9月5日 川口市トレセン選考マッチ

9月5日、川口市赤井グランドにおいて川口市トレセン選考マッチが行われました。


チーム構成


  T.F.C. U-11

   5年生             4年生

    植竹 祐人  吉田  凌    渡邉 龍也

    千葉 大夢  深井ほたる

    斉藤 開輝  相馬 瑠風

    石黒 秀輝

    飯田 将太

    宮中  翼

    相馬 あい


総 評

暑い中でのゲーム、お疲れさまでした。

15分の試合を4本行いましたが、限られた時間内に自分をアピールすることが出来ましたか。。

技術部からは、実戦での評価のみで選考するという方針を事前にうかがっておりました。また、メンタル面・フィジカル面・技術面での選考基準も選手のみなさんにお伝えした通りです。つまり、現状で一定の基準をクリアした選手で、なおかつそれらを実戦で発揮することの出来る選手が選考されるということです。

実力や可能性がありながら、それを限られた時間で発揮する事が出来なかった選手も大勢いたことと思います。サッカーはもちろん楽しむために行うスポーツです。ですが、より競技志向の強いトップレベルでのプレーをみなさんが望んでいるのなら、試合では自分の能力を十分に発揮できること、またその能力を普段から向上させる努力ができること、この2点が高いレベルで求められるのではないでしょうか。


さて今回のU-11チームですが、全員がトレセン活動を望んだり、意識している選手ばかりではないかも知れません。正直最初はこのメンバーでゲームになるのか不安でしたが、どの選手もよく頑張っていたと思います。さすがにこの日は「足が痛い」だの「気持ち悪い」だのと途中でテントに帰ってしまう選手はいませんでした。。(笑)

来年度はこのメンバーを中心にチームを編成していきますので、みんなで楽しく仲良く活動をしていきましょう。


5年生チームは、コーチとのお付き合いも長い選手が多く在籍する学年です。みなさんはボールスキル・テクニックを最優先するサッカーからスタートしました。またその中で個人戦術・パスワークも徹底して取り組みました。これを4年生になる前まで続けてきた事を覚えていますか。。

今、5年生を見てコーチが感じることは、4年生になる前までにクラブ選手として取り組んできた事がアドバンテージとなって顕れているという事です。3年生までにエンジのユニフォームに袖を通した選手と、それを経験していない選手とでは、技術の差をはっきりと感じます。その事は6年生や下級生、また移籍した選手まで、全ての選手に共通しているように思います。

そういったクラブ選手の歴史を築いてくれた5年生には、本当に感謝しています。その恩返しとして、みなさんが将来立派な選手になれるよう、日々厳しい指導が続いていると思ってください。。

今現在取り組んでいるメニューは、直ぐに目に見える形では効果が出ないかも知れません。しかし、3年後、5年後には「あの取り組みがあったから、今のアドバンテージがあるんだ」と言えるようなものにしていかなければなりません。

今みなさんは、将来のために「自身の変革」をコーチに求められていると思います。肉体的・精神的変革です。このレベルが上がらなければ、トップレベルでのプレーは厳しいものになるでしょう。忘れないでいただきたい事は、みなさんが掲げた目標到達のためには「自身の変革」が絶対必要不可欠であることです。現在在籍しているクラブ選手は、全員が高い目標をかかげているとコーチは認識しています。自ら望んで「自身の変革」を目指す選手の集団だと考えています。1秒たりともその事を忘れず、サッカーに向き合ってください。


5年生チームは、過去2度に渡り指導の方向転換を行ってきました。チームとしては絶好調だった3年生の終わり、テーマを個人に絞り直しました。それは選手個人のアドバンテージに不満を感じていたからです。特に「アスリートとしての資質」にです。ゲームでは「個人で何が出来るのか」を発揮させたりしました。

そして決定的だったのが、4年生の終わりに受けたアルディージャのセレクションでした。当時クラブ選手6人・スクール選手1人の計7人に受けていただいたのですが、24人枠に5人、12人枠に1人という残念な結果に終わりました。最終合格者はFP3人、GK1人だったと記憶しています。

選考基準がどのようなものかは全く知りませんが、7人のパフォーマンスから想像することは出来ます。24人枠に入れなかった2人は、当時試合で「声が出せない」「走らない」とコーチに言われ続けた選手でした。実戦で力を出し切ることをしない不満が、大切な場面でも出てしまったと思います。24人のうち12人枠に残った選手と外れた選手の違いは、明らかに運動能力の差だと感じました。外れた4人の中にも良いパフォーマンスでアピール出来ていた選手もいたと思いますが、よほど30m走が遅かったのでしょう。。(笑)

12人枠に入った1人は、サッカーそのものの個性が足りなかったのかも知れません。通常のレベルのサッカーでしたら、運動能力が高いだけでも「サッカーが上手い」と表現されることもあると思いますが、運動能力が同レベルの選手が集まった中で、何を表現出来るのかが問われたのだと思います。

以上のことから、1人の選手は個性・武器の獲得、他の選手はトップレベルの土俵に上がれるための運動能力の向上がテーマとして浮かび上がってきました。

この一連のセレクションでコーチが一番感じた事は、選手の「将来性」の見極めです。プロのコーチたちは的確な目で選手を判断しますね。選手たちを丸裸にしたうえ、DNAレベルの細かいチェックをされているような感覚にさえ陥りました。

選手の「将来性」を考えるうえで中心になるのは、やはり「アスリートとしての資質」になると思います。このレベルがサッカーそのもののレベルに比例していると考えるからです。

野球では3割バッター(10回のうち3回以上ヒットを打つ確立のある選手)がひとつの目安になっています。ヒットを3割以上打つ技術をどのレベルで発揮できるでしょうか。相手ピッチャーが投げるストレートが100キロでならですか。。130キロでなら。。150キロでなら。。。100キロで投げるピッチャーと150キロで投げるピッチャーのチェンジアップでは、同じ変化球でも全く別物ですよ。。

5年生は確かに3割バッターが多くいると思います。ですがそれは100キロレベルの試合での話です。でもみなさんは150キロレベルのピッチャーと勝負がしたいと望んでいるのですよね。中には160キロという限られた選手しか行けないレベルを目指している人もいるでしょう。

今5年生に取り組んでいただいている事は、3割の技術を将来どのレベルで発揮できるのかの見極めです。速球を投げてくるピッチャーと常に試合をするようなチームに移籍して、自分を磨くことも一つの方法だと思います。ですがみなさんは、一度二軍に落ちて「1から生まれ変わる」決意をした選手たちです。普通でしたら5年生、6年生といえば、小学校サッカーの集大成を見たい時期だと思います。その貴重な時間を、将来への挑戦のために使わせて欲しいというコーチの方針に賛同してくれた勇気ある選手たちです。

「アスリートとしての資質」の向上をメインテーマにしていますが、取り組む項目は、運動能力・精神力・それらを司る人間力等と多岐に渡ります。どの分野にせよ、結果を出すためには人間力が鍵になっています。みなさんの運動能力の優劣も、総合的な人間力に左右されているケースが非常に多いことだけはお伝えしておきます。決して生まれ持った才能だけの問題ではありません。

目の前で起こる事象を「才能だから」と片付けてしまうのか、そこに可能性を求めてメスを入れていくのかでは、結果は違ったものに出来ると思います。確かに選手のみなさんもコーチも嫌になるくらい気の遠くなるような作業の連続ですが、それをするために二軍に落ちてきた訳ですし、二軍でしか出来ない取り組みだとも思います。。(笑)


トレセンの結果とは、今まで取り組んできたことへの現時点での評価だとコーチは考えています。決して将来を約束された選手が集まっているわけではありません。ここで自身の目標に向って、大きくジャンプアップするチャンスを与えられたに過ぎません。招集された選手たちには、ただ集まって試合をこなしてくるのではなく、何かを感じてそれを「生まれ変わり」に活かして欲しいと思います。また招集されなかった選手には、過去の取り組みの見直しと、今後の目標の明確化をお願いしたいと思います。

大事なことは、今花を咲かせることではなく、どんな花をさかせるかということだと考えます。それを常に思い描きながら、サッカーに向き合える選手であって欲しいと思います。

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