6月12日、神根グランドにおいてFCアレグリ交流戦が開催されました。
チーム構成
T.F.C. U-10
5年生 4年 3年 2年
稲井 一隆 門馬 克生 安村 謙佑 濱田 朱唯
松井 祥大 塚田 翔吾 小島 駿介 西尾 湧大
藤丸 颯 藤村 直樹 矢作 悠人
奥 公誠
(濱田 蒼唯)
総 評
急遽決まった交流戦でしたが、参加してくれた選手のみなさん、ありがとうございました。
今回はポゼッションからの展開、見る・判断することをポイントにゲームを進めました。現在このテーマに取り組んでいるのは参加選手の中では克生くん、翔吾くん、直樹くんと途中参加の蒼唯くんだけで、それ以外の選手は「個の能力」をテーマにゲームを行っています。
コーチが何を求めているか理解できない選手もいたと思いますが、颯くんが4年生に合わせられるようになった後半はだいぶボールが走るようになったゲームもありました。
「見る」ことに関しては、ほとんどの選手がボールと近くの相手との関係の中でプレーをしていますが、ポゼッションをテーマにしている選手たちは、もっとたくさんのものを情報としてキャッチする訓練をしています。
また、攻撃の「しかけ」の共通理解も少しずつではありますが浸透してきたと思います。どういう状況が「しかけ」に有利なのかが理解できること、ポゼッションのなかからその「状況」を創れること、そのための情報収集、判断、プレーの選択。。。ポゼッションに取り組んでいる選手たちのフォーカスポイントです。
現状、チームの中でこのテーマに取り組んでいる選手とそうでない選手がいます。グループ分けの基準は、コーチが求めるゲーム内容で技術的にストレスを感じさせないことが最低条件です。学年は関係ありません。あくまで個人の能力ですので、低学年選手たちもどんどん挑戦してください。
そのためには、何と言っても今行っている一騎当千型の「侍サッカー」で結果を出して、目立っていくことが大事だと思います。
今回のゲームは「ポゼッション」と「侍サッカー」が混在してしまったため、始めはどうしようもない内容になってしまいました。こういう時にチームをまとめられる心強いリーダーの台頭をコーチは期待しています。
チームで戦うことをはじめたばかりですので、うまくいかない理由はたくさんあります。途中でポゼッションを止めて「個人技」を指示しましたが、すると見違えるようにチームが元気になりました。
この場合「ボールを奪う」「ボールを運ぶ」という明確な作業を遂行出来ることが重要です。ポゼッションを指示した時は、攻守の切り替えが全く出来ないのが現状です。選手たちの頭の中は、ポゼッションに必要な情報・判断でフル回転しているはずです。練習でも、攻撃側と守備側のゴール数が今は同じくらいで、守備側のカウンターを阻止できません。。。(笑)
何も指示していないのにリスクマネージメントをしながらポゼッションを行う選手もいます。それでいてチャンスとみれば大胆な攻撃が出来る。。こういうセンスを持った選手が何人も出てきて欲しいです。
今までは「侍サッカー」で目立つことが評価の対象でしたが、もう既に「頭の良さ」「センス」に評価がシフトしています。個人の能力として、両方を備えた選手を目指しましょう。
もう一つ、どうしてもコーチが譲れない能力をみなさんにお伝えします。
どうしてアレグリさんとたくさん試合をするのか。。それは「身体を動かす能力」が高い選手が多くいるからです。
このチームと対戦すると、本当にうちの選手たちの「動きの質」の悪さが目立ちます。
いくら試合に勝とうが、テーマが充実しようが、コーチとしては全く満足できません。
「身体を動かす能力」は、全てにおいて最優先で考えてもいいとさえコーチは思っています。どうかタルタルーガの選手たちは一流のアスリートになることを目標にしてください。
細かいことはここでは言いませんが、参考までにみなさんの先輩たちの過去の事例を紹介します。
もう卒業してしまいましたが、みなさんと同じくタレント揃いの学年がありました。3年生〜4年生の頃、リーグ戦(現在のグリーンカードの前身)では23試合で得点180、失点7という成績を残すチームでした。リフティングでは全ての選手が1000回を越えるのは当たり前、中には30秒で120回近く(1秒間に4タッチ)できる選手が何人もいました。実戦でも優れたスキルを発揮し、ポゼッションからドリブル、ショートパスをつなぐスタイルで活躍していました。
そんな彼らでしたが、残念なことにアスリートとしては不思議と三流だったのです。コーチからのこの指摘に選手、保護者からは反感を買うことになりましたが、彼らが上を目指すためには絶対に避けられない部分であることは明白でした。5年生からの2年間をアスリートになるために使うと宣言すると、移籍をする選手も出ました。
最後までコーチを信頼して付いてきてくれた選手たちには、在籍中全くいい思いをさせてあげることは出来ませんでした。途中で止めてしまった同年代の選手からは、その後4名が県大会の決勝を経験しています。
ですが卒業後の進路を決めるセレクションでは、最後までチームで時間を共にした選手たちのほうが高い評価をいただいたことはコーチにとってとても重要な事実です。
特に深川、むさし、巣鴨、Jレディースで練習会に参加できたり、最後まで残って面接や作文を行ったり、2人のうちどちらを選ぶかのところまでいった5名の選手たちには、本当に頭の下がる思いでいっぱいです。
「運動神経が悪い」とコーチに厳しく指導されていた選手は、練習会に参加したJチームのコーチから「今までで一番コーディネーションがいい選手です。一体どんな練習をしているんですか。」というお話をいただきました。一瞬、「ありえねーーー。」と思いましたが、「彼は、以前から他の子とは違う動きをしていましたね。きっと天性のものでしょう。」と、大人の対応をしておきました。。
確かにこの選手は、身体能力が上がりました。体操の質も、今思えば高かったかも知れません。
この先輩たちは、トップレベルの近くには行ける選手たちだろうという手応えはありました。それと同時に、最後まで勝ちきる逞しさが足りないことも感じていました。この2つを踏まえ「その日」が来る準備を2年間してきたのですが、コーチの力量が足りず、それぞれが違うチームでサッカーをしています。
現在も彼らのプレーを見る機会がありますが、さすがに評価の高い選手である片鱗を感じることが出来ます。
また上のカテゴリーの選手を見るにつけ、小学校年代での取り組み内容の重要性を事あるごとに痛感いたします。
さて、現在在籍しているみなさんをどのようにコーチが感じているか気になりますか。でも、それは大した問題ではありません。大事なことは、みなさんがどんな選手になりたいかだと思います。それに合わせてコーチはトレーニングを考えます。一流のサッカー選手を目指すなら、一流のアスリート能力が必要です。そうでないなら、その部分に時間をかける必要もないでしょう。
一隆くんがトレセンにチャレンジしたい旨、伺いました。その瞬間からコーチの要求も今までより高くなってしまうことは理解していただけますよね。その取り組みをどうか楽しんでください。
また上を目指す選手は、結果を出せる人間に成長しなければなりません。世の中にタレント選手は星の数ほどいますが、最後はやはりこの能力が決め手になるとコーチは思います。
一口にサッカーの上達といっても、「運動能力の向上」と「自身の成長」というベースがポイントになっていることをもっと意識してください。
ボールを蹴ることは、誰でも楽しいものです。結果の出ている選手は、運動能力向上と自身の成長も楽しんで向き合うことが出来ています。このベースの部分で表情を曇らせてしまう選手は、実戦で光り輝くプレーは望めないでしょう。
選手として現状のレベルを気にする必要はありません。「上手くなる」=「楽しむ」というセンスを前面に出してください。
何を楽しむのか、どれくらい楽しむのかによって、上達のスピードと質が決まってくるのではないでしょうか。