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2004年05月のサイト鑑賞

IEに対する嫌がらせ計画

2004.05.23

どうやら巷で異様な盛り上がりが有ったらしい運動について書いてみよう。

えっと,一連の話に関して,詳しいことはIEは窓から投げ捨てられるべきかというリンク集から各文書をご覧いただくのが一番かと思う。

でもまぁ,関連文書がたくさん有るので,自分的に要約してみる。但,なにせ読めない文書が主な文書の中で読めないのがあるので,周囲の反応から類推した部分が多いが。

ある人がこう謂った。IEのCSS対応にW3C仕様にそぐわない箇所が多々有る。で,それを知らずに使っている人が多々いる。そのためにIEで観れればいいや的にW3C仕様にそぐわないCSSを書くサイト運営者が多々いる。この悪循環を打破するために,IE使用者に不都合なサイトを作ろうじゃないですか,と。それによってIE使用者が減ると,IE対応した不正CSSが書かれなくなるのではないか,と。で,それに同調してIEだったら観れない(正確にはファイルのダウンロードを要求されるので,恐がらずにソースを落せば内容を観ることはできる)サイトを作ってみせて,「楽しそうなイヤガラセ計画」と称した。で,この運動に対する同調意見と反対意見が5月の初頭からたくさん出ている,って感じかなぁ。

まぁ,この運動に対する意見としては,やられたらやり返せっ(IEでみれりゃいい,という思想に対してIEで観れなくしてやれ)て感じなんだろう,ってくらいしか感想しかない訳ですが,一つだけ感じたことがある。

どうやら,この運動では,私のLynxも排他対象らしい。見ようとするとファイルのダウンロードが要求される。そんな特定ブラウザを攻撃するようなサイトで落させるようなファイルは恐くてダウンロード出来ないので結局観れやしない。

Lynxってのはどうやら,彼らの思想的に嫌がらせを受ける対象なンだなぁ。いや,設定を変えれば問題ないのかもしれないけど,そもそもこの運動の趣旨は設定を変えるとか,違うブラウザが有るなんて知らない初心者を啓蒙しようってものの筈だから,設定変えればいいべさ,なんて意見はないのだろうし,Lynxは捨て去るべきって思想らしい。

CSS廻りの話にテキストブラウザを巻き込むのは止めてほしいなぁ。

JIS-HTMLへの批難

2004.05.20

なんかすっかりwebにご無沙汰しているな。函館&松前に桜観に行ったり,旭山動物園に行こうとして道立子どものくにに一日捕まったりしてたからなぁ。

5月に入ってから,殆どwebを利用していない。使っているのはGNOくらいで,あとは2ちゃんねるの「ニュー速+」板観てるくらい。

これではサイト鑑賞について何も書けないなぁ,と思って適当に観てみた。そうしたら,闇黒日記で,2年も前にやってた議論[see ISO-HTMLとXHTMLに関する議論リンク集]が再燃してたみたい。

あのときは,結局最後まで論点が合わないで終わったなぁ,って感想しかなかったので,大して感慨もなかったのだけど,今回の議論を見てたら,当時何故に論点が合わなかったかが判った。

他に面白そうなネタもないので,これについて書いてみよう。

2004年5月 - マーク付けノートの2004-05-16: ISO-HTML と SGML 構文解析系より。

JIS X 4151-1992 の以下の主張をご存知でしょうか。

JISのSGML規格については長いので省略。規格の原本をご覧ください。

かつても、野嵜さんが同様の主張をなさっているのを知ったからこそ もし、この「要素」 ― すなわち「見出しを含む div」 ― をマーク付けせず、しかもそれでなお「見出しから見出しまでの範囲 (例えば div1 疑似要素のような)」を扱うことを期待するのであれば、それは最早 SGML などではない と指摘したつもりだったのですが。

ほほぅ,以前の議論での主張がこういうことだったなら,謂いたいことは理解できる。なんのことはない,石川氏は「適合SGMLシステム」にならない機能を期待しなきゃならないからJIS-HTMLは駄目だ,と謂いたかったみたい。

謂いたいことは判ったが,なんかすごく本末転倒な感じ。そりゃあ,論点が合わないはずだ。そもそも,HTMLデータにXML的な利用方法を求めているから問題があるのであって,そのために適合SGMLシステムにはない機能が必要だってだけの話なのだから。

2年も前のことなので,回想しながら。

そもそも2年前の議論の発端は,石川氏が何も知らない初心者が ISO-HTML から HTML を使い始めるのはためにならないと思うとし[see だから ISO/IEC 15445 は駄目なのである(1)],その理由が今更 XML 応用でない HTML を推奨すること[see だから ISO/IEC 15445 は駄目なのである(2)]と,見出しを含む「章」や「節」を div 要素として明示することができないこと[see だから ISO/IEC 15445 は駄目なのである(3)],というものであった。ただ,後者の理由は,前者を強化するための理由付けであるようであったが。

で,この理由付けについて,JIS-HTMLでも判るでしょ,という反論に対する主張が,理念がきちんと SGML 宣言や DTD に表出していなければ,その理念は全く意味を持ちませんというもの[see だから ISO/IEC 15445 は駄目なのである(4)]で,これの意味するところが適合SGMLシステムにはない機能を期待するな,ということであったということなのであろう。

扨,SGMLとして作られたデータはSGMLとしてしか利用してはならない,と謂う主張ならば石川氏の主張は正しいと私も思う。しかし,製作者の予定していた利用方法とは違った利用を利用者がしたいがために,適合SGMLシステムではないシステムを使うことにはなにも問題はないと思うのだが。つまり,SGMLに適合したデータをSGMLとしてではなく,XMLを作成するための元データとして利用するってことだから。そこに,適合SGMLシステムである理由はなンてない訳で。

石川氏がXMLを薦める理由は,石川氏がXMLを利用したいことであるようだ。まぁ,自分は別に利用したいわけじゃないが,人に利用させたいってだけかも知れないが。

で,利用者がXMLを使いたいがために,製作者に負担を強いる,まして,製作者が不正なデータを作っているなら非難も出来ようが,正しいデータを作っているにもかかわらず非難している訳だ。これはおかしい。

要は,自分は不正な処理(かどうかは不明だが,適合SGMLシステムではないシステムを使うこと)をしたくないから,正しいデータを作っている製作者に,自分のために自分が推奨するデータを作れ,と謂っていることになる。

そういうことなら私の主張は,JIS-HTML的に正しいデータを作っていて,しかも利用者のほうで非適合のシステムだろうがなんだろうがを使えばXMLに読み替えも可能なデータを作っているのならば,利用者側で労力を負担すれば良い,というもの。勿論,その非適合のシステムによる変換を製作者側で負担しても良いが,非適合のシステムを使わざるを得ないのは,XMLでの利用を望んでいる利用者なのだから,その利用者が製作者に対して,非適合システムを使うな,と謂ってどうするのか,というもの。

そういう面倒くさいことを自動でやらせるための,コンピュータだと思います。それが適合システムではないから使ってはならない,ってのは可笑しい話です。初心者が手でxHTMLを書かなければいけない訳ではないならば,これから学ぼうという人は初めから XHTML を学んだ方が良いという話も成り立たないことになります。結果出来上がるデータに違いがないならば,データの書き方よりも,正しい文章を書くことに主眼を置いたほうがいい。

結局,石川氏の謂いたいことは判ったけれども,謂ってることが判らないのは以前と変わらないって話ですかね。まぁ,結論としては,久々に自分の書いた文章を読み返すいい機会でした。

文責,その他

I love ISO-HTML! Valid JIS-HTML!