立ち上がるときの心拍の変化が高齢者の死亡リスクを予測

 立ち上がるときの心拍数の変化をみると、高齢者が今後数年以に死亡するリスクがわかる可能性があることが、アイルランド、ダブリン大学トリニティ・カレッジの研究で示唆された。

 人間が立ち上がると心拍数は増加し、その後で元に戻る。McCrory氏らによると、立ち上がってから20秒以内に心拍数が回復する速度が、高齢者の4年以内の死亡リスクを予測するという。

 今回の研究は、50歳以上のアイルランドの成人約4,500人を対象としたもので、心拍回復が最も遅い人は最も早い人に比べて、4年以内に死亡する可能性が7倍高かった。

 横になるか座っているところから立った姿勢になることは日中繰り返す動作であり、心臓系に対して、安定した血圧と心拍を維持し、心臓系にかかるストレスを抑えるという課題をもたらす。心拍の回復力は、個人にあわせた運動を取り入れるなど、簡単な方法で改善できる可能性がある 。

 

2016.Oct.

卵とコレステロール

 卵はコレステロールが多いため、なにかとやり玉に上げられがちだが、コレステロールが多い食品はなにも卵だけではない。近年の研究によると卵は血液中のコレステロール値に影響しないという報告もあります。これは、卵黄に含まれるレシチンに、LDL(悪玉)コレステロールを減らして、HDL(善玉)コレステロールを増やす働きがあり、余分なコレステロールが血管に沈着するのを防ぐためと考えられています。卵は安くて栄養価が高い食品であり、●食事がコレステロール値に与える影響は少ない●しかし、高コレステロール食品のとり過ぎには注意したほうがいい(特に、高コレステロール血症の人や親が高コレステロール血症の人)とは言え、卵は適量摂取を心がけることでしょう。 

2016.Sept.

 

「おしっこの回数」と寿命の関係

 日本人は就寝中(夜中)に何回トイレに行くのでしょう? 統計では50歳以上の方の過半数は、夜中に1回はトイレに行きます。だから、夜中1回というのは、中年以上では「標準的」と言えます。夜中に3回以上トイレに起きるのを「夜間頻尿」と呼んでいます。頻尿とは、トイレの回数が頻回であることの医学用語で、70代の男性で30%くらい、女性では15%くらいです。 北欧での有名な研究で、高齢者の集団を4年間追跡したところ、夜間頻尿の方はそうでない方よりも、なんと2倍多く亡くなっていた、という結果があります。つまり、夜中にトイレに行く回数が少ないほうが、長生きするということになります。

 

2016.June.

 

ジャガイモは高血圧のリスク

 ジャガイモは、糖質(glycemic carbohydrate)とカリウムの双方を豊富に含むため、高血圧の発症リスクへの影響は不明とされてきた。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のLea Borgi氏らは、今回、一般的なジャガイモ料理(焼き、ゆで、マッシュポテト)やフライドポテトをよく食べる人は、高血圧の発症リスクが増大するとの研究結果を、BMJ誌オンライン版2016年5月17日号で報告した。

2015.Apr.

 

脳の加齢を食い止める

 米国ミネソタ州のメイヨークリニックの研究によると芸術や手芸の活動、社会活動、コンピュータの利用が高齢者の脳を活性化し、脳の老化を遅らせることがわかった。
 以前より手足を動かすことや旅行など体を動かすことが脳の老化を遅らせることに関係しているという報告があったが、今回は脳のクリエイティブな活動が老化防止に役立つとのことである。

2015.Mar.

 

紅茶の苦味成分で骨粗鬆症の改善

 
骨を破壊する「破骨細胞」の形成を防ぐのに、紅茶の苦味成分が役立つことを大阪大の西川恵三助教(免疫学)のチームがマウスを使って明らかにし、23日付の米医学誌電子版に発表した。骨粗しょう症の状態にしたマウスに苦味成分を投与すると改善が見られたという。

 紅茶にはカフェインなどが含まれ、飲み過ぎは悪影響を及ぼす恐れもあり注意が必要だが、チームは「紅茶による骨粗しょう症の予防や新薬開発が可能かもしれない」としている

2015.Jan.-2

 

中耳炎の進化する検査法と治療法

 菌感染などで鼓膜の内に炎症ができる急性中耳炎は、子どもが邪からかかることが多い病の一つです。近年、子ども用の新しい抗菌が承され、治肢ががってきました。新しい検査法も普及し、有を早く使えるようになりました。子どものちょっとした仕草を見逃さず、検査を受けましょう。

 

2015.Jan.

野菜多く食べる男性は下部胃がんリスク減

 野菜を多く食べる日本人男性は、胃の下部にできるがんのリスクが低下するという研究成果を、国立がん研究センターなどの研究班がまとめた。野菜に含まれる抗酸化作用のある成分が、胃がんの原因の一つであるピロリ菌の働きを抑えると考えられるという。研究班は、国内の三つの大規模な疫学研究に参加した約15万人について、食事に関するアンケートから1日の野菜摂取量を推定。摂取量ごとに5グループに分け、平均約11年間追跡して発症状況を調べた。

2014.May.

緑茶の認知症予防効果

 金沢大の山田正仁教授(神経内科学)の研究グループは15日、60歳以上の男女490人を対象に認知症の発症率を調べ、緑茶を毎日飲む習慣がある人の発症率が飲まない人に比べて3分の1程度だったと米科学誌電子版に発表した。
 金沢大によると、コーヒーや紅茶についても調べたが、飲用習慣の有無による発症率の違いは見いだせなかった。
 山田教授は「緑茶に含まれるカテキンやミリセチンといったポリフェノール類に予防効果がある可能性がある。これらの成分の効果が解明できれば、認知症の安全な予防法の開発が期待できる」と話している。

2014.May.

筋力・活力の老化はフレイル

 日本老年医学会は、高齢になって筋力や活力が衰えた段階を「フレイル」と名付け、予防に取り組むとする提言をまとめた。これまでは「老化現象」として見過ごされてきたが、統一した名称をつくることで医療や介護の現場の意識改革を目指している。
フレイルは語呂が「フルエル」に似ていますが「虚弱」を意味する英語「frailty」から来ています。健康と病気の「中間的な段階」で、提言では、75歳以上の多くはこの段階を経て要介護状態に陥るとしている。高齢になるにつれて筋力が衰える現象は「サルコペニア」と呼ばれ、さらに生活機能が全般的に低くなるとフレイルとなる。
米国老年医学会の評価法では、①移動能力の低下②握力の低下③体重の減少④疲労感の自覚⑤活動レベルの低下のうち、三つが当てはまると、この段階と認定している。


2014.Feb.

アルツハイマー原因物質減らす遺伝子発見

 大阪大学の森原剛史・講師らはアルツハイマー病で脳内にたまる原因物質の増減にかかわる遺伝子を発見した。患者ではこの遺伝子の働き方が違い、神経細胞を使った実験で遺伝子を制御すると原因物質を減らすことができた。進行抑制や根本治療が難しいアルツハイマー病の新しい治療法につながる可能性がある。
アルツハイマー病では脳の神経に「アミロイドβ」と呼ぶたんぱく質が蓄積する。ただ生活習慣や体質なども発症にかかわり、蓄積する仕組みはよく分かっていなかった。
研究チームはまず、ネズミのタイプによってアルツハイマー病のなりやすさに差があることに着目。「KLC1E」という遺伝子の働きが強いとアミロイドβの蓄積量が増えた。患者の血液を調べるとこの遺伝子の働きが約25%強まっていた。培養した神経細胞でKLC1Eの働きを抑えるとアミロイドβが約45%減った。遺伝子の働きを抑える新薬ができれば、進行を止める可能性がある。

2013.Sep.

酒好き女性は脳卒中リスクが倍増

 多量の飲酒が脳卒中の発症リスクを高めるとの調査結果が男性についてはあったが、女性についても同様な結果が発表された。
国内の9保健所管内に住む40〜69歳の健康な女性約4万7千人を平均17年間追跡し、飲酒量と脳卒中や心筋梗塞などの発症との関係を調べた結果、ビール大瓶で毎日1本に相当するお酒を飲む女性は、時々しか飲まない女性に比べて、脳卒中になるリスクが約1.5〜2倍高いとする大規模な調査結果を大阪大や国立がんセンターが発表した。

2013.Jun.

歯の噛み合わせが動脈硬化の原因になる

 奥歯のかみ合わせが悪いと、動脈硬化につながる可能性があることが、高齢者の健康長寿を研究している大阪大や東京都健康長寿医療センターなどのチームの調査で示された。緑黄色野菜や果物などをあまり食べなくなり、栄養摂取に偏りが出るためらしい。
 歯周病が細菌感染や慢性炎症を通じて動脈硬化につながることを示す研究はあるが、歯のかみ合わせ自体が、心筋梗塞(こうそく)や脳卒中につながる動脈硬化のリスクになることを初めて示した。


認知症

 日本は65才以上のシニアが約3000万人ですが、460万人は認知症で、400万人は認知症の予備軍。つまり3人に1人は認知症かその予備軍と言うことになります。認知症にならないために頭と手を動かして麻雀をし、散歩をして足を鍛えましょう。

2013.Apr.

化学薬品でピンクに着色されている養殖サケ

 養殖サケは味がないだけでなく、最近の研究によって薬品漬けになっていることが明らかになってきた。養殖業者は、サケの肉をピンクや赤みがかった色にするためにカンタキサンチン(canthaxanthin)やそれより高価なアスタキサンチン(astaxanthin)を使用している。
 これらの化学薬品は石油由来の合成物質で、養殖業者は化学薬品会社が提供するピンクから赤の間の様々な色合いの中から消費者がもっとも好むと思う色を選んでいる。保健関連機関は、これらの化学薬品が引き起こす可能のある網膜の損傷について憂慮している。添加物を加えない養殖サケの色は灰色、薄茶色、あるいは薄い黄色になる。化学薬品は、ペレット(飼料)に加えてサケに与えられる。欧州連合の保健当局は、飼料1キログラム当たりのこれらの化学薬品の使用基準量を80ppmから25ppmまで下げることを計画している。カナダでの基準量は30ppmで、アメリカでは80ppm以内であれば、目に害はないとされている。しかし、夕食のサケといっしょにカンタキサンチンやアスタキサンチンを食べたいと思う人間がいるだろうか。
 アラスカでは、野生のサケの色はサケが海で食べる食物からくる。だから、キングサーモンのピンク色や紅鮭の濃い赤い色は、石油会社や化学薬品会社ではなく自然が作り出したものだ。

赤ちゃんは抱っこが好き

 抱っこして歩くと赤ちゃんが泣きやんで眠りやすいのは、座っている時よりも赤ちゃんがリラックスするためらしい。理化学研究所脳科学総合研究センターが、ヒトとマウスの実験で明らかにした。哺乳類の子どもが、運んでくれる親に協力する共通する仕組みとみられる。
 ヒトの母子12組の協力を得て、6カ月以内の赤ちゃんを抱いた状態で30秒ごとに、座る、立って歩く、を母親に繰り返してもらった。座る時に比べ、歩くと赤ちゃんが泣く時間は10分の1に減った。自発的な動きは約5分の1になり、心拍数も小さくなった。

てっぺんハゲ鷹は心臓病に成りやすい

 頭のはげた男性はふさふさ髪の男性に比べ、心筋梗塞(こうそく)や狭心症など重い心臓病のリスクが高い傾向があることが、東京大の原一雄特任准教授らのチームの研究でわかった。将来、自覚症状がない段階でも生活習慣を変え、予防につなげるきっかけにできるかもしれない。
 英医学誌BMJオープンに発表された論文によると、チームは過去の医学論文6本を調査。欧米の30~80代男性約3万7千人を11年以上経過観察したデータから、はげの進み具合とこれらの心臓病の発生率との関係を調べた。
 その結果、頭のてっぺんがはげている男性は、髪のある男性に比べてこれらの心臓病のリスクが32%高く、特に60歳以下ではリスク上昇は44%に達した。

活性酸素とポリフェノール

 「身体にいい成分」として知られているポリフェノール。
体の中の活性酸素の働きを抑える作用があると言われていますが、
そのために一日いくら摂れば良いのでしょうか。
お茶の水女子大学の近藤教授によると1,000〜1,500mgを一日に摂取すれば充分だそうです。その量を飲食物で摂取するには野菜サラダでは4kg、緑茶なら10杯、ですが、コーヒーなら3〜5杯、赤ワインなら3〜4杯だそうです。ポリフェノールの力を生かして朝はコーヒー、昼食は赤ワイン、3時のお茶は緑茶、夕食はビール500mlと赤ワインで楽しくごきげんに生きましょう。

2012.Nov.

iPS 細胞

 iPS細胞、フルネームではinduced Pluripotent Stem cell といい、人工的に誘導された、多機能を持つ、幹細胞と訳します。
今回、ノーベル賞の受賞理由は「成熟した細胞を、多機能を持つように初期化できることを発見したこと」であります。
 iPS細胞を知るために、3個のキーワードにより説明します。
 Apple社:発見者の山中博士はこの細胞がApple社のiPadのようになって欲しいと願って命名されました。
 トラ:山中博士は1960年生の寅年です。トラのような不屈の精神で立ちはだかる数々の障害を乗り越え、研究をされました。
 コンピューター:コンピュータ用語に「初期化」という言葉がありますが、iPS細胞は人の細胞を初期化、つまり未成熟な状態に戻すことにより、体中のほぼすべての細胞になれる能力、「多能性」が生まれました。


2012.Oct.

心臓ホルモンががんの転移を抑える

 心臓から分泌され血管を保護するホルモンが、がんの転移や再発を抑えることを国立循環器病研究センター(大阪府)などのチームが解明した。
ホルモンは心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)で、心不全の治療薬として使われている。がん細胞は血管を通じるなどして転移するが、これを抑える薬はなかった。一般的にがんが心臓に転移しないのはこのホルモンの働きと考えられ、同センター研究所の寒川賢治所長は「あらゆる種類のがんの転移や再発を予防できるとみられ、世界初の治療法になると期待される」としている。

2012.Oct.

チョコレートとノーベル賞

 チョコレート消費量が多い国ほど、ノーベル賞受賞者を輩出する確率が高い――。こんな研究結果が医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表された。
チョコレート消費量とノーベル賞受賞者を輩出する確率に相関関係を見いだしたのは、米ニューヨークの病院に勤務するフランツ・メッサーリ医師。同医師はこの相関関係を、ココアやワインに含まれる抗酸化物質フラボノイドが、認知力テストで高得点を獲得することに関係するという研究から思い付き、23カ国のチョコレート摂取量とノーベル賞受賞者数の人口比を調べたという。その調査結果によると、最も相関関係が見られたのはスイスで、スウェーデン、デンマークがそれに続く。スイス出身のメッサーリ医師は「スイス人は平均で、1本当たり85グラムのチョコバーを年間120本食べる」と話す。同医師はこの研究をばかげているとしながらも、データは合理的だとしている。

2012.Oct.

60才以上、2050年に20億人

 世界の60才以上人口は2012年現在で、8億1千万人で、全人口の12%。今後10年以内に10億人に達し、50年には20億人を超えて世界人口の22%を占めるようになると国連人口基金(UNFPA)が予測しています。この時点で15歳未満の人口を初めて上回ることになります。
衛生状態の改善などで、社会保障制度の整備が遅れている発展途上国での高齢化の速度が増しているとのことです。

ビールの筋肉萎縮を抑える効果 寝たきり防止に期待


 ビールに含まれる成分に筋肉の萎縮を抑える効果があることが、徳島大の寺尾純二教授(食品機能学)らの研究で分かった。食品や薬に応用することで、寝たきりなどの防止につながることが期待できるという。19日付の米オンライン科学誌「プロスワン」に発表した。
疑似的に寝たきり状態にしたマウスを使った実験で、ビールの原材料のホップに含まれるフラボノイド化合物が入った餌を与えたところ、筋肉量がほとんど落ちなかった。餌を与えていない個体は1割程度、筋肉量が落ちたという。このフラボノイド化合物はビールの製造過程やビールを飲んだ人間の腸内で生成される。ただ、ビールだけで効果を得ようとすると、毎日数万~数十万リットルを飲む必要があり、現実的ではない。
 寺尾教授は「少量でもビールを習慣的に飲むことで、筋力や筋量の低下の抑制につながる可能性はある」と話している。

サーチュイン遺伝子


 サーチュイン遺伝子とは、長寿遺伝子または長生き遺伝子、抗老化遺伝子とも呼ばれ、その活性化により生物の寿命が延びるとされる。 この遺伝子を活性化するにはお腹を減らすことです。 お腹が「グー」というまで食事は1汁1菜にしましょう。
サーチュイン遺伝子の活性化により合成されるタンパク質、サーチュイン(英語:Sirtuin)はヒストン脱アセチル化酵素であるため、ヒストンとDNAの結合に作用し、遺伝的な調節を行うことで寿命を延ばすと考えられています。

ナマコの力


 
強い生命力を持つナマコ、sea cucumber は肌をもとの状態に戻す力が強いので、敏感肌や乾燥肌、ダメージを受けた肌などをきれいにしてくれる成分が含まれていると言われています。マレーシアの島、ランカウイ島では近海で捕れるナマコから石けん、オイル、ローションクリームなどのスキンケア商品からクッキーまで販売しています。
店の情報:ピサンハンディクラフト&アートヴィレッジ
          Pisang Handicraft & Art Village
ホームページ:www.pisanglangkawi.com
メール:pisang@streamyx.com
FAX 6049556819

トマト:飲酒時に食べて酔いざまし


 
飲酒時にトマトを食べると酔いざめが早くなることが、アサヒグループホールディングス(HD)とカゴメの共同研究で分かった。肝臓が分泌する酵素の働きを促進し、アルコールの代謝を早めるためという。 
研究結果によると、同じ人が焼酎甲類100ミリリットルを飲む際に、480ミリリットルのトマトジュースまたは同量の水を飲む2パターンの血中アルコール濃度を比べたところ、トマトジュースの場合は水より3割低くなった。体内のアルコールが消えるまでの時間も、トマトジュースの方が50分早かった。
また、ラットにアルコールを与える前にトマトの成分を溶かした水と通常の水を与えて比較し実験。その結果、トマトの成分を与えた場合は、アルコールだけでなく、アルコールを摂取することでヒトや動物の体内で生成する有害物質「アセトアルデヒド」を代謝する肝臓内の酵素が活性化。その働きを促進する別の酵素も活性化したという。
通常のトマトを食べた場合でも、同様の効果が得られる可能性が高いという。


がん細胞の増殖を抑えるインドの薬草「アシュワガンダ」


 インドで珍重されてきた薬草「アシュワガンダ」にがん細胞の増殖を抑え、 老化を防ぐ効果のあることが独立行政法人・産業技術総合研究所の動物実験などで分かった。
 アシュワガンダはインドで滋養強壮や長寿薬として効果があるとされ、 疲労回復の健康食品などとして海外でも市販されている。
 アシュワガンダはナス科の植物で平地に分布し、インドのほかネパールやパキスタンにも植生する。 産総研は科学的な検証がないアシュワガンダの有効作用に注目。その葉をアルコールで抽出した成分が、 正常細胞とがん細胞に与える影響を動物実験などで調査したところ、 がん細胞を死滅させ、正常細胞の老化を防ぐ効果があった。
 さらに化学的な分析を行った結果、ウィザノンと呼ばれる物質が「p53」というガン抑制遺伝子を活性化させ、 がん細胞の増殖抑制や正常細胞の老化防止を導くことが分かった。


入浴死

 入浴中に死亡する人は全国で1万4千人ほど、交通事故の死亡者4,612人(2011年)の3倍強になるそうです。入浴は日本特有の習慣のため、世界的なデータはない。

 入浴時の事故で多いのは、浴槽内で溺れるほか不整脈や脳梗塞、くも膜下出血などを発症するケースが多く、救急搬送される人の大半は高齢者で、冬場に多い。

誤解だらけの「休肝日」

 どれだけ飲んだら飲み過ぎか?
慶応義塾大学の加藤真三教授によると、毎日2合、1週間で14合以内ならまず心配ない。「肝臓を休ませることが良いという科学的な根拠は薄い」。とのことである。
飲み過ぎの人に注意を促すために「休肝日」が生まれたので、「総量をコントロールする現実的な手段」と説明されている。
だが、毎日3合、1週間で15合を超えると多すぎるので、この場合はどこかでコントロールすることが望ましいそうである。


朝一番のコーヒーはNG

 朝一番や食時前にコーヒーを飲む人も多いのでは。でも、カフェイ ンの多いコーヒーはインスリンの利きを悪くして、血糖値を上がり やすくするという報告があります。甘いパンなどのグルコースの高 い食事と一緒に飲んだ場合も、同様の結果が。コーヒーを飲むなら 食後がいいです。

ワーキングメモリー

 作業記憶(ワーキング・メモリー)とは「理解、学習、推論など認知的課題の遂行中に情報を一時的に保持し操作するためのシステム」です。ものごとを考えるときに使う作業台ということです。記憶とは、憶えておくべき内容を記憶の引き出しに入れておいて、必要に応じて取り出すものです。一方、私達が考えるときは複数の内容を同時に心に留めておかないと、それらの関係を判断することはできません。このタイプの記憶は考えているあいだ頭の中に存在すれば良いので短期記憶の一種です。
 つまり、ワーキングメモリーが衰えてくると複数のことを覚えていられなくなり、忘れやすくなります。ワーキングメモリーを衰えにくくするにはジョギング、旅、料理などにより、いつまでもこの作業台を広くしておくことです。


糖化、たるみやシワの原因

 
40代以上の悩み、たるみやシワ、生活習慣病の大きな原因が“糖化”という現象にあることが分かってきました。しかも、40歳を過ぎるころから、体内の組織でこの糖化が進行し、それが骨粗しょう症や生活習慣病のリスクを高めることも明らかになりました。
白米、白いパンといった炭水化物食品をよく食べ、ジュースや焼き菓子が好きという人は要注意。たるみの原因の一つに“糖化”という現象があることが分かってきました。これは、糖がたんぱく質と結合すること。食品の調理や製造過程でもできますが、体内では、急速に血糖値が上がって処理しきれない糖が生じると、組織をつくるたんぱく質に糖が結合して起こります。こうしてできるのが糖化最終生成物(AGEs)。冒頭の食品群は、血糖値を上げやすかったり、AGEsが多いと考えられるものです。
AGEsは肌のハリのもとであるコラーゲン同士を結合させ、弾力性を低下させます。これがたるみの一因。さらに、コラーゲンとエラスチンの代謝も遅らせます。
たるみやシワだけでなく、老いた印象を強める黄ぐすみに対する影響も指摘されています。


治癒B型肝炎、新薬治療で劇症化

 いったん完治したと考えられていたB型肝炎が、リウマチや血液がんなどの治療薬で体の免疫が低下したことをきっかけに再発し、劇症肝炎を起こして死亡する例もあることが厚生労働省研究班(研究代表者・持田智埼玉医大教授)などの調査でわかった。
 近年、強い免疫抑制作用のある新薬や治療法が相次いで登場し、治療効果を上げているが、想定外の肝炎の再発の危険が明らかになり、ウイルス検査体制の整備が緊急の課題となっている。
 B型肝炎が治ってもウイルスの遺伝子は体内に潜み続ける。近年、免疫抑制効果の高い薬が相次いで登場し、治療をきっかけに再発する例が出てきた。
 研究班が2010年度から、全国約100施設で感染歴のある患者235人を調べたところ、リウマチや血液がんなどの治療中に14人(6%)でウイルスが再活性化していた。

テロメア

 
細胞の老化に関わっていると言われるテロメアは、二重らせん構造のDNA分子を末端で結びつけ、ほぐれを防止し、安定化を図っています。外観は靴紐の先端のように見え、より大きな組織を損傷から守る役目を果たします。そして、細胞分裂を起こすごとに自分の一部を犠牲にして、染色体を保護する機能を発揮します。
 このテロメアは細胞分裂を繰り返すたびに短縮し、ある程度まで短くなると細胞は分裂する能力を失い、その機能も消失してしまって染色体を維持できなくなり、やがて細胞は死滅します。これが人間も含めた多細胞生物の死の原因の一つと考えられています。

 テロメアを再生するには酵素テロメラーゼがありますが、能力低下を予防するには抗酸化物質、ビタミンCやポリフェノールなどが有効だ、と言われています。

チョコレートの効用

 以前からチョコレートが心臓病のリスクを軽減するといわれていたが、8月29日パリで開かれた欧州心臓病学会(ESC)で 発表された新たな調査で、英ケンブリッジ大学のオスカー・フランコ氏とその調査チームによると、チョコレートの摂取により、心臓疾患の発症リスクが3分の1減少する可能性があることが 分かった。ただ、チョコレートの食べすぎには気をつける必要 があるとしている。

セシウム汚染牛肉

 基準値を超えた食品=危険」と考える人は多いが、国立医薬品食品衛生研究所・安全情報部第三室(食品化学物質関連情報)の畝山(うねやま)智香子室長は「暫定基準値はあくまでも放射線の防護対策の指標として定められた数値。これを超えれば健康に悪影響を及ぼすという値ではない」と指摘する。食品の放射性物質(放射能)の暫定基準値は、食品から取り込む放射性物質を年間5ミリシーベルト以下にすることを目指して決められたものだ。牛肉は、豚や鶏など他の肉類や魚などと同じカテゴリーに含まれ、このカテゴリーだけで年間1ミリシーベルト以下になるよう、放射性セシウムは1キログラム当たり500ベクレル以下と設定された。これまでに牛肉からの検出が確認されている放射性セシウムの最高値は1キログラム当たり4350ベクレル(1日現在)。仮に5千ベクレルとして、この牛肉のステーキ200グラムを1週間食べ続けた場合、0・112ミリシーベルトの被曝(ひばく)となる。

体に貼るアルツハイマー治療薬

 今月アルツハイマー型認知症の治療薬で体に貼るタイプの「リバスタッチパッチ」が小野薬品工業から発売された。
共同開発したノバルティスファーマも同じ薬を「イクセロンパッチ」として売り出す。
患者が指示通りに薬を使っているかどうかを一目で確認でき、介護者の負担軽減につながると期待されている。
 国内ではこれまでエーザイの「アリセプト」だけだったが、「高齢化が進み、確実に伸びる市場」と期待されている分野で、今後この分野の新薬開発が進むと期待されている。


部屋の悪臭の原因

 洗濯物を部屋干しした際などに生じやすい、ぞうきんのような臭いの原因菌はモラクセラ菌と呼ばれ、日常の生活空間にどこにでもいる常在菌の一種。洗い残したたんぱく質などを餌に増殖し悪臭を放つという。この菌は健康な人や動物には無害だが、免疫力が極端に低下していると日和見感染症を起こすことがある。臭いのもとは、化学物質4メチル3ヘキセン酸。

携帯通話で脳腫瘍リスク増大

 世界保健機関(WHO)の専門組織の国際がん研究機関(IARC)は31日、「携帯電話の電磁波が脳腫瘍を発症するリスクを増大させる可能性がある」とする調査結果を発表した。
 IARCはこれまでの調査では電磁波とがん発症について「因果関係は確認できない」との見解を示していたが、その可能性を初めて認めた。
 発症のリスクがどの程度増えるという数値は出していない。ただ、携帯電話を1日平均30分で10年以上使用した場合、脳腫瘍のリスクが40%増えるという調査結果も一部にはあるという。IARCは「携帯を頻繁かつ長期間使用する人に対する追加的な調査が必要」と指摘している。
 発症リスクを減らす対策として、頭部に携帯を近づけずに通話できるヘッドセットの使用のほか、通話ではなく携帯メールに切り替えることを勧めている。

ピロリ菌除去で胃がんの予防

 感染が原因の悪性腫瘍といえば肝がんが有名だが、おなじみの胃がんもじつは立派な「感染症」で、原因菌は、あのヘリコバクター・ピロリ菌(以下、ピロリ菌)。日本国内の感染者数は約6000万人で、上下水道が完備される以前に育った世代に多く、現・中高年層の半数~7割が感染しているといわれる。逆に今の10代の感染率は1割にも満たない。
 発見者や研究者が自ら感染し、胃炎や胃・十二指腸潰瘍の原因菌であることを証明してきたピロリ菌だが、胃がんとの関連については長らく議論されてきた。その論争に一石を投じたのは2008年に日本から発表された臨床試験。内視鏡治療を受けた早期胃がんの患者をピロリ菌の除菌を行うグループと除菌をしないグループに分け、3年間の経過観察を行ったところ除菌グループでは胃がんの再発率が3分の1に激減した。


赤ワインの認知症予防効果

 名古屋市立大大学院医学研究科のグループが、赤ワインに含まれる植物成分のポリフェノールが学習機能や記憶をつかさどる脳の海馬を活性化するメカニズムを突き止めた。認知症の予防や改善につながる研究結果で、近く研究論文が米化学誌に掲載される。
 1日にワイングラス2杯程度を飲むと、認知症に効果があることは従来、別の研究者の実験で知られていたが、メカニズムは解明されていなかった。
 岡嶋教授らのグループはマウスの知覚神経を培養、ポリフェノールを加える実験をしたところ、脳の海馬を刺激する物質「CGRP」の放出量が増加することが分かった。


原発事故の教訓


 
東電は今回の福島第一原発の事故を想定外の事故だと言うが、想定外だったのは津波の大きさだけであり、それ以後に起きた事故は安全対策を怠った人災である。原子力発電の安全対策についてはチェルノブイリやスリーマイルス島の教訓が有ったにもかかわらず、その対策を怠った。また国会で原子力の安全対策が議論された際にも耳を貸さなかった。政府は米国から日本の危機管理について対策を強化するよう提案されていたが、その対策をしなかった。しかるに、今回の事故は政府と東電の安全対策不足であり、東電は全資産を売却し、役員報酬は過去にさかのぼって返却して被害地域の住民に賠償すべきであり、政府は税金に頼らず自らの身を削って国民に詫びるべきである。

韓国で相次ぐエリートの自殺


 韓国で最も優秀な理工系の学生が集まるといわれる国立韓国科学技術院(KAIST)で、今年に入って4人の学生が自殺した。教育熱が高い韓国だが、行きすぎた成績至上主義が背景にあるとの指摘が出ており、「天才たちの悲劇」として社会問題化している。
 KAISTは、韓国の科学技術分野を引っ張る人材育成を目指して開校した全寮制大学。中部・大田(テジョン)市のキャンパスには全国からよりすぐりの学生が集まる。徹底した実力主義で、高校卒業を待たずに飛び級で入ってくる学生もいる。
 自殺との因果関係が指摘されているのが、KAISTの徐南杓(ソ・ナムピョ)総長が導入した「懲罰的登録金制度」と全講義の英語化である。
 報道によると、KAISTの学生たちは授業料を全額免除されていたが、新制度は成績を1学期4.3点を満点にして、3点未満の学生に対し、0.01点ごとに6万ウォン(約4600円)の納付を義務化。成績次第で年に最高1500万ウォン(約115万円)を払わなければならなくなった。
 英語が苦手な学生は成績を上げることが難しく、自殺した4人のうち2人は3点を下回っていた。


正しい鼻のかみ方

 花粉の季節で鼻をかむ機会も多くなりました。そこで正しく、効率よく鼻をかむコツです。

1. 片方ずつかむ。反対側の鼻を押さえてかみます。両方いっしょにかんではいけません。

2. 鼻をかむ前に口から息を吸う。鼻をしっかり押し出すために、空気を吸って準備をします。

3. ゆっくり、少しずつかむ。一度にかまない。

4. 強くかみすぎない。少しずつやさしくかんで下さい。


NHKの演出

NHK「無縁社会」で過剰演出 ネット軽視だ!出演者から苦情相次ぐ

人間関係が希薄で、孤独死が増える日本の現状をリポートするNHKのドキュメンタリー企画「無縁社会」の取材手法に批判が相次いでいる。番組にかかわった複数の出演者が、意図的に「無縁」を演出されたとして、過剰演出と不満を募らせているのだ。

NHKは「無縁社会の人はネットに逃げている」と言うシナリオを作り、その演出を放映したのではないか。


ラニーニャが世界で猛威

 南米ペルー沖で海面水温が下がり異常気象の原因となる「ラニーニャ現象」が昨年来、猛威を振るっている。西日本を中心とした大雪のほか、オーストラリアの豪雨やインドの低温、昨年はロシアや日本の記録的猛暑に影響した可能性がある。

 ラニーニャは、ペルー沖で海水温が上がるエルニーニョ現象より気候に与える影響は小さいというのが通説だが、気象庁は「地球温暖化に伴う長期的な気温上昇など、さまざまな要因がラニーニャの効果を強めたのかもしれない」としている。

 オーストラリア東部は昨年末から、豪雨に見舞われた。気象庁によると、クイーンズランド州タウンズビルでは昨年122325日の3日間で約180ミリの雨が降り、12月の月間雨量平年値167.9ミリを上回った。オーストラリア気象局によると、2010年の同国の降水量は1900年の統計開始以降3番目の多さで「ラニーニャが原因」としている。

 インド西部からパキスタンの低温にも影響した可能性があり、インドでは寒波による死者が路上生活者を中心に約100人に上ったと報じられた。西日本などの大雪もラニーニャで偏西風が蛇行、寒気が南下しやすかったためとみられている。

 昨年、モスクワで8月に最高気温37度(平年約22度)を記録するなどロシア西部は異常高温に見舞われ、日本も記録的猛暑と残暑だった。昨年春に発生したラニーニャと、その直前まで続いたエルニーニョの相乗効果とみられる。

 ラニーニャは(1)太平洋赤道海域を吹く東風(貿易風)が強まり暖かい海水を西に吹き寄せる(2)南米ペルー沖で冷たい海水が湧き上がる現象が主要因。熱帯の温水域が変化し、インドネシア近海の大気の対流活動を活発化させる。ラニーニャ発生は記録の残る1949年以降、今回が14回目で、規模、継続期間とも特異ではないという。