服部克久氏に対する裁判 ―最高裁の決定―

平成14年(オ)第1763号
平成14年(受)第1793号

決定

上告人兼申立人/服部克久
同訴訟代理人弁護士/神谷信行
同/朝日純一
同/山之内三紀子
同/西畑博仁
同/大江忠
被上告人兼相手方/小林亜星
被上告人兼相手方/有限会社金井音楽出版
同代表者代表取締役/原 一
上記両名訴訟代理人弁護士/井上準一郎
同/佐藤隆男

上記当事者間の東京高等裁判所平成12年(ネ)第1516号各損害賠償請求本訴、著作権確認請求反訴事件について、同裁判所が平成14年9月6日に言い渡した判決に対し、上告人兼申立人から上告及び上告受理の申立があった。

よって、当裁判所は、次のとおり決定する。

主文

本件上告を棄却する。
本件を上告審として受理しない。
上告費用及び申立費用は上告人兼申立人の負担とする。

理由

1 上告について

民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは、民訴法312条1項又は2項所定の場合に限られるところ、本件上告理由は、違憲及び理由の不備・食い違いをいうが、その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに上記各項に規定する事由に該当しない。

2 上告受理申立について

本件申立の理由によれば、本件は、民訴法318条1項により受理すべきものとは認められない。よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

平成15年3月11日
最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官/藤田宙靖
裁判官/金谷利廣
裁判官/濱田邦夫
裁判官/上田豊三

~最高裁決定内容解説~

最高裁は上告理由について判断するが、上告人が提出した上告理由書によれば、法律に定める上告理由及び受理申立理由を記載していないために、最高裁判所は実質的な判断をすることなく、上告棄却及び不受理の決定をした。
小林側も上告理由書及び受理申立理由書を謄写して詳細に検討したが、最高裁が、高裁判決に影響を与える決定を下す可能性がないと判断して、あえて反論書も提出しなかった。
即ち、上告人代理人も高裁判決を覆すことが出来る上告理由を発見することが出来なかったためと考えられる。従って、東京高裁の判決は、当然の結論と音楽著作権に関する判断基準を明らかにした判決とし、後世高い評価をうけるであろう。
小林亜星本人が述べるように、東京高裁の判決は、今後の音楽著作権実務を指導する判決として、重要な歴史的な役割を果たすことは間違いない。但し、音楽著作権に関しては多数の未解決の問題があり、今後音楽著作権訴訟を通じて、ひとつひとつ解明する努力を続ける必要がある。

平成15年3月11日