Seal



Seal

(ZTT:1991年)





 当時はかなり新鮮だったよなぁ、この音。鬼才と言われたトレヴァー・ホーンのプロデュースで、フワフワしたなんとも言えない浮遊感の中にシールのあの叫び声が混ざる感覚がまた絶妙で、琴線に触れてくるんだよな。アルバム通じてどこか覚醒的な雰囲気があるって感じだ。しばらく音沙汰なかったから「消えたのか?」(失礼)なんて思ったけど、2作目もリリースされたし一安心。ずいぶん聴き倒したね、コレは。







Human Being

(Warner:1998年)





 「ブラック・ミュージック」って言葉、いつのまにか聞かれなくなってきたなぁと思う。それだけ黒人達が演る音楽の幅が広がってきた証拠だね。彼もそういう壁を悠々と乗り越える一人。もっと彼のような、黒人=R&Bみたいな図式を壊すようなアーティストが出てきて欲しいと思う。前作でグラミーを獲得してから一躍イギリス国内から世界的にまで知名度を上げたけど「あんまり派手な方に行かなきゃいいなぁ」とは思ってたがいらぬ心配だった。アコギやサンプリング、ストリングスなど、音の引き出しやアレンジ方法は確かに増えた。今までにないようなドラマティックな展開の曲もある。でもあくまでそれは彼の歌声を引き立たせる為の道具に過ぎない。その姿からは想像もできないような(笑)包み込まれる感覚が、この上なく気持ちイイ。スリリングでもあり、癒される。




書籍 音楽CD キーワード(半角英数)


Copyright (C) atsu-i@remus.dti.ne.jp