9月3日、神根グランドにおいて川口市サッカー協会主催サマーカップが開催されました。
チーム構成
T.F.C. U-9
3年
安村 謙佑 鈴木 悠太 横山 翔栄
株丹 祐誉 木場 藤吾 岡村 汰郎
小島 駿介 高山 颯太 加藤 聖人
沼口 颯恭 橋本 将 長岡陽太郎
矢作 悠人 鹿島 楓斗 西 匠
谷岡 伶哉 山下瑠之介
谷岡 秀哉
阿部 航汰
山本 遥斗
試合結果(8人制、10分ハーフ)
T.F.C._Aチーム 予選B組
T.F.C. ー 北スポ
0 ー 0
T.F.C. ー リバティSC
3 ー 1 矢作悠人 2 沼口颯恭 1
T.F.C. ー ファカルティ
2 ー 0 株丹祐誉 1 沼口颯恭 1
2位トーナメント
T.F.C. ー アルコイリスA
2 ー 2 矢作悠人 1 小島駿介 1
P K(0 − 1) 悠人×
T.F.C. ー タルタルーガB
3 ー 0 矢作悠人 2 小島駿介 1
最優秀選手 阿部 航汰
T.F.C._Bチーム 予選C組
T.F.C. ー レジスタ
0 ー 12
T.F.C. ー FCカーニョ
1 ー 0 木場藤吾 1
T.F.C. ー ウインベックス
1 ー 1 鹿島楓斗 1
2位トーナメント
T.F.C. ー 川口ミナミ
0 ー ?
T.F.C. ー タルタルーガA
0 ー 3
最優秀選手 谷岡 伶哉
総 評
小学校で「学習する楽しさ」を子どもたちに感じてもらうためには、まず、十分な「学習の基礎力」をつけることが大切です。
「学習の基礎力」とは「学力」とはまったく質の違うものです。もともと幼児教育では「学力」という言葉は使いません。小学校受験の出題例を見ると、数量、感覚量、図形といった、小学校一年生から三年生にかかる頃までの算数の内容の一部が幼児にわかるやり方で出題されています。こうした小学校の学習の内容に、ダイレクトに結びつく課題を理解し、解決する力を「学力」と呼びます。
つまり「学力」とは、小学校の学習内容を先取りしたものなのです。ですから、仮に「学力」があまり身についていない状態で小学校に入ったとしても、入学後、しっかり学習すれば困ることはまったくありません。
一方、小学校に入学してから学習していくために必要な能力を「学習の基礎力」と呼んでいます。この能力は、小学校で教科書を使い、文字や数字などの記号で表されたことを理解し、授業を聞いて言葉で学習していくうえで必要になる力です。
この基礎力があまり身についていない状態で小学校に入学すると、小学校の学習で苦しむことになってしまいます。この能力こそ、小学校が子どもに求めているものです。
●先生の話を「聞く力」
●教科書を「見る力」
●位置や空間を把握する「空間の力」
●身体を動かす「運動能力」
●手先を器用に使う「生活技術・巧緻性」
●課題を発見し、自分で「考える力」
●自分の考えを「話す力」
こうした七つの「学習の基礎力」は、すべての学習を支える能力です。この基礎力が身についていれば、その土台の上に、本来の「学力」を築いていくことができるのです。ですから幼児教育では、土台のないところに無理に家を建てるように、焦って小学校の学習を先取りするのではなく、この基礎力に重点をおくべきです。
幼児期に身につけておきたいこうした能力には、それぞれ「臨界期」とよばれる、その能力を身につけるのにもっとも適した時期があります。その時期を逃してしまうと、能力がなかなか身につきにくくなってしまいます。もちろん臨界期を過ぎても、本人の努力さえあれば、その能力を身につけることはできます。しかしせっかくの時期に小学校の学習の先取りにばかり気をとられ、その結果、本来身につけておくべき基礎力がおざなりになってしまって、小学校に入学してから苦労するというのでは、もったいないのです。
上の文章は、小学校受験をする園児たちに向けられた指導の要約を表したものです。
普通に考えれば「当たり前」のことですので、園児だけではなく、小学生のみなさんにもピッタリ当てはまる部分でもあると思います。
同じ教室で、同じ時間、同じ言葉を聞き、同じものを見て、同じテストを受けても、成績がそれぞれ違うのは何か理由があるはずです。(笑)
コーチは学校の先生ではありませんので教室での出来事は想像するしか出来ませんが、みなさんの先生は勉強を進めるにあたり、生徒一人ひとりのこのような能力を伸ばすことに御苦労されているのではないかと思います。
未修学児童と違って小学生のみなさんは、国語や算数、音楽や体育といった勉強・授業を通して「基礎力」を獲得しなければなりません。漢字を覚えた、九九を覚えたというだけでは、学習の目的の半分しか達成していないのではないでしょうか。
勉強を通じて「基礎力」を伸ばす、「基礎力」があるから勉強が進む。。この一連の「流れ・動き」を獲得した子、そのクオリティの高い子が伸びる子であり、その時間の積み重ねで学力の差が生まれるのかも知れません。
この「流れ」に気付かない、または「流れ」を止めてしまう要因がある子は、一時的に良い現象が出ることはあるかも知れませんが、将来的な「伸びしろ」を感じることは難しいのではないでしょうか。
サッカーの現場でも同じような事が起こっています。このようなプラスのスパイラルを出せる傾向の強い選手は、結果も出やすいです。コーチはどんなレベルの選手でも、この「流れ」を感じられるようになって欲しいです。
前述のような細かな項目を考える必要は全くありません。もっと単純に「原因」と「結果」をイメージ出来る、つなげられる考え方が出来るだけで十分です。細かい指導はコーチが考えますので、みなさんはそれを「楽しんで」「信じて」取り組んで欲しいと思います。
そうは言っても、いつもモチベーションを高く維持することは無理でしょうし、プラスのスパイラルを出せない選手も多くいると思います。さて、どうしましょうか。。
みなさんは、学校のクラスメートを「仲間」だと感じたことはありますか。。運動会等で同じ目標を目指している時や、共通の敵と闘っている場面では、仲間意識が芽生えるものです。
ひとつ上の4年生の話ですが、ゲーム中に痛んだ選手がいました。仲間の選手が駆け寄り、声をかけていました。まだプレーが止まっていなかったので、駆け寄った選手にコーチはプレーの続行を指示したのですが、その場を動きません。2度指示をしましたが、彼が選択した行動は痛んだ選手のケアでした。
その時は「自分の意志で行動出来る選手が出てきたんだ。。」と思ったものです。
プレーを放棄し、コーチの指示に逆らってまでとった彼の行動の裏側には、一体何があったのでしょうか。これはあくまでコーチの想像ですが、倒れている選手の痛みを「自分の痛み」として感じ取ってしまったのではないかと思います。これがいいことか悪いことかは別にして、自然とそうなってしまったのではないでしょうか。
大人にああだこうだ指示されてケアしている選手のレベルとは、全く異なるものです。
なぜコーチがそのように思うかと言えば、彼らが「異体同心の時間」を共有していると感じるからです。お互いに良きライバルであり、同じ夢を持つ仲間であることが実感出来るレベルの選手だからこそ可能になる世界の話です。
同じ4年生でも、この時間を共有出来る選手とそうでない選手では、全てにおいて「質」が異なります。
在籍3年生選手25名のうち、こういうレベルの取り組みが出来る選手が一体何人出てくるのでしょうか。現状では残念ながら、その気配さえ感じられません。
前述のプラスのスパイラル獲得・維持には指導者だけではなく、むしろ仲間やチームの存在が欠かせないものになるとコーチは思います。
現状3年生は「わがまま、自分勝手、好き嫌い、中途半端、自己満足。。」でサッカー・チームに臨んでいます。コーチと呼吸を合わせる選手がいません。もしコーチと呼吸が合っているなら「異体同心」の選手が出てきてもおかしくはないはずです。
本気でサッカーに向き合う勇気がある選手は「我流、自己流、おいしいとこどり」を止め、どっぷりとチームに身を置きなさい。今のままではエゴが助長されるだけで、何にも変わりません。
自分のことしか考えられない環境に身を置くと、器の小さな選手になってしまいますし、成長・伸びしろも期待出来ないでしょう。サッカーを続けてある程度時間が経てば「自分の殻を破る」という作業の連続になります。今のままでは、そういうハードルから逃げ回る選手になってしまうかも知れません。
今大会のゲーム内容でも、3年生の日頃の傾向性がはっきりと感じ取れました。特にAチームは「闘う」「勝負に勝つ」センスの欠如、一人ひとりの迫力不足を指摘したいと思います。簡単に言えば「あまい・ぬるい・使えない」ということです。Bチームは「身体を動かす」能力が足りません。普段からコーチが感じていることが、当然の事ながら試合にも表れています。今後も継続してこれらの課題は重点的に取り組みたいと思います。
コーチは今回Bチームを指揮しましたが、良かった点もあります。伶哉くんが他の選手には感じられないオーラを発していたこと、藤吾くんが実戦で闘えるようになったこと、汰郎くん・匠くんがはつらつと目立っていたこと、全選手が試合に出たがっていたこと。。これらの変化は、練習時にも感じていました。やはり試合というのは、普段の選手の姿そのものが表れるものなんですね。
勉強に「学習の基礎力」があるように、サッカーにも「サッカーの基礎力」があります。日頃の練習、実戦での経験を通して「サッカーの基礎力」も磨きましょう。「基礎力」が向上すれば結果も出ます。この「流れ」を感じ取り、「流れ」に乗ってください。そういうセンスを獲得してください。
そのためにチームがあるのです。そのために仲間がいるのです。そのためにコーチがいるのですから。。