11月6日、埼玉スタジアム第3グランドにおいてJFAキッズサッカーフェスティバルが開催されました。
チーム構成
T.F.C. U-6
年長 年中
沼口 彰恭 星野 暖人 鹿島 悠月
大澤 陽斗 緒方 真吾 齋木 武弥
池田 悠真 岡田 佳大
大平 啓太 佐藤 和磨
安村 幸優 斉藤 秀輝
牧野 漣音
笠井 航汰
下野川 迅
総 評
U-6チームのみなさん、保護者の方々、雨の中の試合、大変にお疲れさまでした。
タルタルーガFCの選手として試合に参加していただき、ありがとうございました。
このフェスティバルのために創られた即席チームでしたが、そんな子供たちの中から本格的にサッカーをやりたいという選手が現れてくれたのはとても嬉しい事です。
みんなと一緒に練習を始めてからまだ時間がそれほど経っていませんが、成長を感じられる選手もいます。
選手としてスタートを切ったみなさん、サッカーコーチって何をしてくれる人だと思いますか。。
知らない事や分からない事、難しい事を教えてくれる人。。出来ない事を教えてくれる人。。正解です。
だけどタルタルーガの選手になったのであれば、これからはこう考えてください。「出来ない事を自分で出来るようになる訓練をしてくれる人」。また知らない事や分からない事、やり方・方法は、みなさんが気付くようにコーチがチラチラ見せますから、それに反応してください。興味を持ってください。勇気を出して聞いてください。やってみてください。そのようなセンスを獲得して小学生に上がって欲しいと思います。
コーチがみなさんに対して最初に行った2つの事をお伝えします。
1、何が出来て何が出来ないかの把握
2、出来ないものにぶつかった時の対処の仕方の把握
このうち「出来ないものへの対処の仕方」は重要視しています。
最初から、みなさんにはとても厳しく接してきたと思います。いろいろと練習を重ねれば、当然出来ないものにもぶつかってきます。その時に「手取り足取り」指導する事はしませんでした。デモンストレーションも数回しか行いません。「見る時に見る」「聞く時に聞く」「失敗をたくさん経験する」「とにかくやってみる」「自分で考える」「きれない」「あきらめない」。。ボールを蹴る以前の土台の部分を厳しく行いますよというコーチからのメッセージです。
はじめて体験に来る園児たちにも、同じスタンスで接します。今どきこんなチーム、誰も入りませんよね。。(笑)
みなさんは、そんなチームでサッカーをすることに「楽しさ」を感じるセンスがあると判断しました。「楽しめる能力」と「上手くなる能力」は比例するとコーチは思います。
小学生になると「逞しさ」「クリエイティブさ」「個性」の獲得をテーマにサッカーをします。みなさんの先輩たちには、そのような能力を持った選手がたくさんいます。実戦で「個性」を発揮するためには、どうしても「逞しさ」が必要になります。多くのタレント選手を抱えるコーチとして「逞しさ」の訓練の機会を提供することは、とても重要なことだと考えています。
「逞しさ」の部分を刺激するには、小学校低学年までが重要な時期だと感じています。4年生ぐらいになると、選手の方からコーチに「逞しさ」を要求・アピールしてきます。そのような選手になるためには、ある程度の訓練が必要になります。
普段の練習でも、走ったりぶつかったり、転んだりをたくさん経験していることでしょう。その度に「疲れた」「痛い」「苦しい」と感じるのは、みんな同じですし当たり前のことなんです。それでもボールを蹴ることが「楽しい」と感じる事ができるかどうかが「逞しさ」だと思います。
サッカー協会の指導指針の中に「子ども達にサッカーの楽しさを伝えること」「自分自身で判断し解決する力を身につけさせること」「思ったとおりに表現できるように技術を身につけさせること」の3つが指導者の重要な仕事であるとあります(Players First ハンドブック)。
それぞれ個別には、たくさんのアプローチの仕方があると思います。それらを一つの言葉に集約すれば「逞しさを引き出す」ことになるのではないかと考えます。
U-6選手でしたら、楽しさを伝えることがメインになりますが、楽しみの場や機会を提供するのが指導者の役割ではありません。選手一人ひとりの楽しみ方を「深く、広く、大きく」成長させることが一番の仕事だと思っています。
練習メニューや方法は大事ではありますが、全てではありません。資格を持ったコーチなら、誰でも出来ることですし、内容もそれほど異なるものにはならないでしょう。
みなさんの先輩たちでJリーグのチームに入団したり、いろいろな結果を出したりする選手には共通することがあります。それは「自らの逞しさを引き出す」能力が非常に高いことです。決して「素晴らしい練習メニュー」をたくさんこなした選手が一流になっているのではありません。今まで、このことには一人の例外もありません。
逆を言うと、才能やセンス、素質を感じさせる選手であっても「逞しさ」が足りない選手は結果が出ていません。
「技術の獲得」においても、10やって15の結果を出す選手もいれば、1しか出せない選手もいます。やはり「逞しさ」の違いが結果に反映されます。
どの選手にも技術を獲得させようと考えれば「逞しさ」にフォーカスせざるを得ないのです。上手くならない選手はその辺りに課題があります。
一口に「逞しさ」といっても「身体が強い」「気持ちが強い」ということだけではありません。選手によって「逞しさ」の内容が変わってきます。小学生になると、そういったことにフォーカスされる機会が当然の事ながら増えてきます。
U-6では「逞しさ」=「楽しむ力」と考えましょう。自分の調子の良い時や都合の良い時だけでなく、上手く行かないことに挑戦している時、なかなか前に進まない時でも「楽しい」と感じられるようなサッカー大好き選手にみんなでなりましょう。