■プレスリリースは創業者の武器

「広告」と「記事」どちらが読者にとって信憑性があるか?関心が高いか?といえばもちろん「記事」に軍配があがります。

大企業が大金を出して広告を出す以上の効果を、お金をかけずに出せるプレスリリースで作ることができます。これは創業者にとっては、欠かせない武器なのです。

さて、掲載された記事ですが、多くの人は、記事が載れば直接お客様から注文が入ると勘違いしていますが、そんなことはありません。

競合していく企業に比べて信用力が欠ける創業者は、掲載記事をお客様やバイヤーの信頼度を高めるツールとして利用します。つまり記事が載って終わりではなく、記事が掲載してからがスタートで以下に営業ツールとして活用するかが大事なのです。


■記者が興味を持つ内容とは

プレスリリースは、記者・編集者に情報を提供し、その内容に対して興味をもってもらうことを目的としています。記者が興味を持ってくれて初めて記事として掲載されます。

基本的にはニュース=新しいことを紹介する、ということを念頭においてください。

・社会性があること→社会的な動きとして目立ってきていることや、社会貢献など記者として取り上げなくてはならない事項

・話題性があること→日本発、世界初など社会的、経済的なインパクトがあること

※逆に考えると、新商品を出すことは自社にとっては大きな事項ですが、市場全体で見ると同様の商品がたくさんある、という場合は社会性や話題性があるとはいえません。


■ 基本的な形式 ※頭の番号は説明用です。

 以下の内容を私はA4サイズ1枚にまとめます。

 情報量は多ければ多いほうが良いので、

 表紙として以下の内容を簡潔にまとめ、その後に詳細の資料とし て添付してもよいでしょう。

 ちなみに業界紙・誌はFAXでも取り上げてもらえますが、

 大手新聞は郵送のほうが反応が良いようです。

(1)報道資料 

※DMと区別するために書きます。


(2)日付2004年●月●日 

※「はじめてプレスリリースを出した日」郵便、FAX、記者クラブへ持ち込み等複数の手段で送る場合でも日付は合わせてください。


(3)報道関係者各位

※記者の名前がわかれば、本人の名前を書いておいたほうがベターです。

※同じ新聞社で複数の人や部署に送って、記事がダブると2度と掲載してもらえなくなります。送り先の担当者に注意しましょう。

※担当者名を入れたほうが効果があります。誰宛に送ればよいかは、編集部に電話して記事の内容を伝え、「誰宛にプレスリリースを送ればよいか」ときけば教えてくれます。


(4)タイトル

「●●●●●●●●●●●について」

「●●●●●●●●●●●●●の件」

※私の場合は、記者の関心を惹くようなタイトルと、サブキャッチを書くように注意しています。文字はやや大きくしています。

※タイトルで捨てられる、捨てられないの最初の関門を突破するつもりで・・


(5)(発信人)株式会社●●●●●●●

※ロゴがあれば使うのも良いでしょう


6)内容の要約

※150〜300字程度で内容を要約します。

とくに紹介して欲しい内容をわかりやすく、簡潔にまとめます。

ほとんどの場合、タイトルと要約でその内容を判断するそうですから、ここの部分で記者が取材をするべき「理由」を伝えるようにします。

※内容は本文で書くので、ここでは特長を簡潔に伝えると良いでしょう。

※良質の素材、こだわりのデザイン、最高の品質、消費者のニーズ、顧客志向、斬新なデザイン、など抽象的な言葉は避けましょう。ほとんどの企業がこれらの言葉を使うので、特長を示す言葉としてはふさわしくありません。

※特長として、他社商品との差別化ポイントを書きます。もし差別化された点が自分でもわからないなら、その商品はバイヤーにも支持されないでしょうし、売るのも難しいということです。

※私は「こだわり」=「試行錯誤」だと思っています。良い商品を作るために、何度もやり直しした部分をこだわりとして紹介すれば、後で追加取材があったときに自信を持って答えることができます。


(7)本文(必須)

※本文はできるだけ具体的で客観的に書いてください。

※開発者の気持ちや主観はプレスリリースではなく、実際に取材してもらったときに話すようにするとよいでしょう。熱い気持ちがありすぎる主観的な文章には記者もうんざりしています。

※記者は、読者にお知らせしたほうが良い内容か?どうかで判断します。ものすごく数多くのプレスリリースの中から、掲載すべきものをふるいにかけます。ですから、記者が記事にしたほうが良い理由、読者に伝えたほうが良い理由をお知らせするつもりで書いていきます。

 ・新規性(どんな新しさがあるのか→報道として役割)

 ・話題性(その時に話題になっているものと関連付ける→読者が話題にしやすい)

 ・社会性(生活者にとってどのような恩恵があるか?→読者のメリット)

 ・経済性(どのような経済的なメリットを与えるか→市場の活性化)

※特定企業の商品のプレスリリースだと掲載してもらえる可能性が低くなるので、私の場合、他社商品と組み合わせて○○○特集を組んだらどうでしょうか?という提案を行うこともあります。そうすると社会性が出てくるからです。


(8)商品の仕様

商品名、アイテム名(品目)、価格、大きさ、素材など記事にした場合必要な項目を記載しておきます。


(9)発信者の概要

※この部分をきちんと書かないと、まず取材してくれません。記事にする前に電話での確認もあります。

・企業名、屋号

・代表者名

・連絡先

・住所・電話番号(電話での連絡可能時間帯)・FAX番号・メールアドレス

・担当者氏名(ふりがな)

・関連URL


(10)追伸

※手書きで書いておくと、目立つので読んだもらえます。

※私の場合は、取材に来れば、このような情報を提供できます、このようなメリットがあります、という予告をして直接取材に結び付けます。