また復活してみた日記
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2004年6月28日
今さらですが映画『猟奇的な彼女』を借りてきた。
去年のお正月に観たくて、レンタル店に行ったのだけど貸出中で、それっきりになっていた(1年半もほったらかしだった!)。

前半は、少し冗長な感じもしたのだけど、後半良かった。いまどきの日本にはない(でも昔はあった)ベタな設定は韓国作品らしく、それはそれでよし。

あー、私も、昔別れたひとと、一緒にタイムカプセル埋めとけばよかったよ…(遠い目)などと考えると、少しせつない感じだ。
もう二度と会いたくない人もいるけどさ。

2004年6月24日(参院選も公示され、世間もなかなか騒がしく)
もしかしたら、数学が苦手な人ほど、この本には魅力を感じてしまうかもしれないと思った、小説『博士の愛した数式』(小川洋子著、新潮社)。でも決して数学好きにもならないし、数学が得意にもなったりしない。でも、いいものを読んだ。

今日、NHK「スタジオパーク」に出演していた堺雅人は、「(算数が苦手で、分数の)通分で既につまずいてた」なんておっしゃっていたが、ワタシは、「3+4」でつまずいた、筋金入りの算数音痴。

この小説に登場する「博士」は、数学の博士。
数式や証明に「美しさ」を求める。
「本当に美しい証明は、一分の隙もない完全な強固さとしなやかさが、矛盾せず調和しているものなのだ。たとえ間違ってはいなくても、うるさくて汚くて癇に障る証明はいくらでもある。分かるかい? なぜ星が美しいか、誰も説明できないのと同じように、数学の美を表現するのも困難だがね」(p.23)

数学の証明が美しいと感じたことは、ワタシはいまだかつてない(要領が悪い証明は分かるけど。たぶんそれが美しくないということなのか?)。しかし、言わんとしていることは分かる。何より速く飛ぶ飛行機は、えもいわれぬ美しい形状をしているし、よく切れる刀であるほど美しい。原子の結合も整然と美しいし、偉大な公式ほど、シンプルな美しさを備えている。そんな感覚と似ているだろうか…。

そういえば梅棹忠夫は『文明の生態史観』で「日本では、科学でさえも、一種の美的体験としてうけとめられているとおもわれるふしがある。数学者や科学者たちさえも、単なる理論の追求というよりも、理論のうつくしさを追求していることがおおいのではないだろうか」と書いていたが、他の国ではどうなのだろう?


この小説の主な登場人物は3人。
これらの人々が名前で呼ばれることはない。キャリア10年の家政婦である「私」とその「息子」は、顧客である老人を元数学の博士であったことから「博士」と呼び、博士は「私」を「君」と呼び、息子には、頭のてっぺんが平らだから「ルート」というニックネームをつけた。

博士は、17年前に遭った事故のため、記憶が80分しかもたない。ただ、事故に遭う前の記憶はずっと保っている。
この博士の心は、どのようなものなのか。想像するのは難しい。


「ルート」の父親は、いない。
「博士」には、母屋に住んでいる義姉以外、身内はいない。

博士と私とルートが、「疑似家族(博士=父、私=母、ルート=子)」として生活した日々は、とても貴重な時間だったのだろう。冒頭から、すべて過去のこととして、過去形で語られているからか、静謐と、諦めにも似た寂しさが漂っていて、気持ちよい読後感。

ただ、博士はあくまで父の役割を果たしたのであって、夫の役割は果たしていない。もちろん、「私」も妻ではない。この2人の関係は、あくまで、顧客と家政婦の距離を保ったまま。
ルートがそこにいることで、「家族」として成立する。
ある意味、これは“ユートピア”かも。だからこそ、徹頭徹尾、過去形で語られなければならない。ユートピアは、必ず終わるものだから。

ユートピア論はここでは省略。

2004年5月14日
きょうの共同通信、キンコンが4回も鳴った。
しかもどれも別々のことで。う〜疲れた。
(と書いてもほとんど分かってもらえないだろうけど、別にいいやと思えるほどの疲れ)
社歴ン十年のIさんも初めてだと言っていた。はぁ。

2004年5月11日
岡崎律子さんの、あまりにも突然の訃報に衝撃を受ける。5月5日にお亡くなりになったそう。まだまだお若く、これからもご活躍されるものと当然のように思っていたので、何と言ったらいいか…。ご本人のサイト、4月28日が最終更新になっているのに。

淡々と切なくてやさしいメロディー、泣きなくなってしまうけど元気の出る歌詞や歌声、とても好きでした。結局1度も生歌を聞けずじまいになってしまった。もう新作を聴けないなんて。

きっと、知らない人は全然知らない。でもアニメ「フルーツバスケット」「プリンセス チュチュ」「十兵衛ちゃん2」の主題歌の作者といえばお分かりになる方もいらっしゃるかと。

「フルバ」のアルバムを聴きつつ記す…。

2004年5月10日
9日深夜BS2で放送していた「法王庁の避妊法」にはやられた。
今までノーチェックだったのが悔しい演劇だった。放送してたのは出演が勝村政信、稲森いずみ版で、キンクリートの方でないから公演は昨年12月。
脚本が良いのですわ、多分。もしかしたら原作の方かな〜?

自分で選択できる自由ゆえの苦悩とそれを乗り越えてゆく荻野センセイとその妻、2人を取り巻く人たちを軽やかに描いているところが素敵だ。
再見の価値あり&戯曲チェックせねば―ということでメモっておこう。

2004年4月23日
病気並みです。
観たくて仕方がない公演があるのです。
サンクトペテルブルグ・バレエ・シアターの「白鳥の湖」。
6月4、5、8日に東京、そして6日になぜか宇都宮(失礼)で、公演が予定されているのですが、この日程じゃ、観に行けねぇよ!(怒)

バレエの公演なんて、ろくに観たこともないし、サンクトペテルブルク・バレエ・シアター(最近なにやら名前が変わって「サンクトペテルブルグ・バレエ・シアター・タッチキン・バレエ」とか)は、初来日なので、観たこともありません。

しかし、「踊る女優」と評されているイリーナ・コレスニコヴァ(Irina Kolesnikova)の「黒鳥」を、この目で確かめたい!! 彼女についての情報が少なすぎるのも、喉が渇くみたいにワタシの「観たい病」を助長している。Googleで「コレスニコヴァ」で検索しても、たったの23件しかひっかからない。関係ないけど、検索したときにふと見つけた下野新聞内サイトのコレスニコヴァの眼鏡をかけてる写真がちょっとキュートだ。
うう、彼女の演技とグラン・フェッテが観たい。しかし、こんなコトのために仕事は休めないしなぁ…鬱。