10月23日 オータムカップ

10月23日、神根グランドにおいてオータムカップが開催されました。


チーム構成

 T.F.C.U-9

  3年              2年

   中道 麗心  成田  隼    矢作 悠人

   藤村 直樹  中谷 晃生    安村 謙佑

   西澤 大志  宮島 絢音    株丹 祐誉

   門馬 克生  伊藤 龍成

   塚田 翔吾  鈴木 崇矢

   千葉 大雅  弓削田洸樹

   三島  翔  相馬 ゆい

   古川 拓人



試合結果(8人制、10分ハーフ)


  予選C組

   T.F.C. ー ファカルティ

    8  ー  1   中道麗心 2  千葉大雅 2  古川拓人 2  藤村直樹 1  中谷晃生 1


   T.F.C. ー 北スポ

    3  ー  0   藤村直樹 1  千葉大雅 1  古川拓人 1


   T.F.C. ー 越谷PC

    1  ー  0   矢作悠人 1


  決勝トーナメント

   T.F.C. ー ECフジミノ

    2  ー  0   中道麗心 1  千葉大雅 1


  決勝戦

   T.F.C. ー 川口ミナミA

    1  ー  0   安村謙佑 1


    最優秀選手     中道 麗心

総 評

3年生チームのみなさん、優勝おめでとうございます。

現時点でのチームカラーがよく出た大会だったと思います。基本は「だんごサッカー」で、積極的に局面参加しない選手はコーチの評価も低くなってしまいます。ゲームに自ら関われる能力、ボールや相手に食いつく能力が問われます。

つい最近までポジションどころかGKもなしで試合をしていましたが、それは全選手にこの「食いつき能力」を発揮して欲しいからにほかなりません。

今回はこの基本をチームでしっかりと遂行しながらも、前に飛び出せる悠人くん、ドリブルで抜け出せる直樹くん、体をはれる大志くん、大雅くん、全体をコントロールできる麗心くんが、コーチの期待通りの仕事をしてくれたお陰で、優勝という結果がついてきたのだと考えています。


低学年選手には「食いつき能力」「個性」「スキル」の3要素の片鱗を見せて欲しいです。上級生になれば、実戦でそれらを発揮するための訓練がほとんどになります。「発揮する」とは、「持っている」ことを前提としてトレーニングを行うという意味です。ですから低学年では、それらを「獲得」しなければなりません。

勝負に勝つ事は大事なことです。ですが試合に勝った負けたと一喜一憂するだけでなく、個人としてそのような能力を獲得できる「何か」を感じてくれたら嬉しいです。

どの選手もサッカーを楽しんでくれているので、近頃はそれぞれの選手の「色」が出始めています。中には「こんなに出来る子だったんだ」と思わせるような能力を感じさせる選手も出てきました。逆に以前から注目しているタレント選手は、未だに鳴かず飛ばずだったり。。グランドではいろいろな事が起こっています。


低学年全体のイメージとしては、「サッカーを知らない」「身体が動かない」「気持ちが弱い」ということを以前は感じていました。これからサッカーを始める選手たちには致命的な印象です。。(笑)

残念ながら、現在もその傾向は続いています。ですが徐々にではありますが、改善の兆しも感じています。コーチはみなさんに厳しく接しています。走ったり身体を動かす運動も大変だと思います。ですが、その効果は確実に表れています。

その代償として、そういった部分にフォーカスしている時間が長くなるにつれ、身体や気持ちの弱い子はストレスを感じてしまいます。楽しいと思えるか辛いと感じるかで、結果は変わってしまいます。低学年選手にとって、最初のハードルです。3年生の代は創部以来1名しか退会者を出していませんが、1、2年生は残念ですがメンバーがだいぶ入れ替わりました。今いる選手たちは、そのハードルを乗り越えた選手たちです。

何かを変えるためには、壁を乗り越える作業が必要だとコーチは思います。タルタルーガでサッカーをするということは「壁を乗り越える訓練をする」といっても過言ではありません。だからと言って、ハードル越えの「調教」をするつもりはありません。コーチの仕事はグランドに様々な高さのハードルを用意しておくこと。「これを飛べたら楽しいよ」とささやくこと。どうしようか迷っている選手に勇気を与えること。ですが決して飛び方は教えません。

途中で止めてしまう選手は、もしかしたら「飛び方を教えてほしい」と思っていたかも知れません。それが分からない、出来ないからサッカーがつまらなくなってしまったと。。

ハードルを跳べたか跳べないかは結果論。。ハードルを前にしてワクワク感、楽しさが先行するのか、それとも逃げの気持ちに支配されてしまうのか。。ここが運命の分かれ道、選手としての才能だと思います。

それをクリアしたのが今いるみなさんです。止めてしまった選手たちとみなさんは、サッカーの技術、体力ともそれほどの違いはありません。現にリフティングも出来ない、ネックキャッチも出来ない、とんぼ返りもロンダードも出来ない選手がまだまだたくさんいます。コーチが用意した低いハードルを未だに越えられていない訳です。(笑)

それでも仲間たちと楽しくグランドに集まってくれているのは、みんなでハードルに向かうことに喜びを感じるセンスがあるからだとコーチは思います。これはとても大事なセンスです。

重要なのはここから。。目の前のハードルを「どうやったら乗り越えられるのかが創意工夫できること」、「越えられるまでその努力を継続できること」この2つの能力を発揮して欲しいです。これはコーチから指示されるべきものではなく、自らが獲得していかなければならないものだと思います。まさに今、みなさんはここにいます。

こういった能力は、どの選手にも元々備わっているものだとコーチは思います。それを発揮する機会をみなさんにたくさん与えることがコーチの仕事です。「ハードルを越える様々な方法を自ら開拓する能力」が、みなさんの選手としての将来を大きく左右する大事な要素であると考えているからです。

「経験・挑戦・努力」。。大人が選手から奪ってはいけないものです。安直に答えを教えたり、それにぶつかるチャンスを奪う事は、多少のリスクを伴ったとしても、してはいけないのかも知れません。

コーチの用意したハードルを、何の苦もなく次から次へと超えて行く選手もいれば、飛べるはずの高さでさえ興味を示さない選手もいました。選手としてのポテンシャルの高さがハードル越えの能力と比例していることは事実です。この能力さえあれば、一流の選手になれるという訳では残念ながらありません。ですが、最低限必要な能力であることは間違いないと考えています。


優勝したチームの選手に向かって言うのもなんですが、今の低学年選手はサッカーが本当に「へたくそ」です。

ボールスキルがなさ過ぎ。。です。

よく「リフティングのやり方がわからない」とか「リフティングのコツを教えてもらいなさい」等の話を耳にしますが、そんなレベルの選手には「サッカーが好きかい?」と問いかけるようにしています。

「サッカーが大好き」。。それ以外の方法は考える必要ありません。

交通ルールやマナー、事故に遭わない方法は指導しますが、自転車の乗り方は指導しません。野球でバットの素振りの重要性を説くコーチはいても、素振りの方法を教えるコーチはいません。1000本振って初めて「グリップの位置を高く」とか「もっと下半身を使え」等のコーチングが始まります。

リフティング1000回出来ない選手には、サッカーの指導なんてしませんよ。それまでは、サッカーの楽しさを伝えることがメインになります。「サッカー大好き小僧」になったと判断された選手は、コーチにいろいろと注文をつけられているはずです。

コーチが考える良い選手とは「自分がやるべきことをきちんとクリアしてから指導を受ける選手」です。逆にダメな選手とは「自分がやるべきことを他人に依存する選手」です。みなさんはどっちのタイプですか。。

何度も言いますが、転んで痛い思いをしても、周りで楽しく自転車に乗っている友達を見て、また挑戦しようと思うのか、それとも痛みに耐えきれず止めてしまうのか。。勘のいい子は、痛みを経験する回数が他の子に比べて少なくてすみます。それどころか、みんなが自転車にうまく乗れる前に「手放し運転」まで到達してしまいます。では、痛みをたくさん経験しなければならない子はどうすればいいのでしょうか。「コーチが後ろで補助をする」のが正解なのかも知れません。ですが、タルタルーガでは余程のことが無い限りやりません。

何故なら、補助を受けて出来るようになった選手は、先行する選手に追いつけない、同じ土俵に上がることが出来ないからです。将来的に追い越すチャンスがあるとすれば、それは「挑戦し続ける才能」を獲得した選手にのみ与えられるものではないでしょうか。

そのためには「痛み・苦しみ」よりも「楽しさ・嬉しさ」が先行する感性が必要です。物理的な補助によって、そういった感性が芽生えることもありますが、そうやって獲得したものは、いとも簡単に崩れてしまうというのがコーチの経験からくる答えです。亊あるごとに補助が必要になり、それに頼るクセがついても困ります。

「他人に与えられたものは、他人によって奪われてしまうが、自分で獲得したものは、自分でしか壊せない。。」よく選手たちに言っている言葉です。

他の人より痛い思いをすることが多いと感じている選手は、何としても自力で「挑戦するパワー」を獲得してください。コーチはいつも心の中で「頑張れ」と応援しながらみなさんのことを見ていますよ。


ちなみに、みなさんはリフティングを1000回出来る選手がサッカーが上手い選手だと思っているかも知れません。

確かにすごいことではありますが、「ここまで」は自分でサッカーをしているかどうかの違いです。「ここから」が本当の意味で上手い下手のスタートになります。同じ1000回でも、タッチの質、リズム、身体の使い方等、ものすごく差が出てきます。器用さ、運動神経、センス。。。いよいよ自分自身との闘いに入ります。

上級生でボールセンスのあるサッカーをする選手は、2、3年生の頃には既にその頭角を現しています。先行している選手のみなさんは、コーチからタレント性を問われる機会が多くなってきていると思います。特にチャレンジ選手については「タレント性を磨く」ことしか行いません。

低学年選手にはなかなかピンとこない話かも知れませんが、6年生を例にあげると「一重まぶたを二重にしてこい」とか「その低い鼻をもっと高くしろ」とコーチに無茶振りされて、指で目を開いたり、鼻をつまんだりしている選手たち。。こんなことをやっています。(笑)

○○クリニックの力を借りず、自らのDNAに勇敢に立ち向かうチャレンジ選手の中には「あれっ、少し鼻が高くなったんじゃないの」とか「おもいっきり一重のままだが、歯並びが良くなったな」といった選手が出てきます。

将来はどんな女性(チーム)と結婚するか分かりませんが、今のうちから男を磨く喜びを知った選手たちです。

こんな世界に何人のちびっ子選手が飛び込んできてくれるのか心配ではありますが、低学年はタレントの宝庫ですのでとても期待しています。

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