11月14日 4種リーグ戦

11月14日、新座多目的グランドにおいて4種リーグ戦(8節)が行われました。


チーム構成


 T.F.C. U-12

   6年      5年

    植竹 祐人   小林  渉

    千葉 大夢   中根 康佑

    斉藤 開輝   石黒 華織

    石黒 秀輝   石黒 彩織

    吉田  凌

    飯田 将太

    宮中  翼

    野島 佑悟


試合結果(11人制、20分ハーフ)


   T.F.C. ー MSC

    1  ー  1    小林 渉 1

総 評

選手のみなさん、保護者の皆様、新座会場での1年間ありがとございました。

また審判、本部担当を務めていただきました方々、ならびに運営に携わった皆様に御礼申し上げます。

6年生にとっては、公式戦最後の試合となりました。引き分けという結果で締めくくるとは、君たちらしい終わり方だとコーチは思います。(笑)


終わってみれば14戦4勝6分4敗。。勝ち点18で第4位でした。ちなみにこの日の試合に勝っていれば3位でしたが。。

これだけのメンバーを有してこの結果。。全てはコーチの責任です。本当にゴメンナサイ。。

特に前期の試合はひどかったなぁ。7試合して得点わずか1点のみ。。ようやく最後の試合で1得点することが出来ましたが、まさかドリブルで上がった代役GKのゴールとは。。もう滅茶苦茶をさせてしまいました。。

このチームの得点シーンや勝った試合というのは、完璧なスルーパスやドンピシャのセンタリングが上がったり、またセットプレーによるものだったり、細かいパスワークが発揮されたりする内容のゲームの時だけです。

「それ以外に得点する方法があるの?」と本気で言ってくるのが今年のチームです。確かにみなさんは、サッカーをよく知っていますし、上手です。ですが、それだけでは一流の選手になることは難しいでしょう。

低学年選手たちには「6年生みたいに上手になるといいね。」と、いつも言い聞かせています。君たちが2、3年生の頃と比較すれば、サッカーの質、スキルともに雲泥の差があります。そのことについて6年生は非常に優秀なのですが、チームにとって唯一残念なことがあるとすれば、3年生の麗心くんや圭祐くんのような人材がいない、育たなかったこと。。

この2年間の4種リーグでコーチがやりたかったことは、大きく分けて2つあります。1つは「持ってる」選手の出現、もう1つは「プレデター」選手の出現です。

「持ってる」選手とは、サッカーの才能やセンス、勝負勘を感じることが出来る選手のことです。またプレデターとは肉食獣のこと、実戦で自分の実力を十分に発揮できる強さ、相手や他の選手より輝けるパワーを備えた選手のことです。この2つの能力を兼ね備えた選手が、麗心くんや圭祐くんなんです。

6年生選手たちがこの先もっとハイレベルなサッカーを目指すのであれば、絶対的に「逞しさ・迫力」が足りないとコーチは感じています。

実戦で選手が並んだ瞬間やゲームが始まった瞬間、コーチはどっちのチームがライオンでどっちのチームがシマウマかを肌で感じるようにしています。

ゲームの勝敗、内容にかかわらず、君たちをライオンの方だと感じたことは、残念ながらほとんどありません。このチームを率いて一番頭を痛めている部分です。

フィジカル・メンタルの質が、技術や勝敗にどう影響しているのか。。

コーチがどんな要求をしても、チーム構成メンバーがどうでも、個人技・ドリブル・ショートパスという彼らのスタイルは、ほとんど変わることがありませんでした。それは別にいいのですが、スピード、運動量、勢いを感じさせること、そうした判断・プレーをしたときに技術がぶれないことの2点は、コーチが最も期待した部分であり、選手も果敢に挑戦してくれていた項目であると思います。

選手のみなさんにしてみれば、ある意味「サッカーをしないで勝つ」ことを強要されたと感じたことでしょう。今持っている武器以外で闘うことに意識を向けさせたのは事実です。またそれは、持っている武器を今以上有効に使えるようにすることと、同じ意味でもあります。


ここにチャンピオンを目指す優秀なキックボクサーがいます。彼は強烈なパンチを武器に、過去に輝かしい戦績を残している選手です。ある日、トレーナーにキックの強化を命じられました。「大丈夫です。次の試合もパンチで倒します。」と彼は言ったが、トレーナーは「キックや。。」と一言。

実はこのボクサー、パンチには自身があったがキックを苦手としていました。チャンピオンを目指すためには、避けて通れない道であることは、彼自身が一番分かっていましたが。。

それからというもの、試合ではキックを中心に戦い方を組み立てたため、惨めな試合を繰り返していました。それでも彼とトレーナーは、チャンピオンを目指し闘い続けました。

さて、このキックボクサーの3年後、5年後はどうなるのでしょうか。

この話のたとえは、パンチがみなさんが「知ってる」サッカーで、キックが「知らない」「経験していない」「無意識」なサッカーの部分を表したものです。もしかすると彼のように「気がついているけど逃げている」選手もいるかも知れません。

みなさんはキックのレベルが上がれば、パンチの効果も上がると思いますか。


みなさんの意識にあるサッカーは、自分たちで上達してください。その意識と実際の事象のズレや、気がつかない部分・無意識の部分はコーチが指導します。みなさんは、もうそういうレベルの選手だと思います。

実戦ではどうしても意識が強く働き、得意なプレー、いつものプレーに終始してしまいます。それは当たり前な話なのですが、コーチとしてはあまり小さくまとまった選手になって欲しくありません。

この2年間、ピッチで一番輝ける選手になることをメインテーマにしてきました。どうしたら輝けるのか。。輝くとはどういうことなのか。。また、苦手なことや未開拓な部分の可能性を実戦で意識して挑戦してもらいました。

そのような意味でコーチが一番印象に残っているのは、翼くんのパフォーマンスです。実戦で彼は明らかにオーバーワークのフリーランニングを試み、実際にボールがきた時には「足には乳酸がたまり」「頭は真っ白」でプレーが確保できない状態になっていました。そうなることは翼くん自身が一番よく分かっていたはずですが、彼は自分でそのプレーを選択したのです。あまりのヘロヘロさに周囲からは冷たい視線も感じられましたが、この事象の真意は翼くんとチームメイト、コーチにしか理解できないものでしょう。

そうなることを覚悟の上で、実戦で未知の領域に挑戦した翼くんの勇気に感動しました。ピッチ上で輝くことを真摯に模索する姿は、チャレンジ選手として模範とすべきものではないでしょうか。

このような挑戦や経験を、今後も続けていきたいと思います。

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