6月2日 リバティSC主催交流戦

6月2日、足立区立保木間小学校においてリバティSC主催交流戦が開催されました。


チーム構成

 T.F.C. U-11

  5年            4年      3年

   門馬 克生 千葉 大雅   安村 謙佑   長澤 結登

   西澤 大志         小島 駿介

   塚田 翔吾         川崎思結斗

   奥  公誠         矢作 悠人

   藤村 直樹         山本 遥斗

                 谷岡 伶哉

                 廣瀬 優樹



試合結果(8人制、15分ハーフ)


  T.F.C. ー リバティ_A

   5  ー  0   藤村直樹 3  小島駿介 1  矢作悠人 1


  T.F.C. ー リバティ_B

   0  ー  4


  T.F.C. ー ひまわり

   0  ー  1


  T.F.C. ー フレンドリー

   1  ー  6   安村謙佑 1


    (8人制、15分)

  T.F.C. ー リバティ_B

   1  ー  3   安村謙佑 1


  T.F.C. ー フレンドリー

   1  ー  3   西澤大志 1


  T.F.C. ー ひまわり

   2  ー  0   門馬克生 1  谷岡伶哉 1



総 評

「日本の家は木と紙で出来ている」と言った西洋人がいたそうです。

コーチが子供の頃に聞いた話でしたが、この言葉の響きにとても違和感を覚えた記憶があります。

大人になってヨーロッパを訪れたとき、日本の家が「紙で出来ている」という彼らの感覚が何となくですが理解できました。彼らの家は「石で出来ている」んですよ。。

また、そこに暮らす人々も日本人とは大きく異なる文化を持っていました。特に「良いモノは良い」「悪いモノは悪い」といった『個人の』感性がとてもハッキリとしていること、そしてその感性を表現すること、他人に伝えることに費やされるエネルギーは日本人の100倍はあるように思います。

レストランでマナーが悪ければ「ジャパニーズ!!」と叫ばれ、街中で他人に優しい(特に女性に対し)振舞いをすれば「ユー アー ジェントルマン!!」とすれ違いざまに声をかける光景を目の当たりにし、少なからずカルチャーショックを受けました。

またイタリアでは「劇場空間」の文化を強く感じました。スタジアム、歌劇場はもとより、美術館や文化遺産に至るまで、芸術性に富んでいるのは勿論の事、何と言うか「非日常性のテンションの高さ」とともに、それが至る所にちりばめられた生活文化を昔から営んできている印象を強く持ちました。

サッカーという同じスポーツにおいても、選手たちの背景にあるものが異なれば、いろいろな形のバリエーションが生まれてくるのは当然のことかも知れません。

実際にコロッセオ(ローマにある大昔の円形競技場)に足を運んでみると、日本とイタリアではサッカーの歴史がどうのこうの以上に、何かもっと大きな違いを感じてしまいます。

海外の育成事情に触れる機会も多くなりましたが、日本人の感覚で文面をそのまま理解しただけでは、おそらく誤解を招いたり、大事なものを見落としたりする可能性があるかも知れません。

ザッケローニ代表監督は、日本人選手たちにどんな感触を抱いているのか聞いてみたいです。。


イタリア絡みの話をもう2つ。。

「水の都」と称されるベネチア。水に浮かぶ街と話には聞いていましたが、一体どんな所なんだろうと思っていました。実際街中に入ってみると、浮いているというよりは建物の間を運河が何本も流れているといった感じでした。

この島の建物は、地盤の緩い干潟の上に建てられています。「石で出来ている」建物の下には、無数の丸太の杭が打ち込まれているそうです。

立派で荘厳な建物が水上に浮かんでいるように見えるのは、どうやらこの無数に打ち込まれた杭がそれを可能にしているようです。もしこの杭を打ち込まずに建物を建ててしまうと、せっかくの建築物が沈んだり傾いたりしてしまうかも知れません。

さて、ここからはサッカーのお話になりますが、みなさんもタルタルーガでサッカーというお家を一所懸命建てている事と思います。主な材質は石でも木でも紙(?)でも構いません。もう既に人が住めるくらいに建設が進んだ選手もいることでしょう。中には、誰もが欲しがるような個性的な家を建設中の選手もいます。

そんな選手たちには実にショッキングな話かも知れませんが、現在建設中のお家は「仮設住宅」です。いつか解体して、新たな家を建て直す時期が訪れます。もうその時が来ている選手もいます。

そんな選手は、お家の建て方は既に分かっているはずです。この際、思い切って新しい設計図を描き直してみてはどうですか。

小学校高学年と言えば、少年サッカーの集大成を見たい時期ではありますが、タルタルーガではこの時期になると、ほとんどの選手がコーチに壊されます。それが嫌で移籍する選手も多くいますが。。(笑)

みなさんの「仮設住宅」を見ると、既に傾きや沈下を起こしている選手もいます。また、このまま建物を上積みしても、次期にそうなることが見える選手もいます。

現状の建築物に対しての「傾き」「沈下」の現象・予兆が「伸び悩み」「行き詰まり」感を漂わせる原因なのではないでしょうか。

逆に建築物に比べ、十分に土台がしっかりしていて余裕がある場合は「伸びしろ」を感じるかも知れません。


建築物の新しい設計図を描く勇気のある選手は、夢と希望に満ちた設計図にしましょう。

材質が石で3階建ての建築物であれば、その土台はどれほどの強度が必要でしょうか。ベネチアの干潟では、どこも同じように柔らかい地盤かも知れませんが、みなさんは一人ひとり土台の「質」が異なります。

どの選手も設計図通りの建築物を建てるために、理想の土台を手に入れなくてはなりません。そのためには、無数の杭を土台に打ち込んでいく以外に方法はないと思います。

もともと硬い土台、柔らかい土台と個人差はあるかも知れません。いずれにせよ立派な建築物を建てるためには、多くの杭を打ち込む作業は、どんな土台にも絶対に必要です。

この「杭打ち作業」が、みなさんの将来の建築物を確かなものに出来るかどうかの最大のバロメーターだと考えています。コーチは「誰に」「どんな杭を」「いつ」打ち込むかを常に考えています。最初は痛みを感じるかも知れませんが、慣れてくると喜びや快感に変わります。。(笑) そのあたりのことは、克生くんに聞いてください。


今後、杭打ち作業をフォーカスしていくにあたり、お伝えしておきたいことがあります。

まず全員に共通の「身体を動かす」「頭を動かす」「闘う」杭を打ち込みます。大志くんは「身体」、直樹くんは「頭」、翔吾くんは「闘う」を他の選手の10倍サービスしておきます。

これ以外にも無数の杭を準備してありますので、楽しみにしておいてください。

最後に、何故今までのサッカーを「仮設住宅」と表現したかを説明しなければなりません。それは、早くから建築物で目立つ事が出来た選手に限って「杭打ち作業」にアレルギー反応を起こす傾向が強いからです。過去も現在も。。

みなさんにいつも「個性を出す」「目立つ事」を意識してもらっているコーチとしては、頭の痛い問題です。

「我流」「ワンパターン」にならず、長所を活かす「幅」を身につけて欲しいところです。

アントニ・ガウディのカサ・ミラのような「仮設住宅」を建てる選手が毎年多く出てくるのが、うちのチームの特徴です。直樹くんもその1人ですが、彼のような「ガウディ君」タイプの選手を「スーパーガウディ君」にするのが、コーチの仕事だと思っています。

「眺めるには最高だが、住むにはチョット。。」という「仮設住宅」から「外観も居住性も最高。。」という家に進化出来るかどうか。。

そのためには電気、水道、ガスといった最新の生活インフラがどうしても必要になってきます。古くなった電線や配管を、より利便性の高い器具に合わせたものに変えたいのです。この工事を行わなければ、一部のマニアだけが住むアパートになってしまいます。

「ガウディ君」に限らず、隣に最新のアパートが建っても、絶対に負けて欲しくはありません。そのためには絶えずリフォームを繰り返していかなければ、居住者の人気を保つ事は難しいでしょう。

現状のサッカーを「仮設住宅」と考えられる選手は、もっと上を目指せる「向上心」のある選手です。自分の殻を破れる「勇気」のある選手です。こうしたトレーニングをたくさん積んで、3種に上がっていってください。


これから新しい家を建てる決意をした選手には、最新の生活インフラを整えるのがどれほど困難なことか実感させられると思います。エリート選手とみなさんの違いは正にこの部分です。どの部分で追いつき、どの部分で勝負するのかをはっきりとイメージしながら、サッカーに向き合っていきたいと思います。

「電気・水道・ガス」に対し「身体・頭・闘う」から始めます。これからのみなさんは「壊しては創り、壊しては創り」の連続になります。「創る能力」とともに「壊す能力」も求められるようになるでしょう。

土台の部分では、ベネチアの街のようにたくさんの杭を打ち込んでいく作業になりますが、壊さなければ「見えない杭」「打てない杭」もあります。

これらの作業は全て、みなさんの設計図を完成させるために必要なものであると考えています。「絶対に完成させてみせる」という「夢と希望」が、これらの作業を進めていくためのエネルギーになると思いますので、絶えず「目の輝き・目力」でアピール出来る選手でいてください。


イタリア絡み2つ目は、タルタルーガ。。

タルタルーガはイタリア語で亀のこと。どうしてチームにこの名前をつけたかを発表します。

イタリアの鉄道(日本のJRにあたる)に、亀が急いでいるキャラクター(マーク)がついていました。なんだかユーモラスで気に入りました。言葉の響きも悪くなかったので、何かで使おうと思っていました。

チームが正式にサッカー協会に加盟する時に、この言葉がどうしても頭から離れず、結局「タルタルーガフットボールクラブ」という名称で登録してしまったのです。

この言葉に意味や方針、理念といった類いのものは一切ありません。。

他のチームの子に「タルタルソース。。」と言われても、その時は笑って許してあげてください。。

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