作品考察

<〜ツェペリ家についての考察〜>

第一部から。

ツェペリ家について。ジョナサンとツェペリ、親子ほど年の離れた間柄なのにその孫同士がほとんど同年齢なので「ツェペリ家って晩婚なのね」なんて思っていたら、[4巻p161]では「わしは、若い頃結婚していた」って言っています。気になったので調べてみました。年代は単行本及び公式資料集から。

ウィル・ツェペリ(以下ウィル)の生年は1838年。1858年にウィルの父による船内惨殺事件があり、それから消えた石仮面を求めて世界中を旅行、チベットに渡り波紋の修行を始めたのは2年後の1860年。1863年に修行を終えた後、石仮面の捜索を再開。ここから、「石仮面のために家族を捨てた」のは1858年のことだとするのが適当でしょう。

仮にウィルの息子であるマリオの生年を1858年としましょう。ちなみにジョナサンの生年は1868年です(ジョセフの祖父よりシーザーの父のほうが年上!)。シーザーの生年は1918年、マリオ60歳の時の子供。その後4人の娘をもうける。シーザー10歳の時、つまりマリオ70歳の時突然蒸発、カーズたちを倒す方法を知るため世界中を旅行。マリオとシーザーが再会するのは1935年、ここでマリオは死亡。享年77歳。

確かに論理としては成り立ちます。しかし釈然としないものが残りませんか。以前考えていた説は「マリオはウィルの波紋修行後にできた子供ではないか」、あるいは「ウィルとマリオの間に、もう一世代挟まるのではないか」というものでした。どちらの説も純粋に推測であり何の裏付けもなかったため保留していたのですが、ここで単純な事実に気付きましたので、第1の説「マリオはウィルの波紋修行後にできた子供ではないか」について再度考えてみたいと思います。

その事実とは「シーザーは生まれつき波紋が使えた」ということです。それは[10巻p53]での回想シーンに描かれています。波紋は本来修行によって身につけるものですが、例外として生まれつき使用できる者もいます。その良い例がジョセフです。しかし、ジョセフも祖父ジョナサン(あるいは母リサリサ)が波紋使いであったための影響と考えることができるのです。つまり、シーザーの先天的な波紋の素質は祖父ウィルか父マリオの影響だと言えるでしょう。そして、はっきりと断言はできないのですが、マリオはシーザーが生まれた時には波紋を使えなかった可能性が高いのです。それはマリオが「この壁の中の生物を倒す方法を知るため世界中を旅していた」[10巻p61]という記述からです。これはカーズたちの遺跡を発見した後に波紋法を知ったということを示唆していると思われます。

こう考えていくと、シーザーに影響を及ぼしたのはウィルの方であり、マリオはウィルの波紋の修行後にできた子供であると思われるのです。このように仮定すれば年齢の疑問点もある程度緩和され、シーザーがウィルの孫であるとの設定も矛盾の少ないものとなると思います。

また、シーザーの存在をSPW財団が関知していなかったことはまず間違いないでしょう。そうでなければシーザーたちがあれほど極貧の生活を強いられるはずがありません。マリオとリサリサが以前から知り合いだった[同]ことを考えれば、マリオは自分の家族について多くを語らなかったものと思われます。「祖父の意志をうけつぎ 波紋の修業に生涯をかけ」[同]という記述から、ウィルについての情報は十分に得ていたようですが。

ウィルの死に際の言葉を解釈すると、逆にウィルの方ではマリオの存在を知らなかったのかもしれません。後のことをジョナサンたちに心配させまいとするウィルの心遣いだったのかもしれませんが。

付記:連載時はウィルは「結婚していなかった」という設定になっていました。まぁ結婚していなくても仗助のように子供は産まれるわけで……。どちらにしろ、私のここでの論はそれらの「結婚」とは直接関係のないものとなっています(もちろんそれに付随した4巻の後書きコメントにも)。