9月11日 FCアレグリ交流戦

9月11日、神根グランドにおいてFCアレグリ交流戦が開催されました。


チーム構成

 T.F.C. U-11

  5年生     4年             3年

   大熊 一輝   門馬 克生  中谷 晃生   小島 駿介

   稲井 一隆   古川 拓人  宮島 絢音   矢作 悠人

   野村 大樹   朝倉 圭祐  伊藤 龍成

   松井 祥大   西澤 大志  鈴木 崇矢

           濱田 蒼唯  弓削田洸樹

           塚田 翔吾  奥  公誠

           藤村 直樹  渡辺 優矢

                  中道 麗心

総 評

上の写真は昨年、柏レイソルと対戦した時のものです。

ボールに対して「足」からいく選手と「身体軸」から寄せる選手の違いがはっきりと写し出されています。

ルーズボールに対してのとっさのプレーですので、日頃の習慣が表れたものだと思います。

身体軸・重心の移動、体幹主導の動きをみなさんには意識してもらっていますが、試合の写真を見ると、みなさんのバタバタ感が見事に伝わってきます。(笑)

相手に身体を寄せる場面では、文字通り相手に身体軸を寄せなければ対応出来ませんが(写真左)、先に足を動かしてしまう(足出し対応する)身体軸の移動クオリティが低い選手が多いです。さらに最悪なのは相手の移動方向と逆に重心を掛け、軽くなった方の足を投げ出して対応する選手です。当然2歩目以降が着いていかないので、全くサッカーになりません。そんなレベルの選手が少なからずまだ存在します。

「おへそ」を先行して動かすイメージ、股関節の使い方、膝のヌキ、方向等をフォーカスしながらドッジング練習をしていますが、まだまだサイドステップ対応の頻度が高く、クロスステップを上手く混ぜながら使いこなせる選手はいません。

相手の身体軸の動きに自分の身体軸を対応させる能力、また相手に対応させない身体軸の移動クオリティを追求することが、1対1の基本になると思います。ボールさばきばかりに目を奪われがちですが、間合い、懐の広さ、緩急、勝負勘の質を向上させるには、軸移動の能力は絶対に必要不可欠です。

「自分」「ボール」「相手」の関係性を再度見直しましょう。単純に「スピード」という一言で片付けてしまえばそれまでですが、軸移動の「質」や「原理」を模索することは「速さ」「強さ」「合理性」の獲得につながると思います。

またボールをキックする際も「蹴る力」よりは「身体軸を移動させる力」を見ています。「蹴る力」が身体の前の方の筋力を使うのに対し「軸移動の力」は身体の後ろ側を使います。身体の前と後ろのバランスの良い使い方をみなさんには求めています。

インパクトの瞬間、ボールを「押す」イメージがある選手とただ「蹴る」だけの選手では、身体の使い方で相当な差があると思います。(写真右)

実戦でよくあるパターンとしては、身体の使い方が小さく(こじんまりと)なってしまうことがあります。精神的、物理的なプレッシャーから、最悪の場合、ボールを「突っつく」ことしか出来なくなってしまう選手もいます。足先しか動かすことが出来ず、きちんと「蹴る」ことが出来ません。

「体幹主導のしなやかで伸びのある動き」とは正反対の「身体の先のほうしか動かせない」カチカチ状態の選手が見受けられます。

身体の末端先行型の動きは幼児によく見られる特徴で、U-6選手がボールを蹴ると「靴」しか動いていないように見えます。(笑)

小学生のみなさんは、もっと高度な身体の動きを獲得しているはずです。ですが、プレッシャーがかかると「幼稚な身体の使い方」しか出来ない選手が実に多い。。

ハイプレッシャー、トップスピードの中で身体を自由に優雅に扱う能力は、サッカー選手にとって「絶対条件」ではないでしょうか。そのためには身体だけではなく、頭の良さ、メンタル面も関係してきます。

今回の試合では「パススピード」と「選手の距離」をテーマにゲームを行いました。フォーカスしていた部分はそれなりに良かったですが、選手としての「資質」に関してはまだまだ満足していません。チームテーマを実行するにあたり、その大前提にあるのが「個人の資質」の充実です。どちらが大事かと問われれば、間違いなく後者を選択します。「資質」の部分にストレスを感じれば、チームテーマなんか即中止、変更です。

この日は身体能力の高い相手に、気持ちで応戦出来ていたことは評価したいと思います。相手のプレッシャーをはねのけると同時に、相手にプレッシャーをかけられる資質を獲得したいですね。

ついでにもう1点。。

この写真は大会決勝戦のレイソルA対レイソルBのものです。終了間際、GKをあげてパワープレーで攻撃するAチームと必死に守るBチームの攻防。。

これを見て、みなさんは何か感じますか。。この1枚に限らず、レイソルの選手たちからは「気迫」「迫力」「闘争心」「存在感」が瞬間ごとに感じ取れるんです。

そのことは涼介くんや麗心くんと接していれば、みなさんも実感出来るでしょう。サッカーの質や身体能力ではみなさんとそれほどの違いは感じません。しかし、その「存在感」においては、他の選手がどんなに努力しても彼らに追いつかないのではないかと感じさせるものがあります。

そういった個人の資質は、彼らがJチームに入団する遥か以前から放たれていた「オーラ」であり「パワー」でもありました。選手としてそのような「匂い」を醸し出せるのは、大きな魅力だと思います。

物事の上手い下手とは別に、勝負の世界に身を置き「勝つ」結果を残すには、それなりの覚悟と勇気、人間としての基本的なパワーが必要なのかも知れません。

チームメイトにそのような選手たちが身近にいるのですから、コーチとしては彼らをスタンダードにしたいと思います。同じ時間、同じ場所で、同じコーチから指導を受けても結果が異なるのは何故か、選手個人の「能力」「習慣」「環境」全てを比較してみてはどうでしょうか。それによってフォーカスすべきものが見えてくるのではないかと思います。

いつも言っていますが「サッカーが上手いのは当たり前」、それ以外の「何か」を持っているかどうか。。彼らは確実に「何か」を持っています。

「何か」とは「個性」といってもいいでしょう。コーチとしては早い段階で「個性」を獲得してほしいと思っています。麗心くんは、年中のころから既に別格の存在感を表していました。彼に近い存在としては直樹くん、圭祐くんがあげられます。それとは逆に全くノーマークだった選手が「個性を獲得」していった代表として、駿介くん、悠人くんがいます。この2人は、今では替えのきかない「個性豊かな」選手に成長しました。今でもあまり目立つ事が好きではないかも知れませんが、敢えて君たち3年生には言っておきます。

世の中にサッカーが上手い子供はたくさんいますが、最後に勝ち残るのは人間としての「パワー」を合わせ持った選手のみです。

勝負の世界のピラミッドを目指すのであれば「パワー」を獲得しなさい。

コーチの実感として、良い選手とは「パワーを吸収」し、成長出来る選手。そして最も優れた選手とは「パワーを放出」し、仲間に元気を分け与えることが出来る選手。。

直樹くん、圭祐くんが前者で麗心くん、涼介くんが後者かな。。このあたりが実戦でチームメイトに与える影響は結構大きいとコーチは感じています。3年生はまだまだこのレベルにはほど遠いです。。


コーチが実戦で見ている部分、考えている事が何となくでも分かっていただけたら嬉しいです。そして何よりも、どんな選手に成長して欲しいのかを感じ取っていただけたなら幸いです。

ゴール前での迫力は半端じゃないです。。

技術よりもブチ抜く、抜かせない闘いが。。

低学年選手、女子選手たちの頑張りには、観戦していたヴェルディJrユースの元監督からも高い評価をいただきました。

選手たちへの激励、ありがとうございました。

直樹ガンバレ。。

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