Portishead



Dummy

(Go! Discs:1994年)





 陰鬱な空気、ダウナーで内省的な音響。いわゆるブリストル・サウンドの概念を作ったのがこのデビュー・アルバムだと思う。かなりヘヴィなダブ・サウンドで暗いな〜と思われがちなところなんだけど、なんていうかクールなんだよね。90年代中頃のイギリスのシーンではアブストラクトやらトリップホップなんてのがキーワードになったけど、それだけこのグループや他のブリストル勢の影響がデカいんだと思うな。CMでもかかるくらいメジャーな存在にもなったしねぇ。ちょっと前じゃ信じられなかったな。







PNYC

(Go Beat:1998年)





 97年7月にNYのローズランド・ボールームで行われたライヴ。ジャケを見てもわかる通りオーケストラを従え、かなり緻密に作った音になってる。なんか不思議な違和感があるなぁと思った。よく考えてみると普通のライヴ盤にあるような観客との一体感とか興奮があまり伝わってこない。ただ曲が始まった途端、とてつもなく冷えた空間がそこに広がっていくのがわかる。正直言って、凄い。「そこに別世界を作ることが、僕らの目的」と言う彼らの言ってる意味が垣間見られる。曲の合間に観客の歓声が聞こえて初めて、「ああ、コレ、ライヴなんだ」とわかる。素晴らしいことは確かだけど、いわゆるライヴ盤として楽しめるモノなのかどうかはわからない。でもコレを聴いたら、絶対ライヴを観たくなる。ただじっと突っ立ったままで、この世界を体感したくなる衝動に、誰もが陥るでしょう。




書籍 音楽CD キーワード(半角英数)


Copyright (C) atsu-i@remus.dti.ne.jp