1月23日 埼玉県南部トレセン練習会

1月23日、川口市赤井グランドにおいて埼玉県南部トレセン練習会が開催されました。


参加選手


  T.F.C. U-11

   5年生

    斉藤 開輝

    石黒 秀輝



総 評

赤井グランドに北足立南部8市から30数名の選手が集結。。。

練習が始まると、どの選手もサッカーにしっかりと向き合えている子供たちだなぁ〜ということが、プレーの随所に感じられました。

川口市サッカー協会からは6人の選手たちが選抜されました。T.F.C.からも2人のクラブ選手、1人のスクール選手(他チーム所属)が参加させていただいています。この3人は、本当に小さい時から良く知っている選手ですので、コーチも感慨深いものがあります。

3人には普段から厳しく接していますので、ここで今更何も言う事はありません。この選手たちと同レベルのチームメイト、またはこのレベルを目指している選手たちにメッセージを送りたいと思います。3選手の姿を通して何かを感じてください。


3人に共通する部分を考えてみました。まずトレセンに選ばれている訳ですから、現時点でサッカーが上手いのは当たり前です。このレベルの選手たちは、普通の選手たちよりもほとんどの項目においてアドバンテージが見られると思います。その上でアピールポイントを実戦で発揮できるかが問われます。

 ・ゲームセンス、ボールセンス

 ・クレバーなプレー

 ・ゲームでの対応力

コーチが考える3選手の一番の長所です。どの項目がどの選手なのか、みなさんもすぐに分かると思います。地区トレセン選考会の時も、T.F.C.選手の特徴欄にそう書いて書類提出しました。そのリストには選考会に参加した選手全員のアピールポイントを書いたのですが、他のメンバーには何と書いたと思いますか。。。(笑)

コーチがみなさんの事をどう評価しているか想像してみてください。ちなみに良い事しか書いてません。。

3選手にはアルディージャセレクション後に明確な課題を突き付けました。

 ・フィジカルの改善

 ・個の主張

 ・武器の獲得

これもどの選手に対応しているかすぐに分かると思います。高いレベルのゲームでアピールポイントを発揮させるためには、どうしても今必要な取り組みだと感じました。1年が経ち、徐々にではありますが最近その成果が表れはじめたように思います。クラブ選手の2名は、実戦でも目立つパフォーマンスをする機会が確実に増えました。

今回の6名に選抜されたのも、その成果の部分が非常に大きいと実感しています。

ただコーチが目指している完成度を100とすると、まだ10前後の成果に過ぎません。長い道のりは続きます。。


また試合では、勝敗や内容にかかわらず「動きが鈍臭い」「プレーに覇気が無い」とコーチに言われ続けていたと思います。物理的、精神的プレッシャーがかかると、怒りや緊張からメンタルを乱して「共縮」を起こし、より一層ぎこちない動きを余儀なくされていました。選手たちは一生懸命プレーをしていることは知っています。一生懸命やればやるほど『無意識』に鈍臭くなり、覇気がなくなってしまうことが問題なんです。ゲーム中にそのような声をベンチから出すのは、みなさんの『無意識』からくる悪い習慣を自覚して欲しいからに他なりません。

例えばフィジカルの改善と言ったって、筋トレや走り込みをしている訳ではありませんよね。今までみなさんが取り組んできた事は、『無意識レベルでの効率的な動作の獲得』が狙いなんです。

グランドではいちいち説明しませんが、コーチはみなさんの意識(自我)を通り越して無意識(反射、身体)に直接新しいプログラミングを書き込みたいのです。ですがみなさんの自我・人格・習慣等がそれを邪魔する抵抗勢力になってしまい、プログラミング修正がなかなかはかどりませんでした。

目先のサッカーの事よりも「無意識レベルの良い行動の習慣化」の獲得を固く誓ったメンバーたちでしたが、実際のグランドでの取り組みは本当に大変だと思います。

「箸の持ち方」に例えるなら、お母さんに持ち方が悪い事を指摘された瞬間は直せても、会話やテレビに夢中になった途端、元のクセがでてしまいます。これを改善することを考えたら気が遠くなってしまいますよね。

無意識に良い動きができる選手を「運動神経が良い」と称されますが、これは生まれ持った才能だけではないとコーチは思います。ただ「生まれつきの才能だから」と言わしめてしまうほど、無意識部分の変革は困難なものであることは間違いありません。

練習では、クラブ選手たちのサッカーの実力とは裏腹に「無意識の悪しき行動パターン」にフォーカスされると、途端に文句、愚痴、いじけ、ふてくされ、だんまりといった現象がすぐに表れ。。(省略)。。

まず始めに「ハイ」と返事をするところからスタートしました。無意識の行動を変革するためには、意識(自我・人格)のレベルが問われます。人格を向上させることが、良い動きの獲得につながり、サッカーそのもののレベルが上がることに直結するという取り組みです。

このような自我が無意識をコントロールする能力は、アスリートにとって非常に大事な要素であるとコーチは思います。自我と無意識(身体・反射)の会話のやりとりが上手な選手が、一流のアスリートに成長していきます。

コーチがクラブ選手に望む事は、こうしたアスリート能力の獲得、取り組み、経験をベースにしたサッカー選手に成長して欲しいということです。それが将来の伸びしろにつながり、またプレーレベルを決定する要因になると確信しているからです。

下積み時代の2選手 2005年6月

成長という言葉の反対に停滞があります。3選手にも当然ありましたし、今後も起こるでしょう。停滞が長く続くと興味や意欲を失ってしまうのが普通の選手です。停滞期の対処法もアスリートの資質の大事な要素だと思います。

彼らは停滞していることに気付いていないのではないかと思う程、普通に過ごします。今回のように、気が付けば一つハードルを越えていたというケースは結構あります。失敗や負けが混んでも、逆風が吹き荒れても、好きな事をやり続けるセンスを持ち合わせている選手たちではないでしょうか。クラブ5年生は、そんな選手が多く在籍していますし、そういう選手でなければクラブには残れないと思います。

ハードルを飛び越えてくるタイミングは、選手一人ひとり異なります。今回はこの2人がタイミング良く飛び出しましたが、他の選手も続いてください。

アスリートの資質に関してもう一点。ケガをしない身体の獲得・十分なケアを出来る選手になってください。ケガをするのはいつも同じ選手です。ケガや病気が起きるのは偶然ではありません。理由が必ずあります。

ここをしっかり改善できなければ、少しきつい表現になりますが「スポーツ選手としてかなり厳しい」です。心当たりのある選手は深刻に受け止めてください。

実は3選手の中にもケガの多い選手がいました。自己管理能力が低く、鈍臭い動きが多い・身体が弱いことが主な原因でした。股関節の使い方が悪かったので、絶えず足首に負担がかかる不安を抱え、またハムストリングが弱く(固く)て腰にも負担をかけていました。おまけに姿勢が悪く身体の軸が通らないため、重心移動が効率的に行えていませんでした。

1年前はこんな事を意識出来る選手ではありませんでしたが、フィジカルトレーニングの名の下、全てにチャレンジしてもらいました。その結果、まだ10%の途上成果ですが以前のようなケガが無くなりました。アスリートの資質が向上したおかげで、サッカー選手として確実に1ランク上げることに成功できたと思います。


3選手のエピソードをいくつか紹介しましたが、同じような取り組みをクラブ選手は行っているはずです。ただ漠然とメニューを消化するだけではもったいないですよ。「自分の良さを意識すること」「その良さを伸ばすこと」「それを発揮するために必要なベースを向上させること」。。選手によってテーマが異なりますが、これがメニューの共通目的です。

また、今コーチが力を入れたいと考えているのは、トレセンに参加していない4名の選手の強化です。同じクラブ選手でも、参加している選手とそうでない選手の間には、大きな溝がはっきり見えます。今後トップチームで闘っていく中で、4選手に与えられる役割と責任は非常に大きなものになってくるでしょう。その辺りを自覚した取り組みを期待しています。溝が見えなくなった時には、トレセンに推薦、もしくは現選手との入れ替えを申請するチャンスをいただきます。

コーチからのアドバイスとして、この「溝」とはどんなものなのかを考えて欲しいと思います。技術的なことは勿論ありますが、そんなことよりコーチが一番感じる違いは「コーチと一緒にいる時間」です。物理的、精神的、あるいは質的、量的にも。。。はっきりとした表現は使いませんが、自分なりに感じてみてください。

ありがたいことにT.F.C.には多くのタレントが在籍してくれています。どの学年にもトレセン選手に勝るとも劣らない輝きを持った選手が多くいます。しかし残念ながら5年生選手を越えるサッカーの取り組みが出来る選手は1人もいません。1人もです。。

もし彼らよりサッカーを愛している、チームを愛している選手がいれば、コーチに伝えてください。トップチームに加えます。。(笑)

上級生にはクラブ7名、スクール2名のトレセン選手、Jジュニアの選手、強豪チームのレギュラー選手等、サッカーをこよなく愛している選手が大勢います。コーチでは伝えられない「何か」を彼らから感じ取っていただきたいと思います。ちびっ子選手たちには、偉大なる先輩たちを越えていって欲しいですね。

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