2月13日 ゴールデンキッカーズ交流戦

2月13日、板橋区立高島第六小学校体育館においてゴールデンキッカーズ交流戦が開催されました。


チーム構成

 T.F.C.U-8

  2年

   矢作 悠人  小島 駿介

   安村 謙佑  鈴木 悠太

   株丹 祐誉  高山 颯太

          橋本  将

          沼口 颯恭



総 評

ゴールデンキッカーズのみなさん、交流戦にご招待いただき、どうもありがとうございました。

3時間近く5人制のフットサルゲームをやらせていただきました。

3連休にもかかわらず試合に参加してくれた選手たち、フィールドでもとてもやる気を感じましたよ。


2年生は前回は広いグランドでドカドカ蹴ってくるチーム、今回は狭いスペースでボールタッチを披露してくるチーム、両極端なサッカーを経験させていただきました。とても有り難いことだと思います。

この2試合を通して目立っていたのは悠人くんです。小学生年代では「走る、蹴る」が得意な選手、「技巧派」だけどフィジカルが追いつかない選手のどちらかに分類される選手がほとんどです。どちらの試合でも目立てた悠人くんは、両方の能力を兼ね備えた選手と言えるでしょう。

そんな悠人くんですが、彼に対するコーチの第一印象は「速い、不器用、メンタルが弱い」でした。チャレンジ選手になった今でもそれほど変わりません。。。(笑)

ですが、とても光るものを感じましたので無理矢理チャレンジ選手になってもらい、今日に至っています。機会をみては3年生タレント選手といる時間を長くとり、センスを磨くことに専念しました。

最近はボールセンス、ゲームセンスを感じさせる機会も多くなり、持ち前のスピードとあわせて実戦でも目立てるようになってきましたので、そろそろエンジのユニフォーム、背番号をつけてもいいかなと思っています。

コーチは特別何も教え込んだりしていません。いろいろな事をよく自分で吸収しましたね。。良い選手になるためには大事なポイントだと思います。


もう一点は「相手選手にプレーをさせない逞しさ」について。

サッカーは「自分たちがやりたい事をやり抜く」こと、「相手のやりたい事をやらせない」ことの2つのテーマが瞬間毎に目まぐるしく変化するスポーツです。

実戦で目立つということは、ある程度自分のやりたい事が達成できたということだと思います。だからと言って、相手選手にもやりたい事をさせてしまうようでは、ただのヌルい試合で終わってしまいます。

コーチが考える良い選手とは、「自分だけが目立つ」ことに全力を注げる選手と言えるかも知れません。

前回の試合では「相手にボールを蹴らせない」、今回は「ドリブルをさせる時間を与えない」といったことを本気でやりながら、尚かつ自分のやりたい事はやり抜く選手が優秀な選手、逞しい選手ということになります。

今回のように狭いスペースで少人数で行う試合であれば、そのようなテーマにもフォーカスしやすいですね。

実戦でそういうパフォーマンスをしてくれる選手を「闘える選手」とコーチは呼んでいます。今回の試合の闘える選手は駿介くんです。小さな身体で攻守にわたり、よく局面に参加していました。ボールスキルは2年生の中では1番かも知れません。最近は何事にも積極性が感じられるようになりました。器用な選手ですので、将来的にスピードと強さが伴ってくれば優秀な選手になるとコーチは確信しています。


一つだけ2年生選手たちに注文をつけるとしたら、それは麗心くんのような選手が出てきて欲しいということ。

彼はコーチに思いっきりぶつかってくる選手です。在籍する2年生選手20数名のうち、そういう選手は残念ながら1人もいません。

麗心くんは2月からアルディージャ登録の選手になりましたが、練習には来ています。これで現在2名のJ下部選手がみなさんと同じグランドで練習していることになります。みなさんの先輩たちの中にはこの2人と同等、もしかするとそれ以上のタレントも多く在籍してくれています。その彼らにいつも言っていることは、「2人の匂いを嗅げ」ということです。

この2選手は、J下部入団前から明らかに他の選手にはない「匂い」を放っていました。

どんな匂いかというと「人間性、エネルギー、パワー」が全身、表情からほとばしっているんです。それらを他の選手とは桁違いに感じる事ができるのです。

多くのタレントを預かるコーチとして、この「匂い」をテーマにすることは、全てにおいて最優先しなければいけないものではないかと思っています。勿論、技術や身体能力の向上は取り組みますが、その前提として「匂い」のする選手はコーチが10いえば12〜15の結果を出してきます。逆にどんなに取り組んでも結果が出せない選手は「匂い」の部分に問題があることが多いのではないでしょうか。

2年生にもチャレンジ選手、またはその予備軍がいます。チャレンジ選手はサッカーが上手いのは当たり前、そういう選手がタレント性に磨きをかける集団です。だからと言って他の選手たちと大きく異なるメニューを組んでいる訳ではありません。同じ取り組みでも2倍の結果を出す、それがチャレンジ選手に求められる「能力」です。

そのためには「匂い」に敏感でなければ、なかなか難しいでしょう。チャレンジ選手になったら「匂い」の追求を徹底して求められます。


例えるなら、選手のみなさんは「炎」です。コーチは「風」。。コーチがピューっと風を送れば、あっちこっちでたくさんの炎が揺らぎます。

ある時、突然強い風が吹き出しました。これ以上吹いたら炎が消えてしまうなと思うくらいの強い風です。ですが、いくつかの炎は「もっと風をよこせ」と催促してきます。試しにもっと強烈に風を送ると、案の定半分くらいの炎は消えてしまいました。残りの半分は何とか耐え残っています。しかしよく見ると、以前にも増して勢いよく燃え上がる炎もあります。彼らが「もっとだよ、もっと」と言うので、「これでもかっ」とばかりに風を送り続けると、最後まで明るく燃え続けた炎も、段々と消えていきました。

どれも同じ「炎」なんですが、最初に消えてしまったのは「ろうそくの炎」です。その次は「大きなろうそくの炎」かな。。最後まで勢いが衰えなかったのは「焚き火の炎」。。

「ろうそくの炎」は風を必要と感じないかも知れませんが、「焚き火の炎」は自分がもっと激しく燃え上がるためには「風」が必要なことを感じています。また、それを要求する「勇気」を持っています。

この「焚き火」のセンスを持っているのが麗心くんであり、涼介くんだと思います。

そして彼らはこう言うでしょう。

「コーチ、お疲れさまでした。おかげで美味しい芋が焼けました。半分どうですか。。」

「あっ、ありがとう。。。」

コーチは炎が燃え尽きることで「10」の成果を想定していたのですが、この「焼き芋」が+2〜5の想定外の部分なんです。残念ながら「ろうそくの炎」では、風が吹けば消えてしまう心配はありますが「焼き芋」を期待することは難しいでしょう。

当然のことながら、どの選手にも「焚き火の炎」になってもらいたいとコーチは思っています。実際には選手一人ひとりに風の強さを変えて接しています。限りなく無風状態の選手は、限りなく「ろうそくの炎」に近いと思ってください。

2年生の中から、コーチに風を要求する選手が早く出てきて欲しいです。


余談になりますが、焚き火には枯れ葉や枝を焼べなくてはなりません。タイミングや量を見計らうことも重要です。

「焚き火の炎」の身近には、焚き火マスターの存在を強く感じます。コーチはただ風を送るだけです。。

風の吹き方、枝の焼べ方で「炎」は踊るように勢いを増します。選手のみなさんは、身近にいる焚き火マスターに感謝の気持ちを忘れずにいてください。

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