2005年12月分


2006/02/24つくられた卑弥呼〜<女>創出と国家/義江明子/筑摩書房
2006/02/24迷い雲〜甲次郎浪華始末/築山桂/双葉社
2006/02/24不死身の落語家(はなしか)/春風亭柳桜/うなぎ書房
2006/02/14マオ〜誰も知らなかった毛沢東/ユン・チアン著 ジョン・ハリデイ著 土屋京子訳/講談社
2006/02/02駅伝がマラソンをダメにした/生島淳/光文社新書

つくられた卑弥呼〜<女>創出と国家/義江明子/筑摩書房

つくられた卑弥呼
義江明子著
筑摩書房 (2005.4)
通常2-3日以内に発送します。
ISBN:4480062289
価格:\714
 いつも日記を読ませてもらっているt-kawaseが紹介していた本。→
実は同じ筆者の別の単行本を紹介していたのだが初めてこの方の本を手にするのであわせて書名の出ていた新書のほうに手を出す。
 我々が持つ”卑弥呼”のイメージといえば学校の教科書にも出ていたように”巫女”の役割を果たす祭祀専門であり実際の政治は彼女を補佐していた男弟が行っていたというもの。
 この”つくられた”卑弥呼のイメージに対して魏志倭人伝や風土記、日本書紀などを改めて読み直しこの時代女性が政治実務を担当していた可能性を明らかにしていく。
 読んでいてなかなか面白かったが、女性実務担当者がいたとしてもやはり少数派ではなかったのかなぁという印象は拭えない。
 現在我々が持つ卑弥呼や古代の女性に対するイメージは近代以降に形成されたと指摘する。
この指摘が大変興味深いんだけどそれについての記述が本書ではあまり紙幅をさかれておらず残念。
タイトルに興味を引かれたのはまさにこの部分なので不満が残る。
義江氏のほかの著作を当たらないとだめなのかな。

迷い雲〜甲次郎浪華始末/築山桂/双葉社

迷い雲
迷い雲
posted with 簡単リンクくん at 2006. 2.24
築山桂著
双葉社 (2006.1)
通常24時間以内に発送します。
ISBN:4575662291
価格:\630
 築山桂さんの甲次郎浪華始末シリーズ第四弾。
本作のキーワードは”捨て子”。江戸時代の捨て子の扱い方などもわかってなかなか興味深い。
シリーズ第一作、第二作は主人公甲次郎にかかわる事件や彼の出生の秘密に焦点が当てられていたがここの所主人公の周りで起こる事件に変わってきているようだ。とはいえ主人公と周りの人間関係は少しずつ進展しているようだし次の展開が気になる。そろそろシリーズ完結の予感もしますがどうでしょうねぇ。

不死身の落語家(はなしか)/春風亭柳桜/うなぎ書房

不死身の落語家(はなしか)
春風亭 柳桜著
うなぎ書房 (2005.12)
通常24時間以内に発送します。
ISBN:4901174207
価格:\1,890
   難病・ビュルガー病の為、まず右足を切断しさらに左足まで切断してしまった噺家春風亭柳桜師の闘病記。実はつい先ほどまでこの方のお名前存じ上げていなかった。この本にも紹介されていたが長年開かれ師も参加している日暮里特選落語会に足を運んで始めて拝見したのは実は昨年の末。その日の日記にも触れたがまったく知らなかったので高座にいすが出てきたときは一瞬えっ?っと思ったがこの本を読んで単に足が不自由と一言で片付けられない状況だと知った。この本は落語会当日受付でも販売されていたが相変わらず図書館本で失礼。
 闘病記といってもそこは噺家さんの書く本だから深刻な描写はほとんどない。もちろん闘病の記述なのだが深刻な難病であることをついつい忘れさせてしまう。現在では高座だけでなくいろんなところで自らの体験を語る講演会などもやっているようだがこの方の話を聞けば重い病気や体に障害を持ち、つらい思いをしている人も励まされるのだろう。ちょっと間が空いてしまったがまた日暮里特選落語会に足を運びたい。

マオ〜誰も知らなかった毛沢東/ユン・チアン著 ジョン・ハリデイ著 土屋京子訳/講談社

マオ 上
マオ 上
posted with 簡単リンクくん at 2006. 2.14
ユン・チアン著 / ジョン・ハリデイ著 / 土屋京子訳
講談社 (2005.11)
通常24時間以内に発送します。
ISBN:406206846X
価格:\2,310
 上下2巻1000ページを超える超大作の中身を一言で言うと"毛沢東はいかに残虐で冷酷でとんでもない人間であったか”ということ。というかそれしか書いていないともいえる。 あちこちでこの本に対する批評批判が書かれているがもちろん僕にはこの本で取り上げられた毛沢東や周りの人間のエピソードの真偽を判定する知識などあろうはずがない。 大体が、文化大革命とは、林彪事件とは、毛沢東とはいったいなんだったんだろうと疑問を持って手に取ったのに、そういう幹の部分はすっかり取り払われていて毛沢東はこんなにひどいことをやった。そのためまわりにいた人間がこんな目にあったなんて枝葉末節の話を延々と読まされる身にもなってくれといいたい。(まぁその枝葉末節で何千万人もの人間の生命が奪われているわけですが)  以前読んだ高島俊男氏の”中国の大盗賊・完全版”は中国史に出てくる王朝の多くは大盗賊が立てたものだと時代を追って語りながら、中華人民共和国も毛沢東という大盗賊の国家だと主張する本だった。本書は”中国の大盗賊・完全版”を補完するものといえるが、補完に1000ページはやっぱり多すぎるよなぁ。 <中国現代史の幹の部分に対する自分の知識のなさを思いっきり棚に上げまくっていますが。

駅伝がマラソンをダメにした/生島淳/光文社新書

駅伝がマラソンをダメにした
[[生島淳]]著
光文社 (2005.12)
ISBN:4334033350
価格:\735
通常24時間以内に発送します。
 タイトルを見ると駅伝批判・マラソン擁護の趣旨でかかれたように見えるがそれは過ち。実は駅伝の魅力をさまざまな角度から伝える本。 長い歴史を持つ箱根駅伝((正式には東京箱根間往復大学駅伝競走))だが1989年の日本テレビによる全区間完全生中継実施前と後では大きくこの競技の持つ意味が変わってしまった。といっても筆者は単純にマスコミ主導の競技運営体制を批判するわけでもない。元々は関東ローカルの一駅伝大会に過ぎなかった箱根駅伝が全国的に広く知れ渡るようになるとその知名度を利用しようとする大学側の思惑が生じる。箱根駅伝で活躍し大学の知名度を全国区にするために新興大学がさまざまな趣向を凝らす。のんびり構えていた伝統校も危機感を覚えて何とか名門復活を目指そうと必死になる。もちろん大学だけでなく選手個々人・コーチ監督たちもさまざまな方向から箱根に勝てるチーム作りを目指していく。そのやり方は単純なものではない。各大学・監督コーチごとの個性が見えてきて楽しい。 残念ながら箱根駅伝が終わってからこの本を読んでしまったが読みながら駅伝中継を見ていればおそらく大きく印象が変わっていただろう。  で、タイトルに関連して述べると、箱根駅伝の注目度があがるにつれ、箱根駅伝に勝つための練習・チーム構成が必要になる。箱根駅伝で完全燃焼してしまい燃え尽きた後の競技生活では期待されたほどの成績を残せない選手も出てくる。また箱根駅伝1区あたりの距離が長いなどどうしても特殊性もあり箱根駅伝用のチーム編成が必要になってくる。全国的な知名度を持つことから関東近郊だけでなく全国の中高生長距離競技選手たちがみな関東の大学を目指した結果地域的な偏りが出てくる。その結果マラソンほか長距離競技選手育成に弊害が出てくる。 ってのが表題。もちろんそれはそれで説得力があり何らかの対策が必要な過大だと思うがこの部分を表題に持ってくるのはやや看板に偽りありか。 この著者は以前読んだ”スポーツルールはなぜ不公平か”もそうだったが、書名をつけるのが旨いというか看板に偽りありの本が多いというか、まぁ本書も面白かったからいいんですけどね。


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